第6話 わくわくの御開帳
さてさて、神様からのメッセージを見てからもう三か月。
実は我が家の裏にはちょっとした林があるのだが、そこにコツコツと基地を作っていたのだ。
基地ってなんかワクワクするだろ? 子供の頃に段ボール箱とかで基地を作った事がある人も多いはず。
何を隠そう、俺も近所の橋の下に作ってたのだ。
言っとくけど……住んでたわけじゃないぞ。
当時、仲の良かった男友達と拾ったエ〇本をゲフンゲフン……とにかく基地って響きはワクワクするぜ!
材料は拾った枝や葉っぱで、それをいい感じに組み合わせて二畳ぐらいのスペースを確保した。
パッと見た感じ、カモフラージュが出来てて基地とはわからない。
うん……俺って天才! 自画自賛。
「林で遊んでくる~!」
母さんにちょっと嘘をついて、秘密基地へGO!
さあ、本日のメインイベント!
「サモン ボックス!」
すると目の前に、ドンッ!と音を立てて落ちてくる巨大な箱。
見た目は海賊の宝箱って感じだ。
カギは掛かってないな……では、御開帳!
宝箱を開けて中を見てみますか……ん? んん~~?
開けた瞬間に、頭に流れ込んでくる多くの情報。
ああ、これが神様の言っていた便利グッズの使い方のインストールか。
ふむふむ、確かに便利かも。
箱の中にはピンポン玉ぐらいの光る球? がコロコロと入っていた。
その一つを手に取ると、すっと光が消えた。
うん、説明通りガチャガチャのカプセルだね。
100円入れてガチャってハンドル回す、あのよく店先で見かけるやつ。
いや~子供のころは良くやったな~昔は10円とかだったんだよなあ~……って、
神様、なんだよこれ! わざわざカプセルに入れる意味がわからん!
【このギフトカプセルは、君の願望を形にします。ただし例外あり】
【君が使い方を知っている物なら、現実世界に無い架空の物でもOK】
【架空の物の場合は、イメージ力によってその能力が変化します】
【具体的に君が願望を頭に思い浮かべながらカプセルを開ければ形になります】
【この星に存在する物や貴金属類の様な換金率の高い物は作ることはできません】
【カプセル開封前であれば、願望の変更は可能】
【このカプセルは、君にしか見えないし触れません。譲渡は不可。但し開封後に物質化された物に関してこの制限は適用されません】
【その他の詳細のご案内は、都度ナビゲーションが行います】
ほうほう、これは何か形の有る物を作り出すカプセルって事ね。
願望は何でもいいって訳じゃないんだな。
つまり、前世で使ってた物かその使い方を知っている物なら、フィクションでも可って事か。
形にできない物は、お金とか金銀パールとかかな?
ひのふのみの……カプセルは全部で20個あるのか。
問題はこの星にある物は形に出来ないって事だな。
ん~この星の事、まだあんまり知らないからなあ。
まずはこの星の事をもっと知らないと使えないな。
ナビが有るらしいから、無駄にカプセル開ける事も無い安心設計みたいだけど。
んで、カプセルのままなら誰にも見られないか……んじゃ部屋に転がしとけるな。
よし! とりま、一個だけ使ってみよう。
願うのは、転生物でありきたりなスマホとかPCじゃないぞ?
いや……いずれはそれも欲しいけど、俺だけ持ってても仕方ないしな。
子供の頃に、男の子なら一度は夢見るあれだ!
俺はカプセルを握りしめ、強く強く強く願った。
「ん~~~~~~~~~~~~~!」
『願望内容確認。脳内イメージ確認。イメージ補完完了。ギフトカプセル内包物変換開始…完了。カプセル開封を許可します』
ぬぉ! なんかカーナビみたいな声が頭に響いた! あ……ナビあるんだった。
いざ! 鎌倉! じゃなかった、開封の儀!
カプセル固てーよ! んぎぎぎぎ……カポッ! ぼわ~~~ん!
ゴホゴホ……玉手箱か! なんで煙出るんだよ! じいさんになって無いだろうな? 顔をぺたぺた触ってみたが、大丈夫だった。
カプセルが開くと、ああなるんだなぁ…んで?
おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!
夢にまで見た仮面でライダーな人の変身ベルトだ!
変身ベルトはもちろん昭和の奴だ! 平成の奴は趣味じゃない!
しかも初代1号に近い物をイメージ。
ちゃんと考えたんだぜ?
下手にごちゃごちゃ装備の付いた変身をしたら誤魔化せない。
魔法がある世界なんだから、これは魔法の鎧! とかいって誤魔化せそうなやつじゃなきゃね。
変身後の姿は、さすがに緑は変だから西洋の鎧風に近い銀色の装甲でって……。
あれ? 変身後は銀色の宇宙の刑事になっちゃってる!
まあ、あれも好きだからいいや。
カラオケで年甲斐もなく熱唱するからね。
あばよ涙~♪……よろしく~勇気♪……(自主規制)
ふっふっふ……これで敵が来ても戦えるぜ!
来るかどうか、わからんけど(笑)
ウルトラなマンの人も考えたけど、赤銀の巨人ってこの世界で魔王認定されそうだから止めた。
んでこのベルトはさらなる追加能力を願った。
TVの中では仮面でライダーなベルトって、普段見えないじゃん?
変身の時にいきなり出てくるんだよね。
だから普段は消えてて、使うときにはパッと腰に出現するように、TVに忠実にってのも変だけど、もうTVのまんまになるように。
あ、でも変身の掛け声どうしよ……別に掛け声は要らないんだけど、宇宙の銀色刑事だとポーズも違うよなあ。
などとアホな事をつらつらと考えていると、
「トールちゃ~ん! トールちゃ~ん!」
おっと、遊んでるうちにお昼ご飯の時間になったみたいだ。
いとしのママンが呼んでるから、帰りましょう。
「は~い、ここにいるよ~!」
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