いざリウキウへ!

ミライさんの掛け声で参加者がステージの前に集まる。


『改めまして皆さん、おはようございま~す!』


おはようございま~す!と、参加者とフレンズから返ってきた。

うんうん、良い返事だ。

特にサーバルやロードランナー、ジョフ辺りが。


『はい、ありがとうございます!

昨晩も言いましたが皆さん、今回は当ジャパリパークの旅企画にご応募頂き、ありがとうございます。この旅では、皆さんが希望なされたフレンズさんと共に、私、ミライの案内の元、

パークやフレンズさんに触れて頂き、

パークを知って貰おう、と言う企画となっております。

では、私からの挨拶は一旦…ここまでとしまして、今回の企画の主催者であり園長の継月さんに旅のプランを説明して頂きましょう!

お願いしまーす!』


ミライさんから紹介に合わせてマイクを持ってステージに上がる。

ミライさんはステージの脇に移動した。


『……主催者ってどっちかって言うとこの話持ってきたミライさんじゃないかと思うんだけどなぁ、俺は』


アハハハハとフレンズの笑い声が上がる。


『……まぁいいや。改めまして皆さん、

おはようございます』


おはようございま~す!と、参加者とフレンズから返ってくる


『……ご丁寧にどうも。えー、ご紹介に上がりました、今回ミライさんと共にこのツアーを

企画させて頂き、皆さんと旅を共にさせて

頂きます、継月です。どうぞ宜しく。

まぁ、園長といっても、まだオープン前なので、仮のという状態なんですけどもね。

えー、今回はですね、オープン前のパークに

試験的にお客さんを招くという事もあって、

出来るだけ少人数にした方がいいよねって事で、数ある応募者の中から皆さんを、僕と

ミライさんとで話し合って選ばせていただいたんですけど。まぁ~応募数が凄かったんですよね。この企画をミライさんから言われてOK

した時はこっちの現状もあるし、んまぁ10人か15人…多くても2~30人は来ればいいかな~くらいに僕もミライさんも思ってたんですよ。それでね、後日皆さんからの応募書類が届いたんですけど…、その時は慌てた様子で

ミライさんが持ってきたものだからどうしたのかと、その書類の束を見たらですね…

ミライさんどのくらいありましたっけ?』


『少なくとも百…は行ってましたね』


『そう、もう予想の何倍もの応募数が来て二人ともびっくりしちゃって。もうそのあとは

絞るのがめっちゃ大変でしたね。まぁ選ばれた皆さんはね、折角こうして参加できた訳ですし、もし良ければここで出来た思い出を持って帰って、友人だとか、家族への土産話にして貰えればなぁと思います。

では前置きもここまでにしておいて…早速ですね、今回の旅のプランをご説明いたしますけども、皆さん事前に配布したお手持ちのしおりにあるスケジュールをペアのフレンズとご覧ください』


一度話を止め、参加者各位がしおりを取り出し、スケジュールのページを開いたのを

確認して話を続ける。


『1日目となる本日は、まずここキョウシュウから私達の用意したクルーザーに乗船して頂いて、そこからリウキウへと向かいます。

そしてリウキウ到着後、そこを納めている守護けものからの軽い挨拶を挟んでそこからは自由行動をして頂きます。

そのエリアから出たり立ち入り禁止区域に入りさえしなければ基本的には何をして貰っても構いません。

文化に触れるもよし、現地のフレンズと戯れるもよし、現地の食を楽しむもよしです』


『因みに各ペアにカメラをお渡ししましたけどこちらでフォトを撮っても?』


『もっちろんオッケーです、その為にお配りしたものなので。…あっ、ただ大丈夫だとは思いますけど モラルとかは守ってくださいね?

そこんとこお願いしますよ?

因みに、そのエリアに何があるのかとか、

各エリアごとのデータはそのしおりに大方

書いてあると言うより私とミライさんの方で

現状出来そうな事とか全っ部現地行って調べて書き記したんで、良ければですね、行動プランの参考にしていただければと思います。

そうしましたらお昼を挟んで13:00頃、

ゴコクへと向かいます。

ゴコクでもリウキウと同じく守護けものからの軽い挨拶の後自由行動、コゴクで一泊した翌日バスでアンインへ向かい…と言ったように

ホッカイエリアまで北上する形でパークの

各エリアを周っていきます。

予定としましては

本日一日目は先程言ったようにがリウキウと

ゴコク

翌日二日目はアンインとサンカイ

三日目はナカベとホクリク

四日目はカントーとホートク

五日目はホッカイと

1日で二つのエリアを回り、

最後はホッカイからこのキョウシュウに戻ってきて、キョウシュウを回ったらこの遊園地で宴会をしてロッジに泊まり、翌朝解散…という

5泊6日の旅行企画となっております。

では皆さん、是非フレンズのみんなとの楽しい一時をお過ごしください。以上で、私からの挨拶とさせて頂きます』


打ち合わせ通りに挨拶を終えてミライさんとは反対のステージ脇に移動する。


『はい、ありがとうございました。それでは最後に、現在は主にこのキョウシュウエリアの守護を務めておられますスザクさんからのご挨拶で終わりたいと思います。スザクさーん、お願いしまーす!』


さて、あとはスザク姉の挨拶を挟んで出発

……なのだけど一向に上がってこない。


『あれっ?スザクさーん?』


舞台袖を見てもスザク姉の姿はない。

……さっきまでフルルと一緒に居た筈だよな?


