第37話 僕は生息し続けないといけない
ここで僕のこの人生が、実はまだまだ継続中なことをお知らせしておきたい。
つまり、僕はまだ、いま、この地球上に、この日本に、生息しています。
だから、この物語には終わりはなく、僕の人生が続く分だけこの物語も続きます。どうか気長にお付き合いください。
と、少し自分を客観視したかった。
そのくらい僕は動揺した。
父さんと帰った正月2日の夜、母の姿はなかった。
「あれ?あいついないな。体調悪いのにどこ行ったんだ?」
僕は生息し続けないといけない。
なぜかとっさにそう思った僕は慌ててこういった。
「あ!今日母さんの好きな雑誌の発売日だから、コンビニじゃないかな。それより父さん酒臭いよ、風呂入ったら」
「だな。久しぶりにじいちゃん達とお前と飲めたからな。楽しかったわ。じゃちょっと風呂」
鼻歌まじりに風呂場へ向かった父さんが風呂場のドアを閉めると同時に僕は二階へ駆け上がり母の携帯に電話した。
でない。
でない。
でない。
くそばばあ。何やってんだ?
でない。
でない。
何やってんだよ!
僕は生息し続けないといけないのに。
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