第7話
長月祭二日目。今日はメリィちゃんはハナミさんの所に行き、秘書としての勉強をしているので、今日の予定は特にないので、在原のふたりで回ることになっている。ちなみに午後からメイド喫茶の方に行かなければならない。
なので、特に今日は何も起きなかった。
長月祭最終日。今日も特に何も起こらないで恙無く文化祭は終わりを迎え、今はエンディングセレモニーが体育館である。
しかし……なぜ男子達はそわそわとしながら舞台を眺めているのだろうか。
「在原知ってる?」
「んあ?………あぁ、多分ミスコンの優勝者が気になるからじゃねぇの?」
「……あぁ、ミスコンね」
長月ミス美少女コンテスト。生徒だけではなく、そこら辺にいた一般人にも投票をさせてから真の美少女を決めるという旨のある意味この文化祭の真のイベント的なところがあるからな。
確か去年の優勝者は既に卒業済み。俺はあんまり女子の名前とか覚えてないからぶっちゃけあんまり興味無い。だって俺にはメリィちゃんいるもの。
『それではお待たせしました!これより、長月ミス美少女コンテストの優勝者を発表します!!』
体育館か暗くなり、ステージの壁に映像が映り、ドラムロールが流れた。
『第18回!長月の全美少女の上に立ったのはーーーーー2年C組!圧倒的一般投票数の多かった女装メイド喫茶のメイド長!!』
でん!とプロジェクターが映したのはなんと女装した俺のメイドーーーーーーん?
「は?」
『ただいま!2年C組の方から情報が入りました!えー、2年C組!早川充さん!おめでとうございます!史上初の男子生徒です!』
「……………はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?!?」
まっっっっったくもっておめでたくねぇー!!!
「……ひ、ひでぇ目にあった」
「おつかれさん。ほれ、焼きそば」
「さんきゅう………」
現在運動会の真ん中ではキャンプファイヤーが行われ、周りでは初々しくアオハルしてる男子生徒や女子生徒がフォークダンスを踊っている。オクラホマミキサーだっけ。
その光景を、俺と在原は、学校のとある教室から眺めているのだが、俺がなぜこんなに疲弊しているのか教えてやろう。
追いかけられたからだよ。男子生徒の知らねぇ奴らから。何が君のメイド姿で俺と踊ってくださいだ。ふざけんな。俺の手はメリィちゃん専用なんだよこのうすらトンカチ。
ミスコン優勝者の特典として、QUOカード1万円分と賞状を貰った。世界で一番要らない賞状だった。後でメリィちゃんの名前に書き換えてやる。
てか、俺前に『俺は男です』のカードぶら下げてたろうが。なんで俺に投票入れたんだ一般人。
「………ん?」
「……どうした?」
「……あぁ、いや、なんでもない」
なんか見たことあるツインテールだなぁと思っていたら、あのゲーム部の夢幻の円舞さんだった。顔を真っ赤にしながら、同じゲーム部の優イケメンの人と踊っている姿が見えた。
「………お?おい、充。見ろ、あそこに有名夫婦が踊ってるぞ」
「……ホントだ。廣瀬と天草さんだ」
廣瀬海と天草詩音。この二人は我が長月高校では有名夫婦。カップルではなく夫婦として有名である。本人たち曰く、『既に恋人という存在は超越した』と。いや、全然分からん。
「……すげえな。あの空間だけあの時のお前の弁当と同じくらいの甘いオーラを放ってやがる」
それはメリィちゃんが作った弁当が凄いのか?
こうして、長月祭は終わりを迎える。
新たな歴史(男子がミスコン優勝者)を刻んだ長月高校は、緩やかにまた日常へと戻っていくだろう。
……あ、あとなんかかのクラシックメイドドレス。なんか貰えました。なんでも良いものを見させてもらったと。
ぶっちゃけ素直に喜べねぇけどメリィちゃんに着せて楽しみます。よっしゃ、今度の休みは御奉仕プレイだな。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
またまた新作の『
『フェアリーテイルと空想の旅』の方もよろしくお願いします。
Twitterの方もやってますので、そちらの方もよろしくお願いします。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます