七夜  彩夜(カーニバルナイト)

キャンプファイヤーを明るくさせて、更衣室のテントから音楽に合わせてフーガは登場した。

「今夏では、リゾート地で着れば人気ナンバーワンのだ」

常夏の楽園の街並みを描いたTシャツを前を開きにして、白いキャップ帽を被りグリーンのトランクス型の海パンを穿いていた。ちなみにパンツには赤い扶桑花(ハイビスカス)がペイントされている。

「おじさんの次は僕だ」

二番手のラッシェオは、白い生地に黒い髑髏(スカル)がワンポイントのバーミューダパンツを穿き、ヘアバンドで髪を立てて、白いサンダルを履いて闊歩した。町のチンピラと言うよりヤンチャ坊主だ。

「ラッシェオ、かっこいいわ」

ルルの声援に口が緩む。

「次は、母さんだったね」

「まかして、ママもラッシェオには負けないわよ」

ユリもラッシェオと同じように、黒い御髪に合う白いカウガールハットをし、ストレートの髪をポニーテールにしてオレンジ色のビキニを身に纏い、さらに白い日焼け止めの上着を羽織って、ラッシェオと手を繋ぐ。

「よし、私も目立つわよ」

ルルがエメラルドグリーンのビキニを着用し、美しい金色の髪とピンクの明るいサンバイザーを額にして、風になびかせて、ラッシェオとユリ、そして、父に小さなキスをする。

「よし、俺の番だな」

ピースは、レッドのサーフパンツを穿き、上半身はラッシェオと同じで何も纏わず日焼けした筋肉を皆に披露していた。

トレードマークはグラサンだ。

「じゃあ、真打行くわよ」

ティアもブルーのサンバイザーを額にし、長い髪を後で団子の様にまとめて、コバルトブルーのラッシュガードを前開きにして、中には紫陽花の様に輝くパープルのビキニが輝いていた。

六人は全員で並んで、

「夏旅ファッションショー」

と叫んで終わった。

もちろん、夏夜の空を彩る花火に見守られて…

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る