痴漢されるの怖いし安全ピン持ち歩こ
星空ゆめ
痴漢されるの怖いし安全ピン持ち歩こ
「痴漢と間違われて刺されるの怖いし核保有しよ」
空前の痴漢対策ブームにより生まれた安全ピンという抑止力を皮切りに、当然のように成立する核抑止論。1億総核保有時代への突入。2020年、日本国の核保有数はロシア、アメリカを抜いて世界最大となる。翌年、「男と同じ国土を踏んでいると思うと恐怖心を覚える」旨の声明を発表した婦人たちによって、女性による統治国家の建国を掲げる「女性解放戦線」が発足する。同年、女性解放戦線戦員は独立を果たし、日本国は東西を「珍国」と「満国」に分けられた。
2021年9月18日、「満国」をかつての出稼ぎ先である「満州国」と勘違いした珍国の老人が満国に入国した後、満国の婦人会により安全ピンで虐殺される事件が起こる。後にこの事件は「満臭事変」と呼ばれ、満国・珍国両国内のメディアはこれを大々的に取り上げた。また、この事件に際して珍国内でトップのシェアを誇る「珍国新聞」が、満国民に対して「ま〜ん(笑)」といった蔑称を用いたと中立的な立場を取る「中国新聞」が掲載。これを受けた満国政府は「極めて遺憾、生理の辛さもわからないしこれだからち〜ん(笑)は」とし、女尊男卑主義に基づいた極右組織「満国赤軍」が主に女性解放戦線の戦員の指揮の下組織される。翌月、それに対抗するように珍国内においても「毅然とした態度で勃ち向かう、白濁の意志で戦う」との声明を発表。過激派である「珍国白軍(はくぐん)」が組織される。以後、数十年間に渡って繰り広げられる満国赤軍および珍国白軍の戦いは、その名称にちなんで「紅白性合戦」と呼ばれ、世界的に問題視された。
2022年、満珍が最も核戦争に近づいた年。日本分断以後、海外へ亡命していた「バーチャルのじゃロリ狐娘Youtuberおじさん」が帰国を発表。当然のごとくのじゃロリおじさんの帰属先が論点となり、のじゃロリおじさんの性別が問われることとなる。満珍両政府の保守派は核戦争を恐れ、国際機関「のじゃロリ研究機関」を設立。大島薫をはじめとする専門家による数十回のヒアリング、および動画の視聴の結果、のじゃロリおじさんに満珍両国籍を付与することに合意。初の満と珍を有する者となる。
満珍両国建国から20年後、両国内における高齢化および少子化問題が顕著となる。それに伴い、新規メンバーの獲得に苦心した「満国赤軍」と「珍国白軍」の解散が事実上成立。長きに及んだ冷戦が終結する。
少子高齢化を問題視した満珍両政府首相は20XX年、12月25日「満珍平和条約」を締結。この満珍平和条約は世界的にも注目され「性器の大事件」「国を越えた性行為」と揶揄された。同日、満国および珍国は解体、1月1日に日本国が再樹立した。
なお、12月25日から12月31日の間に産まれた子供は現在でも「国籍無き子供」「性別無き子」「クリスマスチルドレン」と侮辱され、社会問題に発展している。
この記事はフィクションであり実在の人物、団体とは一切関係ありません。また特定の主義・思想を中傷する意図は一切ありません。
痴漢されるの怖いし安全ピン持ち歩こ 星空ゆめ @hoshizorayume
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