第116話  朗報です!

 ガチャ玉も一応増えた事だし、これ以上の備えは恐怖の大王の出現まではお預けかな。

 目下の問題は、婚約者~ずへの領主のお仕事の割り振りだけど、それもマチルダさんがやってくれてる。

 そりゃ、人数が増えればそれだけ仕事が捗るんだから、マチルダさんも割り振りと指導を必死でやるよな。

 早く時間を作れるようになって、恋人を作って欲しいと切に願う。

 

 あ、婚約者~ずのうち、ミレーラは政務とは別のお仕事を振る予定。

 元々、姫巫女って言われてたぐらいだから、ネスへの祭祀、祈禱を行ったり、参拝客への説法なんかもしてもらうつもり。

 毎日はしんどいから、週に一回ぐらいのペースで、ネスのお言葉を伝える役だね。

 キリスト教や仏教なんかで行われている日曜礼拝や教会学校に近い感じかな。

 そのために、ネスの今までのお言葉をお勉強中。

 とは言っても、その言葉は基本的に俺が考えてるんだから、俺からの口伝を纏めてるだけなんだが。

 纏め上げたら、きちんと本にして聖書とか聖典ってのにしたいな。

 これも売れるぞ……ぐへへへへ。


 ミルシェは、メリルから政務、マチルダさんからは財務の集中講義を受けている。

 めっちゃスパルタで、毎日7時間にも及ぶ講義が終わるころには、ぐったりしてるけど……まあ、なんだ……がんばれ!

 

 俺はまだまだ多い政務をこなしながら、毎日みっちりとイネスさんと修練を行っている。

 成長期らしく、結構身長も伸びた気がする。

『ええ、成長してますね。もう立派に成長して! 涎がとまりません!』

 お前は、どこの成長を見てるんだよ!

『え? そりゃMr.ポール君のチン長ですけど?』

 言い方は可愛いけど、それ俺の股間の事だろうが!

『そうとも言う!』

 そうしか言わねえよ! そうじゃなくて、成長ってのは骨格や筋肉の事だよ!

『それは止まって欲しいですね』

 何でだよ!

『だって至高のショタがショタで無くなってしまうなんて……残念です!』 

 いや、俺だって成長すんぞ? いつまでもガキでいられないからな。

『子供から大人に変わる瞬間というのも、また美味しそうですね……じゅるる』

 お前には食わせねーからな!

『誰だったら食べさせるんですか? ねえ、誰だったらいいんですか?』

 御答えは差し控えさせて頂きます。

『まさか、イネスとマチルダに個人レッスンをして貰ったのですか!? 大河さんの童貞がーーー!!』

 絶対に違うからな! それと童貞言うな!


 やはり過去の検証でも分かってたことなんだが、この星の人間の基本スペックは地球人よりもかなり高い。

 周囲の人間全員のスペックがまんべんなく高いために気が付きにくいんだが、もしも地球の一流アスリートがこの星に突然連れてこられたとしても、その辺の村人と比較しても変わらないと思う。 

 だから俺が前世であれほど長い年月積み上げてきた空手の技も、すでにこの歳で超えた気がする。

 今なら余裕で瓦割り20枚はイケるね!

 まあ、あの瓦は割れやすい試し割り専用の瓦なんだけどさ……。


 最近ではエルフの村の戦士っぽい人にも手合わせをお願いしている。

『リョウシュ、ツヨイ! オレ、ナル、タンレン!』

 エルフも自分の鍛錬になるって喜んで協力してくれてる。


 将来のお気楽極楽生活の為に、今を頑張るのは間違ってないと思うけど、もちょっとのんびりしたいなあ。

 それもこれも、いつ来るか予定のはっきりしない恐怖の大王のせいだ!

 せめて時期だけでもはっきりすれば、色々とやりようはあるんだが……。

『そんなあなたに朗報です!』

 んあ?

『現在確認されている転生情報からは、特に危険な兆候は見られません。転生後すぐに脅威となる事は無いでしょうから、あと数年の猶予は有ると思われます。なので、はっちゃけて創造しても全然大丈夫です!』

 ほっほ~! それは朗報。

『しかも新エネルギー変換玉は、従来の物より高性能ですから、変換玉の増産も思いのままです。もう、この星の文化レベルを数百年ほど進めて頂けるような創造をして貰っても大丈夫ですよ。物質であろうと、新たな世界の法則であろうと!』

 物質の創造で文化レベルを進めるのは分かるんだけど、世界の法則って何?

『この世界に今まで無かった法則ですよ。大河さんの世界にはあった法則でも、この世界では無かったものがあるんじゃないですか? 法則と言うのは、何も物理現象だけじゃありません。人の生活や心の中にも色々な法則があったはずです』

 なるほどな。ちょっと真剣に考えるんで、サラは思考に割り込まないでくれ。

『え……? 一戦交えた後の気だるげなピロートークの中で、私の髪の毛を撫でながら、「サラ、俺こんなのを作ってみたいんだけど……」って言いながら、私のパイオツに手を伸ばしてモミモミクリクリしちゃったりして「ああん……もう大河さんの好きにして~。サラ、あなたの為なら何でもする~♥」んで、ガバッって覆いかぶさってもう一戦! って感じで進めないんですか?』

 昼ドラかよ! なんだよ、そのやたらリアルで限定的なシーン設定は! んな事するか! いいから黙ってろ! 

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