第9話
家に帰って、疲れを取った翌日。俺は、朝一番に起きて、俺のベッドに眠っているメリィちゃんに素晴らしいジャンピング土下座をかました。額を地面にぶつけて多少痛かったが問題ない。なにやら生暖かいもの流れている気がするが、きっと気のせいだ。
「……えっと…みぃくん?」
「昨日は、誠に勝手ながらご両親へご挨拶に行ってまいりましたーーー!!!」
「………はい?」
メリィちゃんは首を傾げ、何がなにやら分からない様子。
「……みぃくん、詳しく」
「はっ」
こうして、俺はメリィちゃんへ
結果。怒られました。それはカンカンです。そしてメリィちゃんに仮親とはいえゴミと言ったことに対してではなく、何故相談しなかったの!ということで八割怒られました。
「もう……!無茶しないで!!」
そして抱きしめられました。
「……ごめんねメリィちゃん。勝手にこんなことして」
「……ダメだもん。今日はずっと私のそばにいるって約束しない限り許さないもん」
なんと可愛い条件なのでしょうか。
「……そんな約束。これからずっと、永遠に誓う。もう、君を縛る鎖は全て解けた」
「……うん。ありがとう……ありがとうっ、みぃくん……!」
そして、メリィちゃんは泣いた。
「……うん、もう平気。ありがとう」
「いいって。これからメリィちゃんは一足ちょっと早いけど、一緒に暮らすんだから」
「……うん、そうだーーーーえ?」
「だって
…………………………ボン!
と、素晴らしい勢いでメリィちゃんの顔が赤くなりました。
「……そっそそそそそれって……!」
「勿論、このことは父さんと母さんには伝えてある」
昨日、メリィちゃんを救う際に俺がやることを全て話した。母さんたちは「あらー、ひと足早い同棲生活ねー」とほわんほわん言っていた。
「うん。だから、俺が18になったら………籍を入れよう」
「にゃーーー!!!」
メリィちゃんが恥ずかしさからか俺の布団へ潜り込んでしまーーーう前に、俺が捕まえました。そしてそのまま逃げないようにベッドへ押し倒した。
「はいはい。逃がさないよー」
「にゃっ!にゃーーー!!!」
恥ずかしさからか猫化しているメリィちゃんを抱きしめる。
「待って!待って!みぃくん!私、本当に!心臓どうにかーーーー」
「待たない」
「みぃくーーーんっ!!」
少し落ち着くようにと願い、キスをする。暫くはプルプルと震えていた体が、自然と収まった。
「……落ち着いた?」
「……お恥ずかしい所をお見せしました」
「めちゃくちゃ可愛かったよ」
「うぅ………恥ずかしい」
メリィちゃんが恨めしそうに赤い顔で俺を見る。きっと手で顔を隠したかっただろうが、俺が抑えているため、手が虚しく震えただけだった。
「……あ、そう言えば、今日の夜にハナミさんからーーーーー」
ピンポーン。
おっと。誰か来たようだ……ほんとに誰?
在原とは別に遊ぶ約束なんてしてねーし、そもそも今父さんたち仕事だしな……誰?
「ちょっと行ってくる」
「あ、待ってみぃくん。私も行く」
「ん」
ベッドから降りて立ち上がる。メリィちゃんにも不必要かと思うが、手を貸して立ち上がらせて、そのまま1階へと向かう。
「はい、どちら様でーーーーー」
「よぉ、昨日ぶりだなガキンチョ」
「人違いですー」
開けたドアをすぐさま閉じる。
「おい待て待て!急に尋ねてすまんとは思ってるがすぐドアを閉めるな!」
「やめろー!!」
閉めようとしたドアを途中で手を割り込ませてから閉めさせないようにするヤのつく職業さん。
「み、みぃくん!」
「メリィちゃん逃げてー!!」
「おいこら!とりあえず話を聞け!べつに今更そこの嬢ちゃんを引き渡せなんて言わねぇよ!」
「あっ、そうなの?」
「どわっ!」
ドアを閉めようとした動きを辞めると、急に対抗するチカラが無くなったため、開けようとしていたヤーさんが地面へ尻もちをついた。
「イテテテ……お前、そこで手を離すか?」
「すいません……その、つい」
一応ぺこりと謝っておく。
「……で、ヤーさん。今更この家に……ってなんでこの家知ってるんですか!?」
「んなもん家の物に調べさせたに決まってんだろ。鬼島組なめんなよ」
ん?鬼島組?………鬼島組……んえ!?
「ふえっ!?鬼島組!?」
「んおっ?知ってんのか」
ブンブンブンブンブンブンと俺とメリィちゃんは忙しく頭を上下させた。
鬼島組って言ったら泣く子も黙る鬼島組という通り名があり、下手に警察も手が出せないマジでヤバいヤクザである。
………あれ?俺何気にこれ命の危機?
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