第1話
「はぁぁぁ!?結婚!?」
「ばっか!お前、声がうるさい!」
メリィちゃんにプロポーズ(仮)し、無事に結婚式もあげて、晴れて夫婦(仮)になった翌日、いつものように、昼休みにスティックヒューマン・オンラインの公式ホームページを覗いていた俺たち。
目出しには『祝!』ゲーム内初の夫婦!という文字とともに、昨日行われた結婚式の動画が流れている。
コメントには『感動したけど棒人間のせいで台無し、とりあえずリア充タヒね』という声が数多く寄せられていた。ぶっちゃけなんとも思いませんねぇ。
しかし、在原。お前が急に大声出したから、めちゃくちゃ目立ってる。すぐに座りたまえ、という念を目に送ってに睨む。伝わったのか、すぐに座ってくれた。
「……これ、お前とメリィさんだよな?」
「うん」
「いつしたんだ!俺知らなかったぞ!」
声のトーンは抑えつつ机をドンドンと叩く在原。
「え?
ログインしているプレイヤーには例外なく送られている筈だが。あ、ちなみに全員フレンド登録したよ、やったね!
「俺、昨日一昨日はちょっと忙しくてログイン出来なかったんだよ。だから
「あら、そうなの?」
昨日のお昼に、某有名動画投稿サイトにて、公式が上げた俺たちの視点が八分割にして見れるようになっていた。一人一人の画面見ないといけないから八週できるね。
ちなみに、今朝の時点で既に80万回いってたな。『こ れ は ひ ど い』とか、『バランスブレイカー』とか、簡単に言うと『こいつらやべぇ』的なコメントしか書かれていなかった。
ちなみに、俺が『こいつらやばww』とみぃの名前でコメントしたら、『おまいう』だけのコメントが80件きた。
「しっかしまぁ……普通におめでとう」
「お、さんきゅ」
普通にお祝いされたため、礼を返す。
「誰が来たんだ?昨日の結婚式には」
「
「……俺、逆に行かんでよかったかも」
在原は1度、野良で一刀のシルバさんとパーティーを組むことがあって、そこから熱狂的なファンらしい。
「多分お前、緊張して1歩も動かなかっただろうな」
文字通り、ゲームでもリアルでも。
「聞いて驚け。俺はシルバさんとフレンド登録しているぞ」
「はぁ!?お前……なんてうらやまけしからん!」
「今日シルバさん誘ってやろーか?お前と琥竜行く予定だけど」
シルバさん基本暇だからいつでも誘ってねーって言ってたし。
「やめろ!絶対俺、普段のパフォーマンス出せなくなる!」
「……………ほんとにいーの?」
「……………………………………………よろしくお願いします」
在原は静かに頭を下げた。
[みぃ]『と、言うことでシルバさん。大丈夫ですか?』
[シルバ]『おk』
帰宅後、直ぐにスティックヒューマン・オンラインを開き、シルバさんにコンタクトを取った。
[みぃ]『んで、琥竜二人限定なので、最初はサプライズとして、ウレと二人で潜ってください』
[シルバ]『了解、んでその後俺と琥竜もぐろーな、みぃ』
[みぃ]『是非に』
フレンドメッセージを終わり、一旦シルバさんには離れてもらう。現在、琥竜の雄叫びクエの場所である火山の前で、在原を待つ。
暫くすると、メッセージで来たぞーと来たので、シルバさんに速攻で『準備しててください』と送る。
[ウレ]『よっすみぃ………ちなみに、シルバさんはまだ来てないよな?』
在原には後でシルバさんが合流すると伝えてある。まぁ後は後でもこの後すぐなんだがな。
[みぃ]『大丈夫だ。今は来ていない。とりあえずパーティー申請するぞ』
[ウレ]『うい』
と、同時にシルバさんへ、今です!と送る。現在、在原は名前もよく確認しないでOKを押しただろう。増えるHPバー。そこにはシルバさんの名前がーーーーーー
一瞬、在原の棒人間がヤバい動きした。あ、これ動揺してますな。シルバさんからパーティー申請来たので、入ってパーティーチャットを見た。
[シルバ]『や、ウレ。今日はみぃの招待で来たぜ』
見ても在原からのレスポンスは帰ってきてなかった。そして、ひょっこりとシルバさんも合流。
[みぃ]『おい、さすがになんか反応消えしてやれって』
[ウレ]『ごめん、ちょっと正気失ってた』
この間約30秒。
そこで、シルバさんと在原の会話が続く。チャット欄では平常そうにしてるが、誤字が普通にあったり、時間がめちゃくちゃ空いてたりと、まぁ動揺していることは明らかだった。
[シルバ]『それじゃ、みぃ。行ってくるな』
[みぃ]『はい』
[ウレ]『待て!みぃも着いてきて!』
[みぃ]『ばか。琥竜は二人限定だろーが。お前のためにシルバさん来てんだぞ。腹括って行ってこい』
[シルバ]『ほら、行くぞー!』
[ウレ]『みぃぃぃぃぃ!!!』
はい、パーティー離脱っと。ふぅ……ひと仕事したなぁ。いい汗かいた。部屋ん中だけど。
と、汗なんて全然かいてないけど額の汗を拭う胸をする。いやー、いい事するって気持ちいーーー
机に置いていたスマホが着信音を鳴らす。そこにはメリィという三文字ーーーー
「も、もしもし!」
認識する前に腕がスマホを取っていた。
「あ……みぃくーーー旦那様」
「げほァ!」
無事尊死。大丈夫、傷は深い。
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