第5話 あれは
奥の部屋から蒼白い光が漏れている。あれは…。
「っ、シノ?」
焦ったように、それか、見つけられたように、リオンが言う。
蒼白い。それも、人工的な、白い光。
なんだ…?
発行源は、奥の部屋のようだ。
バンッ!
半開きのドアを、勢い良く開ける。あそこにあるのは…?
パ…パソコン!?
はあ…!? なんでこんなところに?
ここと俺のいた世界とのあたらしい共通点だ…。それにしても突飛すぎだろ!?
動くの、かな…。
マウスを触ってみようとする。が。
「やめろっ!」
っ…リオン?
俺はビクッとしてリオンの方を見る。
リオンも、大きな目を見開いて、ビクビクとこっちを見ている。むこうも思わず出てしまった言葉のようだ。
「すっ、すみません! でも、駄目です…。さわっちゃ…」
俺は不思議に思い、首を傾げる。
「なぜ…? 普通にパソコンだろう…?」
「ええ…。あなたの言う、《パソコン》です…。でも、これは…。呪われています」
呪い…? また、そんなのか…。
前までの世界なら「んなモンあるわけねぇだろっ!?」で住むんだけど、わけわからん
「…そうか。具体的に、どんな呪いなんだ?」
そう聞くと、彼は、困ったように目を泳がせた。
「わ…わかりません。でも、僕の本能が…そう言ってるんです」
本能、か…。まあ信じよう。昔、俺のじいちゃんが言ってたな。本能には従えって…。
「わかった。信じよう」
意外なようにリオンがこっちをみる。「シノがそんなこと言うなんて、意外です」
やっぱり…笑。
それは置いといて、本題は、なぜこんなところにパソコンがあるのか。
もうわけがわからねぇ…。
思わず髪をクシャクシャっとかき回す。
「あの、ここにこれがあるのはっ…」
お、リオン、なんか知ってるのか?
「ぼくが、患者だからです」
ああ…またわけわからんのが…。
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