第32話 シフィ姉ちゃんの深層思考の考察⑯
「私は、そもそもいがみ合うつもりなど、露ほども思っていませんが、コスタドル様がそうおっしゃるのでしたら、私も快くその提案に賛同したいと思います」
「この辺で、そろそろ正常な関係に戻していきましょう」
天使の微笑を浮かべ、貴族令嬢の優雅な佇まいで、今までの過去の出来事が全て夢や幻であるかのように振る舞い、穏やかな声音で言葉を返すラスレちゃん。
すぐ手前で不動の姿勢を保つようにしてるセルディさんは、ラスレちゃんに離れずに警護してるのは、変わらないけど....。
そのセルディさんはコスタおじちゃんの提案に頷くと、次に少し離れた場所で交渉の進展を見守るギレン兄とイエラちゃんの方角に身体を向ける。
そして、見つめてる2人に対しても頷いて、交渉が正常に戻りつつあると手先で簡単な合図と送るのと、続けてその場で引き続き待機する合図を送っている様子が見てわかる。
「任せたぜ」
ギレン兄からは小声で呟き、赤い瞳をわずかに細めた笑みを浮かべつつ、指先で了解の合図を送り返してた。
「ラスレちゃん、すごーい、さいこうー、ぴょん、ぴょん、ぴょん」
その様子を見てたイエラちゃんは、両腕を真上に上げた姿勢のまま、歓喜の表情を爆発させ、着てる純白の神官見習い衣装の型が崩れてふわふわ浮くのも構わずに、白兎のように飛び跳ね、喜びを身体全体を使い表現していた。
あいも変わらずイエラちゃんは、
まあ、いいよ。気にしない。気にしない。
「うきゅ~~」「ふしゅ~~」
「むにゅ~~」「にゅお~~」
シフィ姉ちゃんも、あいも変わらず、モフモフ素材の山の中でウゴウゴと
もうそろそろ飽きないのかな?もう根っからのモフラーだから仕様がないかもね。
まあ、こちらも気にしない。気にしない。
グランさんは幻獣の守護者の残りの面々の様子を、表情に貴族の仮面をつけたまま無言のまま見詰めるけど、私は神水パワーを応用した擬似神眼を通して見てないから、グランさんが何を考えてるのかは、全く見通せないね。
その擬似神眼は、長時間使うと目が超痛くなるから、こんな長時間観察する場面では使えないし、そもそもこのシフィ姉ちゃんの記憶が再生される私の世界では、私の両目が存在しないから無理じゃないかと思うけど....。
もしかしたら、神水パワーを応用すれば、何か色々方法があるかもしれないけど、どうなるかわからないし取り扱いが面倒いから、今のこの場では、そんな何が起こるかわからない実験はしないよ。
「それで、君の提案はまだ途中だったが、そのまま続けるのかね」
コスタおじちゃんは喋り終えると、表情もまた真面目な顔つきに戻ったけど、今までが一帯なんだったのと思いたくなるほど、雰囲気も大分柔らかくなったような気がするよ。
多分、ここまで自分を
もしかしたら、他の貴族の派閥的な理由があるかもしれないけど、私は貴族的な内容はさっぱりだから、その辺に関わる問題はわからないよ。
ぶっちゃけ、仲よし子よしのラルレちゃんに手を出そうとしたから、私的にはコスタおじちゃん本人には、もう全く興味がもてなくなったんだ。
だから、これ以上迷惑を掛けないようにしてくれたら、それでいいよ。
「はい、もう少々お時間をいただきますが、構いませんでしょうか?」
私と違って、謙虚な態度でコスタおじちゃんに確認の声を発したラスレちゃんは、相変わらず、貴族の仮面を被り、優雅な佇まいで対応している。
はー、ラスレちゃんの爆弾発言には、本当に心が震えるよ。
あんまり私を驚かせるのは、止めて欲しいよ。
私の心臓は、
「あー、頼む、最後まで聞かせてくれないか?」
