第2話 ジューク

体がフワフワとした感覚からしっかりとしたものに変わった。

 あぁ、確か人間と契約したんだっけな。

 しっかし動きずれぇな…って、

「っぶね!」

 急に目の前をハンマーが横切った。

「おい!あぶねぇじゃねぇかデブ!」

 目の前に居やがるデブが同じハンマーを持ってるからあいつがぶん回したんだろう。

「ボクはデブじゃない!これでも体重3桁は乗ってないからね!」

 オレより軽いじゃねーか。

 なーんて思ってるとまたハンマーを振り回してきた。

「あっっっぶねぇ!おいデブちょと待ってろ!」

 オレは左手を体の横まで上げ、異空間から鎌を出現させた。

 オレの相棒「鎌切カマキリ」だ。

 鬼族キゾク仲間からはダサいってバカにされたけど…そうか?

「豊君、反応鈍いんじゃない?」

 豊?だれだそれ、オレの名前はジュークなんだけ..あ~契約者の名前か。こいつ今意識ねぇんだよな~

「お前は…1分で十分だな」

 そしてデブに向かって走った。

 狙うは首だ。一振りで殺ってやる。

「っな!突っ込んでくるんだんね。いいね~いいね~馬鹿は嫌いじゃないよ~」

 あぁキメェ、腹立つなコイツ。

 そして俺は鎌切を思いっきり振った。


「..か!…たか!豊!おい!」

 豊はハッとした表情で瞬きをした。

「あれっ、男の人は?」

「は?ずっと俺らしかいないけど?」

 豊は耳を疑った。

「いたじゃん!名前聞いてきた小太りの…」

「今更寝ぼけてんのか?いねぇよそんな奴」

 豊は確かに見た。急に名前を聞いてきた不自然な男を。しかしその後のことが思い出せない。

 何があったのか。男はどうしたのか。

「行こうぜ」

「う、うん…」

 豊はまだ知らなかった内に潜む最凶最悪の存在に…

 この先の苦労に…







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L&R 球玉丸 @kyugyokumaru

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