05 小さな少女の決意



 お母さんは、あと半日過ぎたら、ここを出ていくと言います。


 そして、私一人になっても、村や町を目指して走り続けるのよ、と続けます。


 私はそんなの嫌です。

 だって、だって。お母さんがいなくなったら一人ぼっちになっちゃう。


 だから、私は木の枝をできるだけ加工して、即席の杖になるように頑張りました。


 実戦で魔法を使った事はないけど、訓練をはじめたばっかりだけど、村の人は腕はいいと誉めてくれました。


 だから、魔法さえ使えれば力になれるはずなのです。


 私は絶対にお母さんを守る。


 そして、二人で安全な場所に辿り着いて、村にいるお父さんたちを助けてもらわないと。


 次にこの日記を書く機会があるかどうか分からないけど、その時はまた家族三人で揃っているといいな。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る