若い者等の進言や諫言を聞くだけで、恐怖で身体が強張ってしまうと告白してたコスタおじちゃんは、提案だから問題無いのか、それはわからないし、別に知りたくもないけど、全身鎧の腕の部分をカチャカチャと音を鳴らし、手甲で頭を
「はい、あいがとうございます」
「それでは、これまで説明した2番目の提案内容を簡単にまとめると、私達『幻獣の守護者』を製作者とダルタロイア男爵側の
次の提案の説明に移る前に、2つ目の提案の趣旨が上手くコスタおじちゃんに伝わっているか、確認したそうだったラスレちゃんは、直接その質問を問いかけた。
「あー、ラスレ嬢、君が最も伝えたかったのは、その製作者の御人は、今の王国の台風の目」
「──そう伝えたかったのではないか?」
「その台風の目に近づくものを、様々な派閥が吟味し、危険だと判断されたものは遠慮なく排除する」
「そのような危険地帯にいる御人に、私が何も知らされずにのこのこと近づけば、排除の対象になる可能性が少なからずあるのだろう」
「その為に、可能な限りの安全策をとり、直接接触する機会を減らし、その中に置いても、最大限の恩恵を
突然の奇襲攻撃にも関わらず、自分が理解した内容を淡々と話しているコスタおじちゃんは、グランさんの方に視線を変えてお顔を少し下げ、嫌々そうではあるけれど、謝る姿勢を少し見せた。
その様子を見てた私は、コスタおじちゃんの話した言葉の方に反応してしまう。
はー次の二つ名は、『台風少女アヴィ』で決まりかな?
もぅ──、これじゃーいろんな男をかたっぱしから誘惑して、みんなから沢山貢いでもらう私の計画に支障がでちゃうよ。
これは、何とかしなきゃ!!そうしなきゃ!!
この件も、1度みんなと相談しよう。
でも、それも誰に相談すれば、いいのかな??
わからないから、それも要検討案件に追加1丁!!出前1丁!!
私の心の話は、聞こえないけど、コスタおじちゃんの話声をじっと天使の微笑を浮かべ聞き入っていたラスレちゃんは、明るい茶色の髪を揺らしながら、満足そうに頷くと、直ぐに短い返事を返そうとする。
「はい、その通りです」
その言葉を発し終えると、次に何故か洞窟大広間内の天井部分のある一点を見つめるように顔をそらした。
私もラスレちゃんの見てた方向をじっと見詰めてみたけど、何も見えないよ。
その場所も滅茶苦茶に破壊され、風穴が沢山空いた風景が広がってるだけだけど....。
まあ、いいや。細かいことにまで気にしてたら、面倒いから気にしないもん。
そのラスレちゃんの様子を細かく興味深くみつめているコスタおじちゃんは、頬を釣り上げ気持ち悪い笑みを浮かべた。
「因みに君達2人は、何処の派閥に属しているのかね?」
その気持ち悪い笑みを浮かべたまま、自分の興味の湧いた対象に質問を投げ掛けた。
「そうですね、その紹介は、していませんでしたので、その紹介もしておきましょう」
「私の家のアルスレグス魔法伯爵家は魔術派閥に属しています」
あっさりと自分の所属する派閥を明かしたラスレちゃん。
そんなラスレちゃんに、私の心は
私には、そんな秘密を全然教える素振りさえ全く見せなかったし、その派閥に入り私を見張り続けてたのも秘密にしてるし、色んな情報も全然話してくれないし、何も打ち明けてくれないのに、脳筋筋肉んのコスタおじちゃんには、素直に自分をさらけ出して教えるんだ。
ふ──ん、そうなんだ。
仲よし子よしの私より、脳筋筋肉んのコスタおじちゃんを優先するんだ。
あーあ、なんだか、脳筋筋肉んのコスタおじちゃんに負けた気分だよ。
ふんだ!!ラスレちゃんのバーカ!!バーカ!!
