第3話 母

僕は自分で言うのもあれだけど、小さい時結構可愛かった。母はよく愛してるにゃと、と言ってたけど、あれは僕の可愛い見た目だけを愛してたんだ。


母の趣味は、浦安のテーマパークで僕と一緒に自分もコスプレをして周りの人たちにかわいーと言われることだった。実際、僕が四年生くらいまで母は美人だったと思う。とにかく注目されたくて一番になりたがる。地元のへんな雑誌のレポーターもどきみたいな事をしていた事もあり、父さんに私も働いているんだからと豪語していた。僕にはもらうお金より付き合いで出て行くお金の方が多い、と言っていた。とにかくその〝仕事〟をはじめてからは、母も家にあまり帰らなくなったので、3年生くらいから僕は家に1人でいることが増えた。


ある時、珍しくリビングを片付けていたので聞くと母はこれから友人達を家によんでランチパーティーをするという。すると、母より年上に見えるおばさんたちが3人、やってきた。食べろ食べろと言われるので仕方なく、デリバリーのピザをもそもそ食べた。この人たちは誰なんだろう。見たことのない人達だった。母はいつもより濃い化粧をして、嬉しそうにはしゃぎ、スパークリングワインを飲みながら、自慢げに話していた。

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