第18話 世界初 東魔法大陸クイーンサンディア王国が空上国家とアンカー協定

東魔法大陸のクイーンサンディア王国と、旧北側国家ソードランド封建国がアンカー協定を締結することが分かった。南側諸国と旧北側諸国がアンカー協定を締結するのは世界初のこととなる。


●南側諸国と北側諸国のアンカー協定は世界初

クイーンサンディア王国は東魔法大陸に位置し、4大魔法王国のひとつに数えられる歴史ある国家だ。一方でソードランド封建国は旧北側国家に属し、現在は空上離脱している。


南側諸国が旧北側系の国家をアンカー協定で受け入れるのは、史上初の試みとなる。


2国のアンカー協定は、これまで北側諸国との接触に消極的だった魔法国家にも、なんらかの影響を与える可能性がある。


●「剣と魔法の国家」が誕生 両国民は2か国の市民権を獲得

クイーンサンディア王国の担当官は、「南北の別を超えて親和的な国家観を持つことが確認できたため」と今回の協定に至った理由を説明している。


2か国は着陸受け入れを前提としたアンカー協定を予定しており、協定締結後はソードランド封建国はクイーンサンディア王国の属国扱いとなる。


ソードランド封建国は「1基の空上国家内での国家運営には限界がある」とし、陸上のアンカー先を模索していた。「騎士国家の仕える先」として、魔女王が治める旧国を選んだのだろうか。


クイーンサンディア王国はソードランド封建国との支配関係について「事実上の同盟国として関係を築いていきたい」としている。協定成立後はすべての国民が両国の市民権を獲得する予定だ。


●ソードランドの国家運営は領内で保護 四季戦争も継続

ソードランド封建国というと、領内の騎士家系が争うことで封建国家を維持する「四季戦争」の風習がある。


クイーンサンディア王国の属国となった後は、ソードランド国内のみで四季戦争が許可される予定である。クイーンサンディア王国民を四季戦争に加えることができるかどうかは、現在法整備中とのことだ。


ソードランドの若年層の間には、閉塞的な国家内での四季戦争に対して否定的なものも少なくない。協定締結後には、若年層を中心としたソードランド国民の大量流出も予想される。


●ソードランド系難民の受け入れ焦点に 現時点では予定なしだが…

アンカー協定締結を前に、問題となっているのは難民受け入れだ。ソードランドが空上離脱した際に難民化した人々は10万人に及ぶといわれている。


クイーンサンディア王国が受け入れるのかどうかは、今後の旧北側諸国とのアンカー協定の前例となる。10月の首脳会議で議題となる可能性も出てきた。


クイーンサンディア王国の担当官は「現時点では難民の受け入れ予定なし」と発表したが、「首脳会議の結果によっては検討の余地がある」ともコメントしている。


●7月中にアンカー協定調印式へ

課題を残しつつも、両国のアンカー協定は7月中に締結される。調印式はクイーンサンディア王国の首都サンディにて開催される予定だ。

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