ちょっと私よりもてるからって調子に乗って羨ましいな。私にも分けて欲しいよ。
私に声を掛けてくる異性は、変なお貴族様や、キザったらしい馬鹿や、エロチビデブ王族様しかいないもん。
なんでそうなのかは、さっきのラスレちゃんの衝撃の告白で理由が判明しちゃったけど、どうすればいいのかわかんない。
私も普通の恋がしたいよ。普通の恋が出来ないなら、早くゼル様に逢いたいよ。
はーもう、お家に帰って布団に包まって
そんな私の気持ちに答えてくれる人物は、この記憶の映像の中では、勿論誰も居ないし、映像の中の人達は、みんな自分の役割を真面目にこなして、誰もその場にいない私には、構ってもくれないね。
当たり前のことだけど、何故か虚しく感じちゃう。
セルディさんも、そんな見えない私の存在を完全無視して、この場の発言に加わろうと、靴音を響かせつつ前に一歩進み、周りの視線を集めた。
「私の家であるライツブルク辺境男爵家は、貴族中立派閥に属していまして、残りの3人の内ギレンジアは平民派閥に属し、もう1人のイエラフェルは神殿派閥に属し、最後の1人シンフィリスは錬金派閥と平民派閥の両方に属しています」
更にあっさりと自分の所属する派閥を明かしたセルディさん。
話はそれだけで終わらなくて、幻獣の守護者のこの場に居ない面々の所属先まで、簡単に明かしちゃったよ。
その中で一番注目したのが、私のお姉ちゃんのシフィ姉ちゃんで、平民派閥にも属してることには、もう、ビックリ仰天の助さんで、この暴露した告白から推し量ると、1年前にエディお父さんと再婚したクリスお母さんも平民派閥の回し者の可能性が、限りなく濃厚になってきたけど、どうすんのよ。
本宅で毎日顔を合せてるのに、これからどういう表情で顔を合わせなきゃいけないの?
クリスお母さんの、あのゆったりとしたふわふわした雰囲気も、あれも全部演技だったの?
エディお父さんは、そのことを知ってて再婚したのかな?
知らなかったらどうしよう?
正に家庭内修羅場戦争の
はー、なんだか暫く本宅に近寄らない方が、身の為のような気がしてきたよ。
そしたらさ、これからの毎日の朝と夜のご飯の支度は、誰がしてくれるんだろう?
いつもは、本宅でご飯を食べてるから、こういう時に困るんだよ。
私はか弱い純粋な乙女だから、料理はまだ一度もしたことない箱入り娘だし....。
錬金術で刃物は使うけど、料理の包丁は、握ったことないもん。
そうなると、仕様が無いから、精霊達のいる工房町の食堂酒場で、
まてよ....そうだ!!
確かまだ倉庫に、予備の
あれがあれば、食材を鍋にぶち込むだけで、10分後には美味しい煮込みス─プが作れるもん。
あれがあるから、料理も多分、楽々ちんだよ。
よーし、今日は美味しい1人鍋だよ。
帰りに食材買って帰ろーっと!!
あれっ何故か凄く悲しくなってきたけど、なんでだろ?シクシク
私のそんな苦しい胸の内を笑い飛ばすかのようにコスタおじちゃんが笑い声を上げた。
「はっはっはっ君達に手をだしたら、少なくても5つの派閥から命を狙われることになるわけだな」
そして、選択を間違えたら有り得た未来を予想して、自分の
だけど、その会話は正常な関係に戻っても、ラスレちゃんに話の主導権を全て握らせたくなかったコスタおじちゃんが、笑顔と笑い声を合わせた軽い脅迫を込めた会話で、何とか場の主導権を握ろうとしているように、私には感じとれた。
まあ、私はコスタおじちゃんが、嬉しそうにしてるから、それは何よりだと思うけど。
まあ、良かったっCHU♡!!まあ、安心したっCHU♡!!
