第22話 父親からのメッセージ
前書き
ちょっと仕事が忙しくて明日と明後日もしかしたら更新できないかもです。
一応原稿はあるのですが、校正が間に合っていないのです。
間に合えば更新します!
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夜になり、一人ボッーとしていた。
育枝は近所の叔母さんの家に行き、今日も家には一人しかいない。
育枝がいないだけでいつもより家全体が静かで、暗い、何よりとても寂しい気持ちに心が襲われた。これを孤独と人は言うのだろう。いつもなら別に本でも読んでいればすぐに眠たくなるし、寂しさを紛らわせれる。だけど今日も本を読もうとすら思えなかった。何処か気分が乗らないのだ。
最初はなんだかんだ言ってすぐに許してくれるだろうと甘い考えを持っていた。
だから久しぶりの一人の時間なんだしといつもと発想を逆転させて強引にポジティブな方向へと持っていった。だけど本気で育枝が怒っていると実感した。違うな傷つけたの間違いだ。
――ピコーン
スマートフォンに目を向けるとメッセージを受信していた。俺は育枝かと思い急いで中身を確認した。
『育枝から事情は聞いた。さっき近所の叔母さんにも俺から電話を入れて謝罪しておいた。もう過去とは向き合ったのか?』
メッセージは父親からだった。
『まだ……。だけど、このままじゃダメだって思ったんだ。育枝には黙ってたんだけど今ならいけるかもって思った』
するとすぐに返信が返って来た。
『そうか、なら頑張れ。もう気付いているかもしれないが育枝がお前を好きになった理由な、お前の作品のファンだったからだ。それ知ってるか?』
『知らない』
『いい機会だから話しておく。昔育枝は今と違ってとても内向的な女の子だったんだ。そこで今の母さんが育枝が一人でも寂しくないようにとスマートフォンを買ってあげてな。それから育枝はネット小説に夢中になった。勿論俺もこれは今の母さんから聞いた話しだから詳しいことは知らない。ただ内向的だったのは当時通っていた小学校でのいじめが原因だと聞いている』
俺は驚いた。
俺と育枝は中学の二年生と一年生の時に両親の再婚で一緒に暮らすようになったがその時にはそんな感じが一切なかった。いつも明るくて元気な女の子と言うのが最初の印象だった。それは今でも鮮明に覚えている。
『そんなときある短編の作品が育枝のあり方を変えた。イジメとは受け入れる物じゃなくて相手にしない事を題材にした作品だ。その作品にはこう書いてあった。『自分にない物が羨ましくて人を蹴落とさないと生きる価値を見いだすことが出来ない哀れな人間がいじめをするのだと。そしていじめをする者が一番恐れている事。それは無視されることだ。無視されればその者は存在価値を凄い勢いで失い、一か月もしないうちに行き場を失う。そして最後は一人になる運命。その呪縛からは決して逃れられない。そうこれは必然であって偶然ではないから』だと。再婚前俺はこれを今の母さんから聞いた時、母さんや育枝そしてお前にも黙っていたがすぐにお前の作品だとわかった。お前は育枝の未来を変えたんだ。だからこそ育枝はお前と言う人間に恋をした。人生を変えてくれたお前に。後はどうするかお前が決めろ。お前の人生だ。お前と育枝が納得するなら父さんは止めない。例え母さんが反対しても父さんがお前達二人の味方になってやる。だからまずお前から今後どうしたいかを育枝と話せ。いいな? 男と男の約束だ。返信はいらない。ただし困ったらすぐに相談してこい。力にはなってやる』
俺は父親からの長いメッセージを読んで感謝の言葉しか出てこなかった。
だから返信は要らないと書いてあったけど、『ありがとう』と送った。
育枝は今まで一回も俺の作品を読んだ事があるとは言わなった。いつも本より友情だし後はゲームだよと言っていたから、こればかりは価値観の違いかなと勝手に思い納得していた。俺は育枝の言う通りやはりバカなのかもしれない。言葉通りにしか物事を受け入れる事しかできないただの。
するとまた父親からのメッセージをスマートフォンが受信した。
『言い忘れていたがお前がトラウマなのもイジメの一つが原因だ。答えはお前の中に既にある。病院に行くなら病院代ぐらい幾らでも出してやる! だけどそれでいいのか? 違うだろ。小説家に素人とかプロとか関係があるのか? よく考えてみろ。人の心を動かすのはプロじゃないとできないか? 答えは――――否だ! 母さんには俺から上手く伝えるから頑張れ! お前は俺の自慢の息子だ! イジメはどうする物だ!?』
俺はこの時本当に父親の息子で良かったと思った。
今までは仕事の関係で殆ど帰ってこない親だなと思っていたが、俺が困ったときに親として俺の進むべき道をしっかりと示してくれた。なにより自慢の息子だと言ってくれた、それがとても嬉しかった。こんなバカな俺を怒るわけでもなく、熱い言葉でしっかりと励ましてくれた。
『本当にありがとう。近いうちに育枝と向き合ってくる』
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後書き
頑張っては見ますが、出来なかった時は本当にすみません。
先に謝っておきます。あの人の話し本当にながいんだよな……と心の中で思いながら頑張って仕事してきます。
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