第9話

 ………ふむ。なぁるほどぉ?男の方で髪を金髪に染めたイケメンくんが一刀、つまりシルバさんに黒髪ツインテールの美人さんが聖剣のカリンさんであると。


 そして、2人に挟まれるようにオロオロとしている少し背丈小さめの女の子が多分、流星のスピカさんだ。ハナミさんは(多分)しっかりしているだろうから多分違う。


「だ、大体!一刀がステラさんの枕みて『枕投げしよーぜ!』なんて言うからです!」


「はぁ!?俺はしっかりと周りに気をつけて安全にやろうって言っただろうが!ヒートアップして当てたのはお前だ聖剣!」


「あ、あのあのー、お二人共ー」


「み な さ ん ?」


 俺の思ったより低い声に三人の肩がビクビクっ!と反応して、ゆっくりとメリィちゃんを抱きしめている俺を見る。


「正座」


「え……あの」


「正座」


「お、おい…落ち着け?まず名前を……な?」


「正座」


「あ、あのあのー……」


「せ い ざ」


「「「…………はい」」」


 そして、滅多に………というより、初めて俺は人に説教というものを経験した。








「「「申し訳ありませんでした……」」」


「分かればよろしいです」


 あれから五分。俺の怒涛のマシンガン説教が炸裂し、五分という短い時間だったが、とても疲れた。 


 三人は見事な土下座を披露し、スピカさんは若干涙目だった。


「………な、なぁ?そろそろ足崩してもーーー」


「シルバさんはダメです。元凶なので」


「理不尽だー!!」


 ちなみに言うがこんな軽口を叩いているが、俺とメリィちゃん以外全員初対面である。そう、もう一度言うが初対面である。


「冗談ですよ。足崩してもいいですよ」


「さすが!それじゃ早速ーーー」


「この痺れに耐えれるならですけど」


「んぎゃぁぉぁ!!」


 指先で崩そうとしたふくらはぎをちょんちょんつつくと面白いくらいに声がシルバさんの口から出た。


「お、なんかもう面白いことやってんな」


「失礼する」


 シルバさんを弄り回してると、ドアから2人の男性が入ってきた。一人はめちゃくちゃ背が高い。180くらい?の黒髪で大学生っぽい。シルバさんと違うタイプのイケメン。


 もう一人が筋骨隆々のすごい人だった。


「………で、何やってたの?」


「シルバさんが俺のメリィちゃんをキズモノにさせようとしてたので」


「おいこらまてぇ!サラッと悪意満載の紆余曲折とした嘘をながすな!あと、当てたのは聖剣だ!あと、お前がみぃか!?」


「お、俺のメリィちゃん……」


「あら……この子もう完璧トリップしてるわ……」


「いきなりお惚気け………」


「…………なにやら随分とカオスな時にやってきたようだなゴラン」


「………あぁ。そうだなアランよ」


 とりあえず、七名揃ったことなので、準備されていたイスに座ることに。当然、俺の隣にはメリィちゃんが座り、さらにすすスっとイスを肩が触れるくらいの距離まで近づかせてきた。


「…………ツイッテーでも見かけたけど、本当に仲良いわね貴方たち……」


「それはまぁ、コンビですから!」


「説明になってないと思うのは俺の気の所為……?」


 席順は、俺たちが座っている方に俺とメリィちゃんとスピカさん。反対側に座っているのがシルバさん、ゴランさん、アランさんカリンさんだ。


「………まぁいいや。そこの双棒がお熱いのはスティックプレイヤーなら常識だし……俺はシルバだ。歳は21で、今は大学生だな」


 そして始まった自己紹介の流れ。


「俺はゴランだ。とある建設会社で働いている。27だ」


「僕はアラン。19歳で専門学校に通っている」


「私はカリンよ。現役JKの18歳。よろしくね」


「スピカです。見た目通りの14歳です」


「メリィです。カリンさんと同じですけど、誕生日来てないのでまだ17歳です」


「みぃです。高校2年生の17歳、よろしくお願いします」


 これで七人の自己紹介が終わり、各々の質問タイムに入った。


「みぃくんとメリィくんはいつから付き合うように?」


「二人がボイチャしたきっかけは?」


「なりそめをーー」


「それより既にやることやったのーーーー」


「えーーーい!!なぜそんなに質問が俺らに集中する!」


 席を立ってみんなに抗議をする。てかスピカさん!?貴方1番濃い質問したよね!君まだ中学生だよね!?


「そんなの、面白そうだからに決まってんだろ?」


 シルバさんがにやりと笑う。絶対さっきの仕返しが入ってるなこれ。


「純粋に気になるし」


 カリンさん。


「奥さんと酒の肴にでも」


 ゴランさん。


「…………癖?」


 スピカさん……ってだからなんで君そんなに濃いの?


「僕はそんなに興味無いけど、ノリで」


「じゃあ聞かんといてください」


 な、なんかまだ出会って30分も経ってないのにどっと疲れた………。メリィちゃんがよしよーしと背中をさすってくれる。はぁ、マジ天使。


「………なんか急に甘くなったわね。一刀、コーヒー。ブラックで」


「………ここは黙って言う通りにしてやる。おいアラン。手伝え」


「了解した。ゴランさんとスピカさんは?」


「なら貰おう」


「私はいい」


 じゃーーーとポットからお湯が出る音が聞こえた。どうやら皆コーヒーを飲むらしい。俺とメリィちゃんはコーヒー飲めないから頼まなかった。


「それにしても、明鏡のやつ……遅くねぇか?」


 コーヒーを次に行ったシルバさんがホイっ、とカリンさんにコーヒーを渡しながら呟いた。


「……確かに」


「おトイレとか?」


「いえ、あの人は何故かは知りませんけど、最後にラスボスにみたいに登場するのが大好きなんです。ほら、この前だって招集かけたの明鏡さんでしたけど結局最後にーーーって甘!一刀!私ブラックって言ったわよねーーーーー」


「その通り。流石カリン。私のことをよく分かっている」

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