第19話 一日一事「サンサンさんぽ1」海下ライター・モデル サンサン
●サンサンさんぽが連載スタート!
はじめまして!ライターのサンサンです。僕は海下世界を取材するライターや、モデルとして活動しています。
僕が海下世界について発信しているのは、「陸上世界の皆さんに海下の楽しさを知ってほしい!」と思ったから。大陸の崩壊で暗いイメージもある海下世界ですが、本当は美しくてハッピーなところなんです。
文字ノ泉新聞では旧北方大陸の海域をおさんぽして、発見したことをお伝えしていきます。
●旧コントビ里山共和国周辺をおさんぽ!
第一回目のおさんぽは、旧コントビ里山共和国の周辺海域に行ってきました!北方大陸の北西部にあった小国です。
現在は海没して、スパイスクラブ自治区の領地となっています。コントビ跡地には独創的な建物が多いので、カニさんたちのリゾートスポットとしても人気。
今回はスパイスクラブの会長に許可を得て、現地ガイドさんとともに未開発地域を取材させてもらいました。
●里山風家屋群を発見
スパイスクラブの第三都市・タラバーリオからバスで3時間。旧コントビ共和国の跡地にやってきました。
コントビの木がシンボルの広場は、海底温泉の上にちょうど海没。今は、カニさんたちのスパリゾートになっています。
リゾートのさらに奥地は、まだ手つかずの旧コントビ領が。雑木林を抜けると、小さな三角屋根が特徴のかわいい里山風家屋群が。ここは集落の跡地なのかな?水車や農具も残されています。
里山風の家屋はカニさんたちに人気があり、修繕されて分譲予定なのだとか。今回はリフォーム前の一軒にお邪魔しました。
●ていねいな食器棚に隠し扉が…
海没から10年が経つ家屋ですが、柱や梁がしっかりして丈夫。安定した地盤がゆっくり海没したので、きれいに残っている住宅も多いようです。
小さい家の中はシンプルにまとまっていて、華美な装飾が無く家具も必要最低限。このコンパクトさには、カニさん心を掴むのも納得です。
台所は土間になっていて、かまどが二つ。便利さをあえて排除したこだわりのある台所という感じです。コントビの住人たちはここでていねいな暮らしをしていたのかな?
シンプルながらもこだわりがありそうな食器棚を発見。中には白で統一された食器が2セットしまってありました。
でも、食器の奥にももう一枚引き出しがある!ガイドさんの許可を取って、中を開けてみました…
●じつはカップ麺の消費量世界一だった?!コントビ里山共和国の実態
食器棚の隠し扉を開けると、そこには大量のカップ麺が!3分でできるものから、こだわりの8分麺まで。多種多様なカップ麺が取り揃えられていました。
ガイドさんに話を聞くと、「結構よくあること」なんだそうです。このあたりの家屋は隠し扉や壁の中の隠し収納が多く、住人秘蔵の”非常食”がたくさん発見されるのだとか。
コントビ里山共和国はていねいな暮らしで自然と調和する里山生活を実践する国でしたが、実は即席食品やジャンクフードの消費量が世界一。ていねいな暮らしをしていると炊事が大変なんだって。
家屋によっては最新家電とジャンクフードが満載の地下室があったり、テリピンや個人紙でいっぱいの隠し倉庫があるなんてことも!
里山暮らしのていねいな人たちも、ちゃんと人間らしいところがあったんですね。ちょっと安心しちゃいました。
●旧コントビ里山共和国の難民の方へ
スパイスクラブでは、旧コントビ里山共和国から避難・離脱された方からの財産申請を受け付けています。
心当たりのある方は、スパイスクラブ陸上大使館にお問い合わせください。申請には当時のお住まい・家庭・財産状況などの証明が必要です。
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