番外編 ミルシェちゃんと、どろぼうねこ
今回は番外編です。スタンピード時のミルシェちゃんの視点で書いてみました。
=====================================
夜ねてるとき、すごくがたがた家がゆれました。
お父さんが、領主さまのところにお話しをしにいくから、お母さんと家でまってるようにいって出ていきました。
少しのあいだ、たまにがたがたゆれました。
こわくてお母さんとベットで一緒にじっとしてました。
何回かがたがたしたけど、しばらくしたらゆれなくなりました。
こわかったけどお父さんがかえってきて、もうだいじょうぶといいました。
朝おきたら、森の中にダンジョンって言うのが出来てたそうです。
ダンジョンから魔物がいっぱい出てきて村が襲われるかもしれないから、領主さまの家に逃げる様に言われました。
お父さんとお母さんとパンや干し肉ときがえの服とお金とかもって、領主さまの家にいきました。
領主さまの家には、トールヴァルドさまがいます。
トールヴァルドさまは、わたしのいっこ年下です。
さらさらのきれいな金色の髪でみどり色のきれいな目の、すごくかわいい領主さまのご子息さまです。
トールヴァルドさまはとても頭がよくて、すぐに読み書きと計算が出来るようになりました。
わたしはまだ上手くできません。だからトールヴァルドさまが教えてくれます。
いつもはひとりで難しいご本をよんでらっしゃいます。
魔法も使えるってききました。すごいです!
領主さまの家に逃げてきたわたしたちは、窓からダンジョンっていうのを見てました。
お父さんは、領主さまと家の前で魔物とたたかうそうです。
魔物ってどんなのか知らないけど、とっても怖いってききました。
お父さんだいじょうぶかなあ……だんだん怖くなってきました。
すごく怖かったので、トールヴァルドさまの服を掴んでました。
トールヴァルドさまと一緒に居ると思ったら、ちょっと怖くなくなりました。
でも、トールヴァルドさまは、服からわたしの手をはずしました。
それでわたしの目をみながら、やさしく言いました。
「いい、ミルシェちゃんはここにいて。僕は父さんと母さんの手伝いに行くから」
「トールヴァルドさま……あぶないよ?」
「僕はみんなを守る領主家の男だからね。大丈夫、必ずミルシェちゃんは守るから。僕を信じて!」
トールヴァルドさまが、すごく真剣な顔で言いました。
すごく格好いいです! わたしを守ってくれるって言いました!
お顔があつくなって、なきそうになりました。
トールヴァルドさまは走って行っちゃいましたが、信じる事にします。
少しするとすごく大きな音がしてガタガタゆれました。
夜もこんな風にゆれてダンジョンが出てきました。
怖いです……トールヴァルドさま、はやく帰ってきて……。
奥さまが、裏庭にくるようにいいました。
わたしとお母さんは、すぐに行きました。
裏庭には、小さな扉が地面にありました。
扉の下には階段があります。
奥さまは、中に入るようにいいました。
こわかったけど、お母さんと階段をおりました。
階段の下は、すごく広いお部屋でした。
わたし達のあとから、村のみんなもおりてきました。
さっきまで領主さまの家でぎゅーぎゅーだったのに、ここは広いです。
それに地面の下なのに、いっぱいろうそくがあって明るいです。
……あれ? ろうそくじゃない……何にもないところに火がついてます。
奥さまが、これはトールヴァルドさまが魔法でつくったって説明してます。
ここなら、魔物がきても入ってこられないぐらい強いそうです。
トールヴァルドさますごいです!
ちゃんとおトイレもお風呂もついてました。
ご飯は、みんなで保存食を持ってきたのを食べました。
きれいで冷たいおいしい水が、ふしぎな鉄の管をさわったら出ます。
トールヴァルドさまがちゃんと守ってくれてる気がして、安心します。
でも早くトールヴァルドさまに帰って来てほしいです。
お顔が見たいし、ぎゅーってしたいです。
どれぐらいこのお部屋にいたでしょうか?
入り口の扉がひらいて、領主さまとトールヴァルドさまがおりてきました。
もう魔物は魔法でぜんぶたおしちゃったそうです! トールヴァルドさますごい!
あれ? でもトールヴァルドさまの後ろに青いオオカミがいます。
あれは魔物じゃないんでしょうか?
魔物だけど、トールヴァルドさまのつかい魔っていうらしいです。
すごく頭がよくて、トールヴァルドさまのいう事をちゃんと聞くそうです。
それに魔物と戦ってくれた良いオオカミさんで、名前はブレンダーちゃんだそうです。
さわらせてもらったら、すっごくふわふわで気持ちがいい毛並みです。
乗せてくれるというので、トールヴァルドさまの後ろに乗せてもらいました。
ぎゅーって、トールヴァルドさまに抱きついちゃいました。
トールヴァルドさまは、すごくやさしい匂いがします。
ブレンダーちゃんもゆっくり歩いてくれます。
乗り心地がいいのは、トールヴァルドさまに抱きついてるからかな?
お外に出ると、ねこのじゅうじんの女の人がいました。
……あの人は敵になりそうな気がします。
領主さまとトールヴァルドさまとお話しながら家に入って行きました。
……あのおっぱいねこは、やっぱり敵です! そうきめました!
こんど、トールヴァルドさまにどんな関係なのかきかなきゃ!
トールヴァルドさまのお嫁さんは、産まれてからずっと一緒のミルシェがなるんです!
おっぱいのどろぼうねこには、わたしません!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます