第6話

 家に招き入れ、いつも通り隣同士に座って、まずは参加の有無の返事をするためにツイッテーを開いた。


「それじゃ、一緒に入力していこうね」


「あぁ」


 せーのっと息を合わせながらウラルをタップ。すると、ゴーグルフォームに飛び、そこには色々と入力する欄が出てきた。


 まず、最初の質問はスティックヒューマン・オンラインの公式イベントに参加しますか?についてだが。


「当然、YESだよね」


「イエース」


 YESと書かれている欄をタップ。すると、下にいくつかの質問が出てきた。


 二つ名を入力してください、ゲーム名を入力してください、住所を入力してください……などなど、まぁ在り来りな質問ばかりだった。


「……そういえば、メリィちゃんは勝手にお出かけとか泊まりは大丈夫?」


「大丈夫。あの人は私が居なくても心配なんてしないから。それより、今はみぃくんといる時間の方が大事だもん」


「………そっかぁ」


 嬉しくなったので、一旦スマホを置いて肩を抱いた。メリィちゃんもそれに合わせて体を寄せてくる。


「……うん、あたたかい…この温もりが凄く気持ちいいな」


「俺も、今こうして、メリィちゃんと触れ合ってるんだって思うと、体の奥底から幸せって感じが溢れ出てくる」


 メリィちゃんの方は顔を寄せると、それに気づいたメリィちゃんが瞳を閉じて、唇をんー、と差し出してくるので、遠慮なく覆った。


 もう何回したのか分からないほど、キスをした。しかし、それでも飽きるということは全くなく、むしろすればするほど、なんだかお互いのことがよく分かっていくようで、どんどんメリィちゃんの事が好きだっていう気持ちが溢れ出てくる。


「んちゅ……みぃくん」


 キスしながら名前呼ぶのってなんか凄くエロくない?


「んっ……えへへ、幸せ」


「うん、とても」


 おでこをコツンと合わせて微笑み合う。もう俺は、メリィちゃんなしでは生きられなくなってしまったのかもしれない。


「………続き、早く入力して、もっとイチャイチャしよ?」


「……そうだな。今日はどこまでOK?」


「本番はダメだけど………それ以外だったら……いいよ」


 上目遣いで見つめてくるメリィちゃん。なるほどな、今日は理性との戦いになりそうだな。


 その後、無事に全部の質問を入力し終わったので、早速メリィちゃんをお姫様抱っこする事に。


「……メリィちゃん、すごい軽いけどちゃんとご飯食べてる?」


「私、これでも周りの女の子よりは食べてると思うよ?」


 うーん……しかし、この軽さ……なんか華奢過ぎて逆に心配になってきた。


 まぁ、その事はひとまず置いといて、お姫様抱っこの状態でベッドに腰掛け、キスをする。


「……メリィちゃん、そろそろ……」


「……うん、みぃくんの息子さん。いっぱい気持ちよくしてあげるね……」


 スルスルと、俺の胸板からゆっくりと下降していきーーーーーーー










「右、噛みつき2連続」


「了解!」


 二時間後。元気にハッスルハッスルした後に30分ほど休憩を入れて、やはりやり出すのはスティックヒューマン・オンライン。


 久しぶりに琥竜の雄叫びでもいくかーの流れからお、いいねーという打てば響く感じで返事が返ってくる。


 メリィちゃんのキャラがタワーシールドを構えて、タイミングに合わせてシールドバッシュ。綺麗なカウンターを喰らった琥竜は大きくのけぞり軽いスタンを起こす。


「1」


 手馴れた操作で装備を杖から剣に変える。スタンする時間は3秒程度。普通に過ごせば3秒なんてものすごく短いが、戦闘中ではその3秒が命取り。


 装備を変えるのに1秒。肉薄するのに1と0.5秒。そして、スキルコマンドを押してから発動するまでコンマ1秒ほど。


 これで十分に、ボスを屠ることが出来る。


 真祖の剣が真っ赤に染まり、ユニークアイテム専用スキルの『ブラッディインパクト』が炸裂する。ボスに赤い切り傷が生まれ、その血を吸って更に真祖の剣が血で染まる。


「4」


 そして、スキルが丁度終わるタイミングで、『異界の槍』を装備したメリィちゃんが突貫。


 突き、からのそのまま槍を上に思いっきり上げてから回転しながら横一千。


 そしてまたまたすかさずに技後硬直が終わった瞬間にスキルを叩き込むと、ボスはその体を爆発四散させ、Congratulations!!のウィンドウがパソコンに表示された。


「いえーい!」


「うぇーい」


 画面内で棒人間がハイタッチをしているように、俺達もハイタッチする。クエストクリア時間は32分17秒。


「………あれ?またこれ調整入った?」


「たしかに……前やった時より10分以上も短縮してる……」


 ちょっと………いや、かなり簡単だった。実装されて1ヶ月間もクリア者を出さなかったあの鬼畜難易度はどこに行ったのかと言いたくなるほどの簡単さだった。


「……ま、レベル上がってるからこの結果順当………なのか?」


 他の人がどうかは知らないが、敵の強さも、レベルも数も、調整後の内容と全くもって同じ。だから純粋に、俺らの連携が更に良くなったと言ってもいい……はず!


 そして、そのあとも数々の最高難易度ダンジョンに挑み、連携が良かったのか、はたまた調整が入ったのを確認した。


 結果的に、俺たちの連携も来る所まで来たということが分かった。それとレベル。

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