第5話

 昨日眠気にやられてR版書けませんでした。申し訳ない。しかし!少しは書いたので、今日の深夜には出せます!


 それでは本編。


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 ぐぎゅるるるるる


 二人の雰囲気をぶち壊すほどの轟音が、俺とメリィちゃんの腹から鳴った。


「ふっ……」


「くっ……くく……」


 あまりの場違いさに2人同時に笑いが込み上げる。


 抱きしめ合いながら、2人で笑う。メリィちゃんの笑顔を見ていると、またキスしたい衝動に駆られたので、顎をクイッと持ち上げて優しくキスをする。


「んっ……」


 一瞬の吐息。それだけで、完全に俺に任せている信頼と愛情が垣間見えて嬉しくなった。


 …………俺達、本当に恋人になったんだな。


 二年間、暖め続けてきた画面越しの恋。それが叶ったのだと思うと、凄い嬉しい。


「………ご飯、食べよっか。カレーあるけど」


「………食べる」


 一度抱擁を解いて立ち上がる。メリィちゃんに手を伸ばすと、握ってくるのでゆっくりと立ち上がらせる。


「………大丈夫?」


「うん、なんかまだちょっと違和感あるけど……みぃくんのがあったんだって思うと、凄い幸せだから」


「……天使」


「んぅ…もう、みぃくん。抱きしめるのはいいけど、お腹すいたよぉ……」


「ごめんごめん」


 額にキスをしてから離れる。握っている手は、自然と恋人繋ぎに。


 時刻は既に一時過ぎ。まぁ確かに腹が減った。


 部屋を出て階段を降りる。リビングに通じる扉を何も考えずに開けるとーーーーー


「………あれ?充くん?」


「おー、どうした?充こんな時間に降りてきーーーーー」


「貴方?どうしたの?急に固まってーーーーーー」


 ………な、なんで!?


 ダラダラダラダラと背中にすごい勢いで汗が出るのを感じた。


 ど、どうして!?どうしてが………っ!


「み、充!?お前、いつの間に女の子連れ込んで!?」


「充くん!?説明お願いします!!」


 リビングで2人で仲良くカレーを食べるのを辞めて、俺に物凄い勢いで詰め寄ってきた二人。


 早川さとるさんと早川杏奈あんなさん。


 俺の今の親で、叔母さん夫婦だ。







「早川悟だ。父だ」


「早川杏奈です。母です」


「いや、それは見て分かるでしょ………」


 現在、何とか2人を落ち着かせた俺はリビングに座り、テーブルをメリィちゃん含む4人で囲っていた。


 目の前にはほかほかのカレーが置かれていた。


「えっと……潮目リアです。充くんと……その、今日から恋人になりました」


 ぷしゅ~と頭が湯気が出るほどに赤くするメリィちゃん。うん、恥ずかしいなら無理に言わなくていいんだよ?


「そうか………充が彼女を……」


「………それより、なんで父さんたち家にいるの?今日普通に仕事って言ってなかった……?」


「あぁ。今日は昼で終わりになったから帰ってきたんだ」


「そうねぇ……丁度1時間前かしら……」


 1時間前………?


 嫌な予感がしてちらりと時計を見る。分かってはいる。分かってはいたが、その時は俺とメリィちゃんは完全に致していた。


 家には誰もいないとタカを括っていたため、何も隠すことなんてしていないし……そもそも俺が我慢しないで声聞かせてと言ったため、結構なボリュームも出ていたと思う。あの部屋は俺が土下座してつけてくれたなけなしの防音つきだし。


しかし、いくら防音といっても、普通のボリュームだったら防音できて、大声は少し聞こえるのだ。


 ………と、言うことはつまりーーーー


「最初は、靴二足あったから、いつも通り在原くんと遊んでるのかと思ったんだけど……」


「途中から、何やら物凄い官能的な声が聞こえてきて、まぁ男子高校生だし、しかたねぇよなと思ってたが………」


「………まさか、充くんが男になっているとはねぇ」


「「いやぁあぁぁぁぁぁぁ!!!」」


 そう、思いっきり聞かれていた。父さん、母さん、いくらそういうことに寛容だとしても、息子、凄い恥ずかしいです。


「避妊はしたの?充くん、持ってなかったでしょ?」

 

 なんで僕の性事情知ってるんですか?


「……ひ、避妊はした………」


 大丈夫だと思う。しっかりと近藤さんはめたし、メリィちゃんは事前にピルも飲んでいたため、確率はかなり低い………と思う。


「……そう、それならいいのよ。孫の顔なんてまだいいしねぇ……」


「高校生で親とか流石に俺らじゃねぇんだからなぁ………」


「そうねぇ……危うくなりかけましたものねぇ」


「「………え」」


 なんか今物凄いこと聞かされたんだけど。


「はいはい。早くカレー食べましょ?冷めるわ」


 話を逸らすように意識をカレーへと向けさせる母さん。……まぁ、たしかに親の性事情とかは知りたくねぇよなぁ……。


 この空間にいるのがいたたまれなくなったので、俺とメリィちゃんは急いでカレーを食べる。


「………リアちゃん」


「……はい」


 母が急に真面目なトーンでメリィちゃんに話しかける。


「……あなたは、本当に充くんを好きなの?」


「………はい。私は充くんを愛してます。優しい1面や、頼りになる1面……なにより、私のために行動してくれるその姿……私は、そんな充くんの事が大好きです……」


「………そう」


 母さんが何かを噛み締めるように目を瞑る。父さんも、いつの間にかカレーを食べる手を止めて、腕を組んで目を閉じている。


 俺は、テーブルの下で震えているメリィちゃんの手を優しく握った。


「………なら、大丈夫ね。リアちゃん、充くんのこと、よろしくお願いしますね」


「あぁ……リアちゃんなら、俺たちの大事な充を安心して預けることができる。なにより、とてもいい子だ」


「………ありがとう、ございます……!」


 声を震わせて頭を下げるメリィちゃん。俺は、彼女の肩を抱き寄せて、ずっと頭を撫でた。

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