第37話  森の調査に出発!

 サラの衝撃の告白を受けたわけだが、ガチャ玉を使えと言うならちょうど良いタイミングだ。


 ってか、星とか大陸とか創造しちゃってもいいのか。

 天〇の城は欲しい気がする……色んな意味で大丈夫かな?

 デザイン変えたらいけるかも。 

 でもあんまり目立ちたくはないんだよな……。


 まあいい、ガチャ玉で俺の領地を大々的に開発してやる!

 父さんの領地の税収額は落としたくない。

 今までの様にダンジョンを軸とした街だと、父さんの領地と被ってしまうな。

 ダンジョンを横に伸ばすのは却下しよう。

 もう全く方向性の違う街を目指した方がいい気がする。

 

 って事は……天空の……いや、それは最終手段だな。

 でも古代の遺物発見とかで乗り切れそうだな……。

『乗り切れます! ぜひ作りましょう! 見ろ! 人がゴミのようだ! って言ってください! 私、バ〇ス! って叫びたいです!』

 俺がム〇カ大佐の役かよ!

 あとな、お前がシ〇タ役ってのだけは絶対に認めん!

『よよよ……こんなに清楚で淑やかで心優しい私になんて暴言を……』

 清楚で淑やかで心優しい人間は、そんな事を自分では言わん! 


 それはさておき、この世界で見た事なく、それがあってもあんまり目立たず、そして経済の中心となる様な街か、なかなかむずいな。

 父さんの領地は、冒険者が主軸に経済が回っている。

 ならば俺の領地は、冒険者を外すのはどうだろうか? 

 大農業地帯にしようにも、森を開拓して農地転用には結構な時間と労力がいる。

 ならばどうするか……むむむ? ちょっと閃いたぞ!

 エンターテイメントとリゾートを中心にしてみてはどうだ?

 どうせゼロから造るなら、これは可能じゃなかろうか!

 あの広大な森の先がどうなっているかで別の展望も考えられるから、まずは調査をすべきだな。

 

 あの森に関しては、過去誰も調査を行っていない。

 まあ、未開の最果ての地のさらに果てなんて、よっぽどの必要がない限り調査なんてせんわな。

 あの森ってどこまで続いてるんだ? ん、風の精霊さんは知ってるの?

 ほうほう……つまりめっちゃ遠くまで森が続いてるって事かな?

 んでその先は水たまり? 水の精霊さん! その水ってもしや塩水!?

 マジか! 海だろ! 海に間違いない!

 よっしゃ! これでイメージ固まったぞ!

 目指すは総合リゾートシティーだ!


 でも精霊さんの報告だけじゃ、海までの距離がよくわからん。

 海まで数キロならいいが、数百キロとかだったら厳しいなあ……。

 もしもの場合は、交通機関の改革が必要か。

 あと森の中の安全性も要確認だな。

 まあ、取りあえず海を見に行ってみよう!


「父さん、僕の領地になる森なんだけど……」

 子供だからね、まずは親であり領主である父さんに相談だよな。

「どうした? お前の好きにしていいぞ。ただ資金はあまり出せないけどな」

「魔法で何とかするから、そんなにお金はかからないと思う」

 官能小説だけはどんどん買ってるくせに……母さんにチクッてやろうか?

「そうか、なら問題ない。どうしても資金が必要なら相談に来なさい」

「わかった父さん。取りあえずあの森の先を知りたいんで、何日か調査に出かけると思うけど、行ってもいい?」

「トールヴァルドなら危なくはないだろうが、十分に気を付けるんだぞ」

「了解!」


 保護者の許可も取ったんで、ちょっとお出かけしようかな。

 食べ物だけ持って行けばいいかな?

「トールヴァルドさま、どこかにお出かけですか?」

 俺の心のオアシス、メイド見習いのミルシェちゃんの視線が、なぜか鋭く怖いんだが……なぜ?

「先ほどトールヴァルドさまにサラが付いて行くからと、準備してましたから」

 …………。

「サラー! 連れてかないぞー!」

 どっから聞きつけた! って、意識読んだか、父さんか。

 ドタバタ走ってきたサラが、

「え~~~~!! そんな殺生な~~~~!!」

 アホか! お前連れてくと俺の貞操の危機なんだよ!

 ミルシェちゃんにも悪影響及ぼすから、おとなしくしとけっての!

「何でそんなに行きたいんだよ……」

「トールヴァルドさまの旅行なら、下のお世話をする人間が絶対に必要です! それには私が最適です!」

 どこからその自信が来るのか、その頭開いて脳みそ見てみたいわ! 

 ってか、下の世話なんぞいるか!

「今回は森の調査だから、僕とブレンダーで行く。クイーンもファクトリーも持って行くから危険も無いし、下の世話も必要ない!」

「「え~~~~~~~~!」」 

 見ろ!ミルシェちゃんまで愚図りだしたじゃねーか!

「今回は2人共大人しく留守番してなさい。お土産あるかは分かんないけど。僕の新しい領地が出来たらちゃんと連れて行くから」

 まあ、どれぐらい先になるかわからんけど。

「わかりました。サラも行かないなら待ってます」

「ぐぐぐぐぐぐぐぐ……留守番します……」

 めっちゃ嫌そうだな、この駄メイドは。

 ミルシェちゃんを見習え!

 

 ▲

 


 翌朝、俺はファクトリーを背負い、クイーンを頭に付けてブレンダーに跨った。

 コルネちゃんはまだ寝てるけど、起きた時に俺が居なくなってたら泣くかな?

 お土産持って帰って、ご機嫌取りしなきゃな。

 ……居なくなっても普段通りだったら、それはそれで悲しい。 


 目指すは山越えした先にある、俺の領地予定地の森のさらに先。

 海を目指すぜ!

 

 街を出てダンジョンの横を通り過ぎると、ブレンダーは猛ダッシュを始めた。

 遥か~草原の~〇掴みの雲が~♪ 

 三千里もあったら嫌だな~。

 などとブレンダーの背でのんびりしながら森へと突入した。

 前世だって海なんて海水浴目的では、ほとんど行ってない。

 せいぜい20歳ぐらいまでかな。

 海水浴場でのきゃっきゃうふふな事なんて無かったよ。

 せいぜい新婚旅行で嫁と行ったグアムの海で、嫁の水着姿見た事ぐらいだな。

 あ~海を開発してビキニを流行らせたい!

 トロピカルな飲み物片手に、浜辺を彩る美しい花々を愛でたい!

 めっちゃワクワクする!

 

 やるぞー! おー!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る