「あれっ、スザク姉何処に…」


バサッバサッと、上から羽ばたく音がする。

もしや……と思い見上げるとゆっくりと、

スザク姉がステージへと降りたった……。

ちゃっかりマイクを持って。


『皆のもの、待たせたの』


うん。すこーしだけど待ったよ姉さん?

一瞬何処行ったんだろうって焦りもしたよ?

でもとりあえずさ、これだけは言わせて?


『目立ちたがり屋かっ!普通にステージ横そこから上がってこればいいじゃん!』


『いやぁこれでも守護けものじゃし~、一度ちょっとそれっぽい登場をしてみたくての?』


あぁなるほど、神様だから神々しく上から

降り立つ演出で登場したかったんだね~

……って


『お茶目かっ!もう…、余計な事しないでいいから早く皆に挨拶してよ(笑)』


『むぅ…今日はつれないのぅ。いつもならもう少しはのってくれるというに…』


そんなむくれられても困るよ……。

俺はブー垂れるスザク姉を他所にステージ脇に戻る。


『とまぁ継月に怒られてもうたし、茶番はここまでとしておいて……』


茶番もそこそこに気を取り直して姉さんがみんなの方を向く。


『皆のもの、よくぞこのジャパリパークに来てくれたのぅ、歓迎するぞ。我こそは、ジャパリパーク南方守護者のスザクじゃ。昨日ミライからも話されたと思うが、このジャパリパークでは、皆がパークの外にある「どうぶつえん」とやらで見慣れた動物のフレンズやまだ見たことのない、知らない、そして本来触れ合う事すら不可能な筈の動物のフレンズもおる。

是非とも、そんなフレンズ達と心通わせ、良き楽しい思い出を作ってくれたら幸いじゃ』


そこまで言った所でスザク姉の顔がいつもの

フレンドリーな、にこやかな顔から如何にも

神様らしい(神だぞ!?byスザク)険しい顔に

変わる。


『……とはいえ、自然やフレンズを無闇に傷付けるような粗相はするでないぞ。お主らなら大丈夫だとは思うがのぅ。昨晩も、フレンズを連れ去ろうと考えると不届きな輩が忍びこんでおったからの』


スザク姉の一言で周囲がざわつく……。

無理もない、場合によっては今隣にいるフレンズが拐われていた可能性もあるからだ……。


『ちょっちょっちょっちょ!それは言わないようにって話したじゃん!!』


俺が待ったを掛けるとスザク姉の表情がいつもの顔に戻る。


『なんだよ~、一応注意喚起は必要だし、それには充分な内容であろう?』


『皆を不安にさせない為にも知られないようにって話し合ったでしょ!ほらもう何人か怯えちゃってるし!』


主にアードウルフやジョフ辺りが!


『まぁ、とはいえそやつらは早期に我等が全員捕まえてきっちりとっちめておいたからのう。今頃は本土でお灸を据えられておろう。

このパークにはもうおらぬだろうから、皆安心して旅を楽しんでくれ』


これを聞いて参加者のざわつきが収まった。

やっぱり守護けもの直々にお灸を据えたと

なったら幾分かの安心感があったんだろうな。

それにあの時の姉さんの顔、相当ヤバかったからなぁ……。


『それでは、良い旅をの!我からは以上じゃ!』


姉さんがステージ横から普通に降りていった



『……はいありがとうございましたー(汗)』


ミライさん、冷や汗かいてる……。

そりゃそうだよね、俺もまさかの暴露に

本気で焦ったもん。

 

『それではですね、今から日の出港へ移動しま~す』


流石ミライさん、切り替えが早い。

もうパークガイドとしてのスイッチ入ったよ。


「じゃあ皆、行ってくるよ。後のこと、宜しくね」


「はい!」


「任されたのです」


「お前達も、気をつけるのですよ」


「二人とも、いってらっしゃい!」


「行ってきま~す」


俺とミライさんはマイクの電源を切ると、

器具の運搬として控えていたマーゲイと博士、助手に後の事を託し、

フルルと共に皆の先頭に立つ。


「それでは皆さん、ついてきてくださいね~」


旗を持ったミライさん、やっぱり様になってるなぁ……。


ミライさんの後ろを俺とフルルが着いていき、

その後ろを各メンバーが二列になって歩き、

港へと向かう。


🕐️


日の出港へ着いた俺たちは用意しておいたクルーザーを前に待機していた。


「はい!これが今回皆さんが乗るジャパリクルーザーでーす!皆さん足元に気を付けて乗船して下さいね~」


日の出港に停泊している船は最大25人程乗れる様に設計されてある。

そのクルーザーの座席まで移動しミライさん、俺とフルルが最前列に、

他のメンバーはそれぞれのペアで座って貰った。




配置はこう


       前


      フ継ミ


    コタ   ロあ

    キペ   ジョ雪

    ア松   サけ


       後




俺たちの前には一体のラッキービーストが鎮座(?)している。


「ラッキー、船の操縦お願いね」


「任セテ、安全運転デ行クヨ。

クルーザーシステム、起動。

クルーザー駆動部、各部異常無シ。

システム、オールグリーン

アンカーノ巻キ取リ完了。出発スルヨ」


「それでは皆さん準備はいいですか!

ジャパリパーク一周の旅に、レッツ」


『ゴー!』



Am8:00

クルーザーは日の出港を出港

リウキウへの航路を走り出した。

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