第8話
バァン!と勢いよくドアを開ける。そして、そのままの勢いでリビングであろう部屋のドアを蹴飛ばした強引に開けた。
リビングにいたのは三人。きっと女の方が
「…ちょ!ちょっと!貴方誰よ!」
「黙れゴミ。貴様に用はない」
「ごっ……!?」
さて、突然の事態で何がなにやら分からないだろうと思うので説明します。
現在、メリィちゃんの家へ突入してます。以上。理由はメリィちゃんの悩みを解決させるためである。ん?不法侵入?んなの知らんな。
「……あんたらか」
「おいおいガキンチョ……そこの女がゴミだと言うことには同感だが……ここはお子様が顔出ていい場所じゃないぜ……?」
一人のガタイのいい男が座っていたソファから立ち上がる。立つとめちゃくちゃ身長が高かった。190くらい?
まぁ……怯む原因にはならねぇな。
「帰りなガキンチョ。痛い目見る前にーーー」
「一千万……だったな」
「……何?」
「そこのゴミの夫があんたらから借りた金。一千万だったよな?」
「あぁ。しかし、何故お前が知ってーーーー」
「一千万だ」
「………は?」
俺はポケットの中に忍ばせていた小切手を取り出した。そこには、達筆な字で10000000と書かれていた。
俺はその小切手を相手の胸へ押し付けた。
「ほら、そこのゴミの夫が借りた一千万。これで手を出すなよ」
「お……おお?」
ヤーさんも困惑している模様。まぁそうだよな。いきなりこんな急に子供が現れて急に一千万をPON☆っと渡されても困惑するよな。
「アンタもだぞ」
「……っ!」
俺はゴミに目を向けた。
「メリィーーーーリアは俺の家で住まわせる。簡単に仮とは言え、娘を引き渡すやつになんか任せりないからな」
「まっーーー」
「なんだ。問題あるかよ。元々厄介扱いしてたんだろ?アンタにはリアは不必要。俺には必要。実にシンプルな話だ」
図星なのかどうかは知らないが、口を閉ざすゴミ。そう言えば俺、さっきからゴミゴミ言ってるけど、こんなやつゴミで十分だよな。
「……と、言うことだ。その一千万を持って帰ってくれます?」
「……まぁこちらとしては金が帰ってくればそれでいいがな………」
ヤーさんはため息を一つ吐いた。
「ガキ、ひとつ聞かせろ。お前はなぜこんな危険なことまでしてここに来た?」
「決まってるだろ?」
ーーーー惚れた女のためだ。それ以外に何がある。
俺はそれだけを言い残してリビングから出た。
「……へぇ?男だな。気に入った」
最後にその言葉が聞こえてきた。
家から出てそのまま優雅に歩くーーーかと思いきや俺の足が急に言うことを聞いてくれなくなって、その場にへたりこんだ。
……あぁぁぁぁぁぁ!!怖かったーー!!!!!
何あれなにあれ!!今更だけど何あの頬にあった切り傷みたいなやつ!まじ怖かった……終始足震えてたし、実際全身が少し痙攣してたし。
しかしよくやった俺!!あの時ばかりの俺はきっと俳優さんたちが貰う何とか賞も貰える気がする!!
これにて、メリィちゃんの不安の種は解決。後はーーーーーー
「お疲れ様、みぃくん。随分かっこいい幕引きだったな」
今回、俺のバックアップを全力で支援してくれたハナミさん。本名、
そして、社長代理である。
「ありがとうございましたハナミさん。お金まで……小切手まで用意してもらって」
「なに、私は君のその行動に感化されただけだ。勿論、無料ではないが」
スティックヒューマン・オンラインリアルイベントにて、ハナミさんは自身で『会社を継ぐ』と言っていたのを思い出したので、メリィちゃんには後で土下座して謝るが、ハナミさんに事情を話させて貰った。
詳しい話を聞きたいとの事だったので、家の最寄りの駅の名前を教えて、そこで待ち合わせ。神奈川ですけど大丈夫ですか?と聞いたが、問題ないとの事だった。リムジンで現れた時はマジでビビりました。
「分かってます。メリィちゃんと別れてもらう以外の事ならなんでも言うことを聞きます」
「うむ……そこまで非道な事を要求する訳では無いが……みぃくん」
そしてハナミさんはなにやら紙を取り出した。
「今日は君を家まで送ろう。ゆっくりと休んで、明日の夜8時にこのお店まで来てくれ……済まない、腰が抜けているみぃくんを運ぶのを手伝ってくれ」
その後、俺は初めてみた執事さんに肩を借りて、リムジンへ乗り込んだ。
………やっぱ落ち着かねぇ。慣れない高級感にソワソワしてしまう。
さてさて、ここで一千万の割り振りだが、俺が慰謝料でぶんどった残りが700万ちょい。そして、俺がハナミさんから借金をして借りたのが300万円。
………はぁ、高校生から借金生活ですか……まぁ後悔はしてないけど。
ハナミさんはゆっくりでいいと言ってくれた。女神に見えた。
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