望む形

真っ暗な双眸が

揺らぎさえ知らぬまま射貫くように

私を、私ただひとりを映す


白くて冷たくて細長い指の先が

柔らかく触れ、無いはずの温もりを与える


数秒後には躊躇いなく

縊り落とされんとするであろう之の首の心配等をする訳でなく


降り注いでくる涙の雨を手のひらで掬って

"きれいね"と言葉を零す


此処に在るは、一つの愛のかたち

きみがあまりにも優しく微笑むから

つられて笑った

きっと、こんなに幸せな最期なんて

他に存在しないわ

あなたの愛に、温もりに、溺れて逝けるなんて


嗚呼、私達は

上手く生きられていたかしら?

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創る心は泡沫に(短編集) 創心 @_sousin

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