9話
さて、皆さん。こんにちは。早川充ことみぃでございます。俺の愛しい人からはみぃくんと何だか可愛らしい名前で呼ばれており、時々『旦那様』などと呼ばれ、悶えています。
現在、メリィちゃんとオフ会デート中なのです。お手手つなご?って言われた時は思わず心臓止まるかと思いました。
でも、何故か今は腕を組んで歩いてます。周りのオタク男子からの嫉妬の視線がヤバいです。リア充はオタクの聖地荒らすなやぁ!的な感じ。
でもね、そこの穴が空くほど俺たちを見ている男子。羨ましいと思うか?死にたいならおすすめしてやろう。
これ、破壊力がやばい。何がやばいって?隣でメリィちゃんずっとニコニコしてて可愛いし、何かある度に袖クイクイしてくるの可愛いし、それはもう何とは言いませんけど、ご立派なものが当たってますし…………。
(悶え)殺す気か!全然休まんねぇ!返事もずっと「あぁ」とか「うん」とか「そだねー」とかしか言えないのよ!
分かるか!この苦労!分からせてたまるか!これは俺だけの特権じゃこらぁ!
「……ねぇ、みぃくん。聞いてる?」
「……ごめん、あまり聞けてない」
緊張とか緊張とか緊張とかで全くもってメリィちゃんとの会話に集中できん。
そして、俺がそういう反応をすると、綺麗な顔をニヤニヤと顔をにやけさせてから、「なにか仕掛けよっかなぁ」って感じの顔になる。
そしてその仕掛ける内容がいちいち可愛い。心臓に悪いが、完璧に役得なので甘んじて受けている。
………やり返ししたいなぁ。
「もう、ちゃんと聞かないとダメだよ?」
ふにょん……ふにょん。
メリィちゃんが体を揺らして抗議してくるため、何とは言いませんけどご立派なものが腕に当たって大変素晴らしいです。ありがとうございます。
しかし、やっぱなんかやられっぱなしは癪である。なんかやり返しできるもの…………お?
「ねぇメリィちゃん。少し早いけどお昼ご飯にしない?昼時になると詰まるだろうし」
と、大手バーガーチェーン店を指さす。俺はあの店専用のアプリを入れており、クーポンが使えるのでお得である。
「……うん、そうだね。私も問題なし!」
との事なので、店へ向かう。少し小腹も空いてきたので丁度いいだろう。
メニューを決めるのと、財布を出すため、1度腕を離すことに。先程まであった温もりが消えて、なんかちょっと寂しくなった。
「何食べる?奢るよ」
こういう時くらいはちょっとカッコつけたいため、財布の中身を確認する。
……うん、念の為、今日五万も持ってきてるから、万一になくなる可能性もないだろう。
「え?いいよこのくらい。自分で買うよ?」
「こういう時くらいは、いいとこ見せたい」
「……ううん。でもやっぱり悪いよ。それに、二人で出したらその分長くこのデート楽しめるでしょ?」
天使………天使がおる……。
最近のカップルは男に奢らせるのが当たり前的な風潮とか、ツイッテーとかで、彼女ができる男八選とかよく見るけど、全女子はメリィちゃんを見習って欲しい。
「それに、私もこのお店のアプリ入れてるから」
と、スマホを見せて、クーポンが使える画面を開く。
うーん……本当に奢っても良かったんだけどなぁ……まぁ本人がいいって言ってるなら、そこまで粘らなくていいか。
そして注文をする。俺はダブルチーズバーガーのセットを頼み、メリィちゃんは季節限定バーガーのセットを頼んでいた。
「出来上がるまで少しお待ちください」
番号の書かれた紙と、レシートを貰い、席を確保しに行くことに。場所取りはメリィちゃんに任せて、俺はここで待つことに。
しばらくすると呼ばれたので、トレイを受け取って席へ移動する。
「みぃくん!こっちこっちー」
席を立ってわかりやすいように手を振ってくれるメリィちゃん。可愛い。しかし、ちょっと自重して欲しい。
ただでさえメリィちゃん可愛いんだから、そんなことすると目立つじゃん………嫉妬の視線がやべぇ……。
「ありがとう、みぃくん」
トレイを受け取って笑顔を浮かべる。
「「いただきます」」
手を合わせてからハンバーガーを食べ始める。うん、やはり美味いな。安いし。
「んー!美味しい!」
メリィちゃんも美味しそうにハンバーガーを頬張っている………あ。
「メリィちゃん、ちょっとじっとしてて」
「んー?」
ティッシュを手に取って、メリィちゃんの口元へ手を伸ばす。
「んっ………」
汚れが着いていたので、優しくふき取ると、気づいたメリィちゃんの顔がみるみる赤くなっていく。
「あっ………うっ…………ありがとう……」
当初、予定していたこととは違うが、まぁちょっとやり返した気分になったので満足。もうこの後は普通に昼ごはんを楽しんでーーーー
「みぃくんみぃくん」
「ん?」
名前を呼ばれたので、一度ハンバーガーから口を離してメリィちゃんの方を見ると
「はい、旦那様。あーん」
…………ふむ。なるほど?
目の前にはポテトをこちらに突き出してくるメリィちゃんがいた。
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