第44話  青い海!

 誰もいな〇海~♪ 二人の愛をたし〇めたくて~♪

 

 う~ん、誰もいない真っ白な砂浜に、澄んだ綺麗な青い海!

 すっげえプライベートビーチじゃん!

 いや、俺の物じゃないけど、でもビーチを独り占めだよ!

 プライベートな雰囲気がすごい! 絶景だなコレ!

 もう何言ってるのか訳わかんなくなるぐらいの感動! 


 まあ感動はこれぐらいにして、砂浜を見て回ろう。

 見た感じビーチは端から端まで1kmぐらいあるんじゃね?

 ビーチの背後には俺が通って来た森があるんだけど、砂浜との境目はヤシの木っぽいのが並んでる。

 ふむ……取りあえず右手の端っこを見に行ってみよう、ブレンダー GO!


 おお端っこが見えて来た……崖がせり出してるのか……岬だな。

 手前に見える川は、あの熊が水を飲んでた川かな?

 ってことは、ここから鮭は遡上するのか。

 海と繋がってるんだから、鰻とか鮎とかいないかなぁ。

 鰻がいたら、ドワーフの村の米と醤油でうな丼作れるじゃん!

 天然鰻のうな丼なんて、高級すぎて食った事ないもんな……いつもスーパーで売ってる中〇産の養殖冷凍鰻……。

 いかん! 考えるとよだれ出る……腹減った。

 あの崖の向こうはどうなってるんだろうか、後で行ってみよ。


 クイーンもブレンダーも好きに遊んでおいで~。

 革の水袋の中で温くなった水だけど、これで喉を潤す。

 後であの川の水を調べなきゃね。

 魚が居たから、まあ大丈夫だとは思うけどね。

 

 とりあえずお昼休憩! 木陰に腰かけてお弁当を……よっと。

 ドワーフの長のとこにいた使用人さんが、なんとおむすび作ってくれたんだ!

 海苔なんてない塩むすびだけど、ちゃんと三角形してて嬉しい!


 ぼ、僕は、お、おむすびが、す、好きなんだな……。

 ランニングシャツでも半ズボンでもないし、芸術家でもないけど。


 そう言えば、お握り・お結び・握り飯って呼び方だけど、諸説あるが結局同じ物にしか見えないなあ。

 ま、歴史家でも料理家でもないから、呼び名の由来なんて気にしないけど。

 だが、俺は“おむすび”派だな。

 具はダントツで“鮭”だ!

 読者の皆様の呼び方と好きな具ってなんだろう?

『読者って誰の事ですか?』

 うん……雰囲気で。

 いかん、応援コメントで変な派閥争いが起きて炎上したらどうしよ!

『だから応援コメントって何ですか?』

 サラ、うるさいな!

 もしもつぶやいたらって、脳内シミュレーションだよ!

『ぷっ! 前世ぼっち乙!』

 ぐ……ぐうの音も出ない……。

 いいもん……おむすび食べるもん……。

 うわーーーーーーーーーーーーーーーん!(涙)

 おむすび美味しいなあ……んぐんぐ……。

 おかずに漬物まで……嬉しいいなあ……ぽりぽり……。

 ああ、ほっとする味だな……。

 でも、すごくしょっぱいのは何故だろう……う、う、う、。


 ん、クイーンどうした? 海を見ろ?

 おぉー! クジラか~? あれクジラだろ! 潮吹き揚げてるぞ!

 俺、初めて見たよ!

 ん、ブレンダーも何か見つけたの? って……めちゃめちゃでけえカニ!

 ヤシガニかな……1m近くあるぞ? 捕まえてあとで食ってみよう。 


 さてと、ついでに確認しておこう。

 ブレンダーとクイーンを呼び戻して、荷物から紙とインクを取り出す。

「クイーン、ダンジョンからここまでの地図を作るぞ。分かる範囲で書き込んでくれるか?」

 コクコク頷いたクイーンは、インク壺に足を入れて爪?で紙に線を引き始める。

 お前、めっちゃ絵上手いな!

 ほうほう、ここに滝……うん? あ~熊居たね。

 木がこの辺で変わった……ああ、変わった樹が増えてきた場所ね。

 ふむ……ここがエルフと会った場所か……で、ここがエルフの村と。

 こうやってみたら、めっちゃジグザグに動いてたんだな。

 ここがドワーフと合った場所で、んでここがドワーフの村と。

 え、何で水田とかの場所知ってんの? あれ、こんな所行ったっけ?

 ほうほう、マップの空白埋めるために途中で兵隊蜂飛ばして探索してたの?

 全然気付かなかったよ! めっちゃ有能だな!

 マジでありがとね、クイーン!

 

 それにしてもお前、こんな簡単に地図が描けるとか……すごすぎじゃね?

 江戸時代とかの地図そっくりだなぁ……必死に測量した伊能忠敬が泣くぞ。

 おお! 距離の縮尺まで、これで行くと、ダンジョンから海まで真っすぐだと40kmほどか。

 細かい地形は分かんないけど、これで大体わかるな。

 ブレンダーこの地図に間違いあるか見て。うんうん、そっか問題ないと。

 

 ふむ、んじゃ兵隊蜂さん総動員して海岸線も調べてくれる? オネシャス!

 周辺の探索終わるまで、ちょっと昼寝するよ。

 お腹膨れたら、眠くなった……ブレンダーとクイーンは俺の護衛ね。

 部下が優秀だと、上司は楽だなぁ……それじゃお休み~。

 

 てしてし……てしてし……誰だ……ほっぺ叩いてるのは……ブレンダーか。

 どうした? 海の方を見ろって? またクジラか……な、なんだ?

 ぎゃーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!

 人の顔が浮かんでる! いや海から飛び出してる! 海坊主か! 和尚魚か! 

 つんつん……ってクイーン、逃げるぞ!

 え、落ち着け? よく見ろ?


 んん~~~~~~~~?

 濡れた髪の毛が顔にベッタリ張り付いて、めっちゃ怖いぞ!

 海で死んだ人の亡霊か? だんだん近づいて来る……ぞ?

 真っ赤なビキニ? あれ? 下半身が……まさか人魚か!?

 ファンタジーまたまたキターー!


 もうお腹いっぱいなんだけどなぁ。

 胃もたれするから、キャ〇ジン欲しいぞ……。

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