オエッ!☆・*:.゜∵。ゲホッ!☆・*:.゜∵。
でもさ、私の方はお腹がいっぱいいっぱいで入らないし、もう受け付けられないよ。
シフィ姉ちゃんの深層思考を覗き見て、シフィ姉ちゃんのやらかした内容を探ろうとしたら、なんで、私の周辺の暴露話や、家庭環境の暴露話になるのよ。
私のお兄ちゃん達、レオランゼル兄さん、ルーサレスト兄さん、カシルミスト兄さんの3人も全く本宅に寄り付かなくなって、自分の工房の館に閉じこもるのも、これがもしかしたら原因の1つに含まれるのかもしんないね。
まあ、この件が無くても、私と3人のお兄ちゃんとの溝は深かったから、今更かもしんないけど──
そんな私の気苦労は、記憶映像の中のラスレちゃんには、伝わらない。
その、コスタおじちゃんの話を聞き終えたラスレちゃんは、譜と仮面が
「はい、現状では、その可能性はかなり高いですので、そうなさらない様にお願いします」
そして、その幸福絶頂の仮面を顔に貼り付けたまま、念を押すように語りかけた。
「──わかっている」
「そう言えば、交渉者の話の説明はどうするかね。先程の話しで後で説明すると言っていたが、ラスレシア嬢の説明を聞くと益々交渉者の役割が重要になるのではないかね」
話の主導権を握りたそうな交渉下手のコスタおじちゃんは、ラスレちゃんの提案の粗探しをして、自分の得点を上げようと声を上げて尋ねた。
だけど、コスタおじちゃんは得点は、私の中では既にマイナスだから、今更頑張るように努力しても、もう遅すぎなんだけど....。
「はい、そうです」
「その交渉者に関しては、3つ目の提案内容に含まれています。それを踏まえて、次の3つ目の提案をお話します」
ラスレちゃんは、そんなコスタおじちゃんの思惑など、全く考慮にいれていないように、素直に受け答えしている。
どうもラスレちゃんは、コスタおじちゃんに本当に手を差し伸べるようだね。
お貴族様の策謀は、私の興味範囲外だから、どんな利益がラスレちゃんにあるのか、わからないけど、次の提案で大体の企みは、見えてくるだろうね。
まあ、欲しいものは、この
グランさんが欲しいのはもう丸分かりだけど、もれなくあの純粋
私なら1度立ち止まり慎重に振り返ると思うけど、恋の大爆発中のラスレちゃんにはそんな思考能力が残されてるかが、多いに疑問に感じちゃう。
鬼畜なラスレちゃんが恋する乙女に変身してるのも、何となく微笑ましいから事の
まだまだ色々私の隠し事してそうなラスレちゃんだけど、仲よし子よしだから、最後まで応援するよ。
そんなラスレちゃんの前に立ち塞がる、脳筋筋肉んのコスタおじちゃんも大分話が通じるように変化してきて、前から比べると目付きも大分落ち着いて見えてるけど、そのおじちゃんが、ラスレちゃんに話しかけている。
「よし、わかった」
「それではそろそろ、その3つ目の提案の話とやらも、聞かせてくれないかね」
コスタおじちゃんは、仏頂面で次の提案を説明するように促していた。
どうも、コスタおじちゃんには、全然ラスレちゃんの思惑が伝わってないみたい。
脳筋筋肉んだから、仕様がないのかもね。
「はい、わかりました」
「──ですが、その3つ目の説明をする前に、舞台の趣向を少し変更したいのですが、構わないでしょうか?」
あれっラスレちゃんがちょっと変わった事を言い出したけど、何する気だろう?
