第2話
第六弾超大型アップデート『集結せし英雄』が実装されてから二週間。現在、スティックヒューマン・オンラインは熱狂していた。
他ギルドととの合同ギルド戦。ギルド対ギルドのGvG。新しいレイドイベントや、新ダンジョン。そして、最高難易度ダンジョンの存在。
レベルキャップが200になったことにより、推奨レベルが180というまぁなんとも鬼畜難易度になってます。
『白亜の迷宮』。推奨レベル180、挑戦人数最大六人の超変則パーティ。
と、言うことなので、ただいま殺戮兵器僕達の皆さんときてまーす。
…………………………………
いやなんでだよ!
同じギルドのスレイプニールの誰かと来るのは分かるよ!だって同じギルドだもん。それなのになぜ超有名ゲーム実況者とここに潜ってるんだ……。
はい、俺のせいですごめんなさい。俺がなんの考えもなしに殺僕達の『一緒にゲームしようぜーbyコージ』というメッセージに急なことにびっくりしていた俺のせいです。驚いている間に外堀埋められまくりました。
俺とメリィちゃんのレベルは196。もうすぐレベルキャップが目前なのだが、殺僕の皆さんは既にキャップ上限までレベルを上げていた。
そんな殺戮兵器僕達の構成は、フヨさんがガンガンいこうぜのアタッカー。キラさんがいのちだいじにのヒーラー。コージさんがいろいろやろうぜのバトルスイッチャー。ふーすけさんがおれにまかせろのタンク型補助というひじょーにバランスのいい構成となっている。
この4人の中に俺とメリィちゃんが入ることによって、タンクと魔法攻撃型が入るので前衛二人、中衛二人、後衛二人のもっとバランスが良くなった。
白亜の迷宮攻略オススメ(公式発表)はレベル200のプレイヤー4人か、170のプレイヤー6人。それでも、メンテ入る前の琥龍の雄叫びよりも難しいのだからやばい。先遣隊として、俺とメリィちゃん除くスレイプニールが行ったらしいけど、初見では全滅したらしい。
まぁ次に全員がユニークアイテムを解放してからクリアしたらしいけど。
「……準備は大丈夫?」
いつもふざけてるフヨさんが、真面目なトーンの話してる声がヘッドホンから聞こえる。
「大丈夫」
「大丈夫だよ」
「OK」
「だ、大丈夫です」
「大丈夫です」
今回は俺とメリィちゃんだけではなく、殺僕の皆さんともボイチャで繋がっている。まぁ殺僕の4人はマンションの同じ部屋にいるだろうけど。
「よし、史上初の初見クリア目指してがんばろー!」
「「「「「おー!!」」」」」
一瞬だけ画面が暗くなり、自分たちの分身である棒人間が白い壁で覆われた場所へ転移した。
白亜の迷宮。別名、初見殺しのビックリ箱。大まかな内容は、ステージが7つあり、行く手を遮る中ボスを七体倒すと、ラスボスである迷宮の主と戦えるようになっている。
当然、迷宮なのでめちゃくちゃ入り組んでるし、トラップも多い。しかも、このトラップ、引っかかれば即死亡の場合が多いので初見殺しのビックリ箱と言われている。
しかも、入る度に迷宮のパターンが変わるのも厄介である。迷宮の構成覚えたらー!と思って突貫したプレイヤーは少なくない人数いた。その殆ど泣きながら帰ってきたが。
唯一の救いはマップがある事だよやっぱり。これで迷ってるけど迷わないで済むからね。
「ふーすけさん右から新手きますよ!」
「ごめん!今無理!キラ!」
「ほいほーい」
第2面ボス、サーペントルーラー。レベル750。
この時点でもうおかしい。なんでそこらのダンジョンのボスよりもレベル高いんだ。参考程度に比較対象をあげると、琥龍のボスはレベルが900である。
名前からわかる通り、蛇の支配者なので、一定時間毎に取り巻きの蛇が五体湧く。これすらもレベル150なのだからほんと涙目である。
急遽構成を弄って、俺とコージさんとキラさんが取り巻き退治。俺は隙を見てサーペントルーラーに攻撃を仕掛け、フヨさんとメリィちゃん、そしてふーすけさんがサーペントルーラーを相手にしている。
迅速に湧いてきたうざい取り巻きを倒して、湧かないうちにサーペントルーラーへ全力攻撃。この攻防を25分繰り返し、サーペントルーラーは体をポリゴン体へと姿を変えた。
「………はー!何あれ!めっちゃ苦戦したんだけど!」
「お疲れ様でした。エリクサー配ります」
アイテム欄からエリクサーを選択して皆へ配る。しかし、ほんと神経すり減らした……。
「……これがあと五回プラスのラスボス?まじ鬼畜ー」
「ねぇフヨ、ちょっと休憩しない?」
「疲れた。しよう」
ボス部屋は次のステージに行くまでは安置なので、ゆっくりと休憩できる。コントローラーから手を離してぐーぱーぐーぱーしたり、手を揉んだりする。
耳元からバキバキ!と骨を鳴らす音がするので、誰かしらが体を解したのだろう。
「………てかさっき触れないでいたけどみぃくんさ、エリクサー何個持ってんの?」
「三桁行ってましたよ」
「「「「三桁!?」」」」
そりゃあ、なんだって俺、コレクターですから。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます