第9話 魔族の生活面白く『魔族なカゾク』ヒットの理由

●辺境からなぜヒット?話題のドラマ監督に取材

結婚した彼の一族は魔族だった―そんな誰にでも起こりうる新しい家族の形を描いたドラマ『魔族なカゾク』が大ヒットしている。


南海の小国にある独立系テレビン局は、どうして世界中の人々の心を掴むことができたのだろうか?


●「魔族はどこにでもいる」監督の実体験を基にしたストーリーが共感を生む

ドラマ『魔族なカゾク』は、東魔境大陸の周辺諸島であるブモブモ島の独立系テレビン局が制作しているホームコメディドラマだ。


最初に目を引くのは、なんといってもその設定だ。


”平凡な主婦のミフは夫と義理の家族たちが魔族であることに気づいてしまうが、夫と義理の家族は全く気付かず。それどころか、ミフに魔族であることがバレないように日々奮闘している…”(「魔族なカゾク」公式ページより引用)


日常にありそうなさまざまな事件を通して、ミフが魔族と家族になっていくストーリーが展開される。


南北戦争の後に魔族大陸が出現してから約20年。DFBYH[i]の人々は、人類にとって身近な存在になりつつある。


見た目が人類と変わらない魔族も少なくないため、彼らの素性を知らずに交流を持つ場合もあるだろう。そんな時に感じるギャップを、このドラマは笑いに変えて伝えている。


●ドラマ制作のきっかけは監督の家族

『魔族なカゾク』のゴメゴ監督は、姉の夫フウコさんが悪魔系魔族だったことをきっかけにこのドラマを制作し始めた。


ゴメゴ監督はドラマのテーマについて「義理の兄さんが悪魔だと、いろんなことを言われる。オレでこれだったら、アネキはどんだけなんだ?と思って。やっぱり偏見は無くしていきたい。でも、あくまでも面白く。」と語っている。


●偏見は「無くす」と「作らない」が大切

『魔族なカゾク』は全世界にファンを獲得し、DFBYHの当事者たちだけでなく魔族に一度も出会ったことが無い人々にも好評を博している。このドラマが魔族を知るきっかけになることは監督も意識しているらしい。


監督は「偏見は無くなるまでに時間がかかる。だからこそ入り口がすごく大事。初めて会った悪魔が義兄さんだったから『(悪魔って)そんなでもないんや』と思えた。ドラマをきっかけにDFBYHへの視線をベースからあったかくしたい。」という。


●良いものを発信するのに場所は関係ない時代へ

『魔族なカゾク』は、ゴメゴ監督が学生時代の友人たちと作り始めた。「その辺の森にいたカメラオン」で撮影し、編集と発信は「村の魔法おばあが持ってた100年物のテリピン」で行った。


最も田舎にあるテレビンユ放送局が世界規模のブームを起こしたのだ。


「世界のどこにいても、良いものを作れば誰かが見てくれてる」ゴメゴ監督の目には、希望が満ち溢れていた。


【魔族なカゾクはTTOチャンネルで全世界同時放送中!】


[i] 混血4世代(クオーター)を含めてDFBYHQという場合もある

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