第4話
「……っ!キラさん回避!」
「……!おうっ」
画面内のキラさんがローリングで回避すると、一瞬だけ見えた攻撃を予知する赤いサークルの範囲内に空から巨大な腕が降ってきた。
ぐーの形で振り落ちてきた拳。親指の位置から右手だということを予測。つまり当然、左手の攻撃と有り得る。
画面端で次はふーすけさんがローリング回避してゴーレムの左手の攻撃が来た。
そして次のターゲットは俺。先程よりも縦に長い攻撃予測マークを横に回避し、すかさずゴーレム系統に弱点の水系の魔法を放つ。
レベル130解放水属性魔法『
ゴーレムが二手二足だったら一応この恐ろしい攻撃は一旦鳴りを潜める。次のターゲットはーーーコージさんだ!
ラストと思われるゴーレムの
「……!ごめん!
「いえ、多分大丈夫だと思います」
スタンは三秒ほど動けなくなる厄介な状態異常だ。これは如何なる回復魔法でも解除することが出来ない。
ソロやボス戦だとそのまま死への片道切符を強制的に貰ってしまうが、今回に限り、それはなかったようだ。
最後の足による攻撃が終わると、床のラインが複雑に動き回り、しばらくしたら静止し、先程とは違うライン配置となった。
この時点でコージさんはスタンから回復し、ラインを踏まないように動き回っていた。そして沈黙。壁に出てきていたカメレオンゴーレムの顔面もいつの間にか姿を消していた。
確かにこれならあのハナミさん達が苦戦したのもわかる。だってめんどいし、多分ゴーレムだから硬いし、ぱっとしか見えなかったけどHPバーが二つあったし。
「皆、このまま聞いて」
フヨさんから声が掛かる。なんと先程の一連でなんとなくだがパターンが分かったらしい。なにそれ凄い。
フヨさんが言うには、ターゲットを決める方法なのだが、攻撃が終わった瞬間にラインを踏んでいたやつが狙われるらしいとのこと。
すげぇ。あの状態であそこまで見ていたのか。流石大人だ、俺慌てることしか出来なかったもん。
なので作戦を立てた。まずラインを踏む担当がふーすけさん、コージさん、キラさん、メリィちゃんの4人。それぞれ右手右足左手左足を担当。ふーすけさん、メリィちゃんは鈍重になる盾装備を辞め、ふーすけさんは弓、メリィちゃんは槍を装備。んで、俺とフヨさんが攻撃役という訳だ。俺も今回は杖を放棄してユニークアイテムの真祖の剣をだす。まるでまってました!と言っているように装備した瞬間に赤いエフェクトが掛かった。
「開始!」
フヨさんが合図を出してまずはふーすけさんがラインを踏む。すると、すかさず攻撃予測の赤いマークが出てくるので直ぐに回避。そして、下から巨大な拳が……って。
「今度はアッパー!?」
ふーすけさんのびっくりした声が聞こえた。なんだ……一体この部屋はどうなっているんだ……?
だが、びっくりしたが フヨさんはしっかりと攻撃を与えていた。
よし、これなら行けそうな気がするな。流石フヨさんだ。普段動画ではふざけてばっかだけど、オフの時は本当に頼りになる。次にコージさんがラインを踏む、そして赤いマークがーーー出るはずだった。
「え…でなーーーー」
「うっそーー!!」
コージさんの悲鳴が聞こえた。そちらの方へ画面をスクロールするとーーーなんとゴーレムのパンチが壁から突き出していたのだ。
「……っ!そういう事だったのか!」
俺は咄嗟に真祖の剣専用スキルである『ブラッドストライク』という技を使う。余り強力な技ではないが、敵を掠めるように攻撃した真祖の剣の攻撃した分だけ攻撃力が上がるという効果を2倍にするのだ。
まぁつまり、簡単に言うと自動的に回避してそのまま攻撃してくれるという技だ。
そして俺は、ハナミさんか言っていた壁と床に気をつけろという意味がわかった。
「コージさん!」
「大丈夫!半分くらい持ってかれたけど、既にキラが回復してくれた!」
チラッと見ると、確かにコージさんのHPは既に全回していた。さすが四人組。チームワークがバッチリだ。
しかし、この時の俺たちはまだ知らない。ハナミさんのこの忠告は、まだまだ半分くらいしかその真髄を顕にしていないことを。
若干の予測していない自体が発生したが、ここまではまだ、ふーすけさんが1回力尽きたぐらいの被害しかない。死んだ瞬間めちゃくちゃフヨさんに煽られてたけど。
そして、30分後。遂にカメレオンゴーレムのHPバーの1つが消滅しかけていた。
な、長ぇ……やっと1つ減ったか。
30分で1つ。攻撃出来る機会が相手が攻撃した時しかない状況だったので、マジでこれ時間かかったんだけど………。
そしてフヨさんの攻撃で1本が消失。ボス特有の演出が入り、一旦画面がカメレオンゴーレムへと焦点が当たる。
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人気投票やろっかなって思ったけどそもそも登場人物すくないし、どうせメリィちゃんが圧倒的1位だと思うので辞めます。
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