帰宅・甘いはちみつ亭

ミシア達がハルワルド村の甘いはちみつ亭に帰り着いたのは、夜遅い時間だった。月明かりがあったのを頼り、少々無理をしてしまった。

甘いはちみつ亭の客はみんな帰ってしまっており、居たのはライラだけだった。


ミシア「ただいま~!」

ライラ「あらあら~、みんなよく無事に帰ってきたわね~!」

タリア「ただいま、ライラさん」

タニア「…あの…ただいま…です」

ライラ「まぁまぁ、嬉しすぎて涙で滲んじゃって、タニアちゃんが2人に見えるわぁ~」

アーキル「いや2人いるから」

要らぬツッコミに、コノハはアーキルの耳を引っ張った。


ミシア達はライラに事情を説明した。

ライラ「…まぁ、そうだったの…。苦労したわね…。気付けなくてご免なさい…」

ライラはタニアを抱きしめた。

タニア「ううん、いいの…。分かるはずもないから。でも帰ってこられて、良かった…」

ライラ「ええ、本当に。これからはずっと一緒よ~」


ライラ「それから、タリアちゃんも。…良い名前ね。ミシアちゃん、グッジョブよ~」

タリア「うん。あの、わたし…作られた…」

ライラはタリアも抱きしめた。

ライラ「何も言わなくていいわ。双子みたいなものだもの、何も問題ないわ~。

むしろ大好きな子が増えて、嬉しいくらいよ~」


ルディア「そうですよね。双子みたいなものですよね!でも双子だとすると、どっちがお姉さんなんでしょうか?」

ケニー「先に存在した方が姉だと定義するなら、タニアちゃんでしょうかね」

アーキル「タニアの方が幼い感じがするがな」

コノハ「ずっと閉じ込められていたんだから、仕方ないわ」


ライラ「そうすると、新しいベッドが必要ね~。さすがに今日は間に合わないから、客室のベッドで…」

タリア「…独りは、嫌でしょ…?お姉さまと一緒に寝たら?」

タニア「いいの?」

ミシア「もちろん。タニアと一緒に寝るの、久しぶりだね~」

タニア「やったー!」


ミシアに甘えるタニアを、タリアは寂しそうな微笑を浮かべて見ていた。

ルディア「タリアちゃんは、偉いですね。寂しかったら、私と一緒に寝ますか?」

タリア「いえ、自分のベッドがありますから…」

ルディア「そうですか。でもいつでも甘えてくれていいですからね。私はミシアちゃんの仲間ですから、タリアちゃんのお姉さんみたいなものです!」

アーキル「どういう理屈だ、そりゃ…?」

コノハはアーキルに肘打ちを喰らわせた。

ルディアは微笑みながらタリアの頭を撫でた。

タリア「…ありがとうございます」

タリアも笑みを返した。

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