第2話

 三年生になりました。今年も在原と同じクラスになり、ことよろーと挨拶をした俺に、待っていたのは………


「……進路希望調査か……」


 そう、進路選択である。







「……早川、お前なぁ……」


 放課後、先生に呼び出され、俺が書いた進路希望調査の紙をヒラヒラとさせている。


「流石にお前、全部『未定』ってのはねぇだろ」


「いえ、でも事実ですし………」


「ですしもおすしもあるか。とりあえず、一旦これは書き直しな。適当に埋めてもこの際いいから」


「はぁ………」


 手渡された、3つの項目に全てクソ綺麗な字で『未定!』と書かれた進路希望調査。綺麗な字で書いとけばいけるかなぁとか思ってたけど、流石に無理か。


「………逆になんでそれで行けると思ったの……?」


 家に帰ってからこのことを報告すると、当たり前じゃん的な顔で見つめられました。その表情もいい………。


「ウチの担任ならそっかぁくらいでスルーされると思ったんだがなぁ……」


 ほんと、見当が外れたわ。那○ちゃんのファンやめます……って○珂ちゃん全然関係ないや。


 どこぞの艦隊アイドルを一旦脳内から弾き出す。


「ハナミさんの秘書はどうなってるの?」


「いや……それもいいかなぁって思ってるけど……ほら、そこはなんか違うじゃん?」


 あれは最終手段。夏までのなんにも見つからなかったら遠慮なく頼らせてもらおう。


「……とりあえず、進学って書いておくか」


 進学、進学、進学………はいOK。


「……しかし、将来か」


 ゲームとメリィちゃんの事しか考えてなかったからな、ぶっちゃけ何をしたいとか全然分からねぇ。


「……私、みぃくんと同じ職場で仕事したいなぁ、とは思うよ」


 すすっ、と隣に移動してきて、俺の手を握ってくれるメリィちゃん。


「でも、それは私の単なるワガママ。仕事が忙しくなってお互いに自然消滅なんて絶対にしたくないし、それなるくらいだったら、みぃくんと同じ仕事をして、四六時中一緒にいたい」


 ………アカン、このセリフで若干気持ちが傾きかけたぞ。


「………とりあえず、明日はこれで出すよ。でも、四六時中一緒にいたいのは、俺も一緒」


 ホントだったら学校サボってメリィちゃんと一緒にいたい。まぁメリィちゃんもハナミさんのとこでお勉強してるんだけどね。


「……俺の人生、八割は君の色だ」


 中学生まで、ただただ無気力で過ごし、灰色だった。


 君と出会って、初めて目標が出来た。


 初めて、人と話したいと思えた。


 初めてーーー人を愛してみたいと思えた。


「……俺の人生、君に捧げるよ」


「うん………私の人生も、貴方に捧げる。だって、私の人生の10割、キミ色に染められてるんだから」


「………10割は言い過ぎじゃない?」


「えー……じゃあ9.9割!」


「そしたら逆に残りの0.1割気になるなぁ」


「んー………鬼島組の皆さん?」


「………なんか妙に納得できるな」


 これからも、俺たちはこうやって笑い合いながら、ゲームをしながら過ごしていくのだろう。


 そして、今日はレイドボスを倒してから眠りについた。


 次の日。


「………お前、昨日の進路希望調査全部未定ってまじ?流石にバカじゃん」


「うるせー」


 在原に揶揄されながらも、先生の所にこれを持っていく。


「………はぁ」


 なんかめっちゃため息吐かれた。


「………まぁ全部未定よりかはマシだな。とりあえず預かっておく。次までになんか決めとけよ」


「うっす」


 一礼してから職員室から出る。


「……在原は」


 わざわざ職員室まで着いてきてくれた在原に質問を投げかける。


「在原は、将来決まってんの?」


「んにゃ。なーんも決まってねぇ」


「おいこら」


 お前、それで俺の事からかってたのかこのやろ。


「でもさ、やっぱ彼女のためになんかやりてぇとは思うよ。ほら、やっぱりこれからも長く一緒に居てぇじゃん」


「………だな」






ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ネタが………ネタがない!!


最終話まで残り多分13日(作者の都合で前倒しになる可能性大)

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