「ほー何か面白い趣向があるのかね」
「面白そうだ」
「──いいだろう。やってみるがいい」
なんだかコスタおじちゃんも、妙に乗り気に話してたけど、いままでの
「ありがとうございます」
「──アルテちゃん、準備はできてるかな?」
「私が例の合図をしたら、お願いね」
コスタおじちゃんの了承を無事得られたラスレちゃんは、はち切れんばかりの笑顔でお礼を述べると、誰もいない天井に視線を向けて、元気よく話しかけた。
『大丈夫つえー了解つえー!!』
『いつでも用意出来てるつえよー』
ラスレちゃんの声音に反応して、誰も居ない筈の天井部から
あーなんだ。
多分その隠れてる天井部で、
取り敢えず、
この神秘の杖の
──それはずばり、成長し思考する杖。
その
実は前にラスレちゃんから魔術の杖が、ラスレちゃんの魔力容量に耐えられずに直ぐに壊れるから、何とか知恵を貸して欲しいって、相談を受けてたんだ。
それなら、もうすぐあるラスレちゃんの誕生日のプレゼントとして、ちょうどいいなと考えちゃって、アヴィちゃん特戦工房隊とマリティカ様を巻き込み、みんなの技術と錬金術を駆使して作った自慢の杖なんだよ。
因みにマリティカ様が手伝う代わりに要求された内容は、手から聖水が出続ける魔導型マリティカ神像、合計50体を1体づつ各神殿に奉納しろってさ。
色々思う所はあったけど、仲よし子よしのラスレちゃんの為だから、勿論叶えたよ。
おっと、コスタおじちゃんが、なんだかオロオロしだしたよ。
「──ラスレ嬢!!今何も無い天井付近から声が聞こえたんだが.....」
疑問に思う発言を即座に投げ掛けたコスタおじちゃんは、すぐに剣を抜けるように魔導剣に手を添えて、洞窟天井部に顔と視線を向けて、キョロキョロと天井周辺部を見渡していた。
だけど、コスタおじちゃんの両目で見渡しても何も見つけられない。
グランさんも同じく天井部分を目線で捜索してるけど、発見出来ていない。
2人の戦いを見た感じだと、多分高いレベルの捜索系のスキルも持ってそうだけど、それでも見つけるのが、困難みたいだね。
幻獣の守護者の面々は、落ち着いてるけど、他の騎士達は、みんな武器を手に持ち、どこから来るかもわからない奇襲に備えて、訓練された素早い練度で陣形を組んで備えてるね。
でもその備えじゃ、今から起こる恋の奇襲は防げないよ。
そんな騎士小隊の動きを見守るラスレちゃんは、コスタおじちゃんに説明しようと、機会をうかがい見据えている。
「はい、そうです」
「まず先に言いますが、私達には、皆さんを攻撃する意図は全くありません」
「これは、私の本気度を理解してもらう上で重要な仕掛けなんです」
「今の現象に関しても3つ目の提案時に詳しく説明しますので、今暫くお待ちください」
あーあ、私にはラスレちゃんが何をしたいのか、明確にわかっちゃったもんね。
でもさ、この場にいるみんなには、ある意味、刺激が強いと思うよ。
だって、みんなは、今洞窟内のトラップ広場で寛いでるんだよ。
そんなところでする行為じゃないと思うけど、恋愛特攻隊に入隊志願しちゃったラスレちゃんには、この私の思いは、きっと間違いなく伝わらないだろうな。
「うむ、説明してくれるなら、文句はないが....」
「──我らには、危険はないのだろうな?」
コスタおじちゃんが、怖い蛸目をギョロリとラスレちゃんに向けて、仕掛けの真意を問いかけた。
「はい、全くありません」
「寧ろこの仕掛けは皆さんの疲労も回復させる仕掛けも施してありますのでご安心下さい」
「それでは、3つ目の提案を話しますので、最後ですので、しっかりお聞きください」
コスタおじちゃんの問いかけに、明確な回答は伝えないみたいだけど、その仕掛けは、みんなの為になる仕掛けだと説明してるけど、それで納得できるのかな?
ちょっと苦しい言い訳だけど、コスタおじちゃんは、どう反応するかな?
「わかった。君の本気度も見せると言うなら、それもしっかり見せてもらおう」
「それに、私の製作者の御人を士官させる一番の望みは、君の話を聞く限りでは、ほぼ不可能に聞こえたが、君の提案は私の望みと同等以上の価値があるのだろう」
「ならば最後まで、しっかり聞いてやろう!!」
コスタおじちゃんは、顔を上に見上げ少し遠い目をしたが、直ぐに切り替え自分の感想を話し、
あれっあっさり認めちゃったよ。
今までのゴネ具合だったら、この場面でも確実に、かなりごねてた筈なのに、これが関係改善の効果なのかもしれないね。
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