第8話

「………うっわー……」


「でっかー……」


 埼玉の地に降り立った俺とメリィちゃん。現在、さ○たまスー〇ーアリーナの大きさに驚愕していた。


 いつか行きたいとさい○まスーパーアリー○。その時はきっとニ○ニ○超パーティーの時だと思っていたけど、まさか出演者側として来るとは思わなかったなぁ……。


「………えっと、今日は軽い打ち合わせと、顔合わせ、それからーーーーー」


 メリィちゃんと一緒に今日の予定を確認しようとした瞬間、俺の目がとある四人組をキャッチした。


 和気あいあいと喋りながら、四人うち、二人はマスクを着け、一人はグラサンをしており、あとの二人は顔が思いっきりでていた。


 間違いない。『殺戮兵器僕達』だ。


「どうしたのみぃくん…………え!?殺僕だーーー」


「しー!しー!」


「むがむが………」


 大声を出しそうになったメリィちゃんの口を慌てて塞いだ。


 ゲーム実況者グループ『殺戮兵器僕達』。北海道出身の高校生から仲が良い四人で作られたゲーム実況界の頂点に立つぐらいの人気を誇る。


 マスクをしてグラサンをしていて、先月結婚を発表した人が、突っ込み役、時々ボケのコージ。髪を赤に染めていて長身&イケメンがフヨ。癒しの天然キャラでマスクをしているだけがキラ。そして、コージがボケに回った時のツッコミ役のふーすけの4人組。


 あの実写動画のダラダラ感が本当に好き。後でサイン貰えるかね。


 とりあえず、多分だが今日は殺僕とも顔合わせをする予定なので、あの四人の後を着いていく。


「わー……わー!すごいよ!みぃくん!あの殺僕が目の前を!」


「ちょ、あんまりはしゃいだらダメだよ………」


 俺も出来ればはしゃぎたいけど、それは控え室に行くまで我慢をする。


 とりあえず、神崎さんに与えられたさ○たまスーパ○アリーナの地図を見ながら、ここに来て!と印が打ってある場所まで周りを見ながら、歩いていく。


 ちなみにだが、殺戮兵器僕達のチャンネル登録者数は230万人。スティックヒューマン・オンラインはサービス開始時からやっている古参プレイヤーである。レベルは全員165かなりのガチプレイヤーである。


 そして、実は俺、1回フヨさんとパーティー経験済である。チャンネル登録者数10万人の時から応援してたからなった時はまじ歓喜の舞だった。


 彼らが有名になった原因は、今でも攻略するのがめんどいダンジョンランキングトップ10入をしている、この前俺とメリィちゃんとシルバさんと在原が潜った白鯨の居城である。


 第三弾大型アップデート『海に沈む幻大陸』にて登場した鬼畜ダンジョン。それの初めてのクリア成功者が殺戮兵器僕達の皆さんだ。


 その動画は今でも動画投稿サイトで見れるので、ぜひ見てほしい。その動画は伝説の攻略と言われ、再生回数は700万回を超えていた。


「あ、あった。これが入口だ」


 S○Aの裏手の所によく目を凝らさないと分からないようなところにドアがあった。新幹線のチケットとともに送られてきたIDカードを翳すと、ピコっと音が聞こえた後にガチャッと鍵が開いた音がした。


 中に入ると充分に聞いたエアコンか火照った体を冷やしてくれる。ふへー涼しーとか思いながら冷気に当たっていると、もう一度ガチャッと音が響いて、メリィちゃんが入ってきた。


「はわー……涼しー」


 目を閉じて気持ちよさそうに冷気に当たるメリィちゃん。手を差し出すと嬉しそうに握ってきて、指を絡めてくる。


「行こう。もう他のみんなも来ているかもしれないからね」


「うん!」


 メリィちゃんの手を引いて初めて歩く通路を歩く。地図は神崎さんに貰っているため、迷いはしない………と思う。


 二人で地図を見ながら右往左往。途中で軽く迷子になりかけながら歩き、やっと控え室っぽいところに辿り着いた。それは、ここに来てから15分後の事だった。


 部屋が3つくらいあり、『殺戮兵器僕達様控室』、『声優さん控室』、『運営の使徒様控室』と別れていた。


 ………な、なんかこの部屋入るのちょっと恥ずかしいような……。


「ほーら。みぃくん行くよ」


「ちょ!まだ心の準備がーーーー」


「こんにちはー!!」


 ガチャっ!と元気よく開けたメリィちゃん。慌てて後を追って部屋に入った瞬間ーーーー何やら白い物体がいきなり飛んできた。


 ーーーーーヤバい!?


 物体を認識した瞬間、俺の体は無意識に動き、メリィちゃんを庇うように抱きしめた後に体を回転させて俺の後ろに隠し、衝撃に耐える。


「………ふげっ!」


 頭に当たったが、それはなんか妙に柔らかかったような気がした。ぽすん、と落ちた音が聞こえて目を開くと、下にあったのは枕だった。


 ………え、なんで枕?


 枕が飛んできたであろう方向に目を向けると、女性が2人、男性が1人向かい合っていた。その両手には枕を持ちながら。


「「「「「……………………」」」」」


 暫く向かい合う俺たち。次の瞬間、黒髪のツインテールの女子が声上げた。


「こら!一刀!あれほど周りに気をつけなさいと言ったでありませんか!」


「はぁ!?ちょっと待て!あの枕は聖剣のだろーが!」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

注!作者はさいたま○ーパーアリーナに行ったことは無いので全て想像です。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る