エピローグ

帰宅・パーマスの町

ミシア達は、まずパーマスの町に帰ってきた。

早くハルワルド村に帰りたい気持ちはあるが急いでいるわけでもないので、町で一泊することにした。


冒険者ギルド『跳ねる亀亭』にいた冒険者たちは、無事に帰ってきたミシア達を祝して宴を開いてくれた。(彼らが馬鹿騒ぎしたかっただけだという説もある)

タニアが2人に増えていることについては当然みんな疑問に思ったが、詳細な説明は求めなかった。冒険者たちもそれくらいの気遣いは出来るのだ。

しかし性懲りもなくタニアとタリアに近付こうとする男どもは居り、彼らを撃退するためにミシアは前回の倍以上の動きを見せた。


そして世話になった関係各所に報告に行った。

本来なら全ての場所にタリアが赴くべきなのだろうが、時間短縮のため、縁のある者が代表して分散して行くことになった。


タリアとタニアおよびミシアは女医のスティッキーのところへ。

念のために、長いこと十字架に磔にされていたタニアの状態も診てもらった。

筋力に偏りや弱っている部分があるものの、日常生活で鍛えていけば大丈夫だろうとのことだった。

ちなみにスティッキーは、タリアが普通の人間と左右反転していることに気付いていたが、黙っていたのだった。

ミシア「なんで言ってくれなかったの?!」

スティッキー「確かにとても珍しいけれど、健康には関係無いと思ったし」

ミシア「そんなんでいいの?!」

スティッキー「とはいえ、タニアさんが2才のときに反転していれば記録に残していたはずだし、そんな珍しい症例が記録に無かった時点で、疑うべきだったかもしれないわね…」


コノハは薬剤士のコスモスのところへ。

コスモスもコノハも出身の森が同じなので、コノハが任されたのだ。

コノハ「それでね、ミシアの魔力量を測定するって話になって…」

だいぶ長話になっているようだ。


ケニーは探し物屋のペペのところへ。

ペペが『白い鳥魔力マナ探知器レーダー』を作ってくれなければ、犯人のところまで辿り着けなかっただろう。(犯人はタニアに遭いたがっていたので、探知器が無くても他の方法で対峙することになったかもしれないが)

ペペ「お役に立てたのなら良かったですよ。今度またミシアさんを連れて遊びに来てください。新しい測定器を用意しますから」

ケニー「新しい測定器ですか…。ははは…」

ケニーは苦笑するしかなかった。


アーキルとルディアは焼肉のセナンのところへ。

セナンからペペを紹介してもらう際に、お礼として面白い話を聞かせると約束していたからだ。

タニアの問題が解決したと聞いて、セナンは喜んでくれた。

ただ、今回の顛末を説明しようにも、誘拐や人間の複製という機微に触れる内容だけに詳しい話は出来ず、焼肉をご馳走してもらうことは出来なかった。残念。

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