第26話 シフィ姉ちゃんの深層思考の考察⑩

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「今しがたの私の姿は、君達には、恐怖の大王のように映ったかもしれん」

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 否、違うよ、コスタおじちゃん。


 私には、恐怖のエロエロだこ魔王に映ったもん。


 あらゆる意味で危険な存在で、乙女の敵だから、もう容赦しないよ。


 そんなコスタおじちゃんは、自分を少しでも正当化し非難の矛先を逃れようと、仕様も無い言い訳を話し始めようとしていた。


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「まあ、君達には、私の素顔を散々晒したから、今更だが、私は自分より幼き者等に進言されるのが、堪らなく嫌なのだよ」

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 そう、言い終わると、コスタおじちゃんは、身振り手振りと表情で本当に心底嫌そうな態度をラスレちゃんの前に晒す。


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「そこにいるグランドや、長男や次男にも、毎日ボロボロにやりこまれていてな」

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 心底苦手で嫌そうな視線をグランさんに指し示しつつ、自己弁護をしているコスタおじちゃんだけど、その言い分には、グランさんもかなり不満があるようで、発言の直後に反論を開始しようと臨戦体制に入るグランさん。


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「父上、自分がした行動の言い訳に、家臣を巻き込まないでください」

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 グランさんの言葉の第1主砲が瞬時に発射され、攻撃目標に着弾した。


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「うぐっ」

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 その攻撃対象となったコスタおじちゃんは、被弾してブルブル震えた。


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「今回の行軍の詳細は、領地にいるベラモルグ兄さんと、ドリアスタ兄さんに全て包み隠さず報告するよう命令を受けているのですよ、父上」

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 グランさんの言葉の第2主砲が瞬時に発射され、またも攻撃目標に着弾した。


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「うぐっ」

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 その攻撃対象となったコスタおじちゃんは、被弾してブルブル震え、全ての殺気が消え失せた。


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「ですから、領地に帰還した暁には、2人の容赦無い諫言かんげんが父上に降り懸かることになるでしょう」

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 グランさんの言葉の第3主砲が瞬時に発射され、見事に攻撃目標に直撃した。


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「うぐっ」

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 その攻撃対象となったコスタおじちゃんは、被弾してブルブル震え、だこの表情がどんどん青くなっていく。


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「その2人が妥当と判断するように考慮こうりょした、罪をつぐなう上で必要不可欠な処罰案を、今からでも思案するよう父上に進言しておきます」

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 グランさんの言葉の第4主砲が瞬時に発射され、正確に攻撃目標に直撃した。


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「うぐっ」

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 その攻撃対象となったコスタおじちゃんは、被弾してブルブル震え、足元が覚束おぼつかなくなる。


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「そして、父上には、もはや反省では全く足りないため、猛省もうせいするように進言します」

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 グランさんの言葉の第5主砲が瞬時に発射され、攻撃目標の急所に直撃した。


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「うぐぐぐっ」

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 その攻撃対象となったコスタおじちゃんは、被弾してブルブル震え、膝をつき、項垂うなだれた。


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 そんなおじちゃんは、項垂れて苦しそうな表情を浮かべていたけど、10秒程時間が経つと、苦しそうな表情を止めて真顔に戻り、直ぐにケロンとして態度で、何事も無かったかのように、素早く立ち上がる。


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 そして、ほんのちょっと前の行動が、全てお芝居だと見違える程に素早く立ち直った姿勢をとるコスタおじちゃん。


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 その当の本人は、何も問題無い、自分も被害者だから関係ありません的な態度で、また自己弁護をし始めようとしている。


 いやいや、ちょっと待ちなさいよ――。


 それは、ちょっと、どうなのよ――。


 おじちゃん、絶対全然少しも反省してないよ。見え見えのお芝居じゃん。


 これが、今までの経験から学んだ出世術だろうけど、毎回そんなお芝居を見せられる方が、たまらないよ。


 私のそんなわめき散らした抗議の言葉も勿論届かないので、そのままコスタおじちゃんは、素知らぬ顔で話し出す。


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「今のように、若い者等の進言や諫言を聞くだけで、恐怖で身体が強張ってしまってな、そんな自分自身が情けなく思え、ホトホト嫌気が指してしまうのだ」

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 その言葉を話し終えるとコスタおじちゃんは、後悔の念を示しつつ、深く息をすーと肺の奥まで吸い込む。


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「ふ――ーは――――」

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 そして、肺の奥まで吸い込んだ息を、自身の後悔を吐き捨てるように、困った表情を浮かべたまま、深くため息を吐いた。


 深くため息を吐いた周辺一帯には、強烈な加齢臭を飛び散ってしまう。


 そして、その強烈な加齢臭を、拡散させずに封じ込めようと頑張る恋の模様恋のハートマークの軍勢が、悲痛な戦いに身を投じていく幻想光景が、私の見ている視界に映り込む。


 私は、恋の模様恋のハートマークさん達のお仕事も大変そうだなと思い、その現場に私がいなくてよかったとしみじみ思い感じて、私は安心のため息をつきたくなったから、ついちゃおう。


 ほ――――っ良かった!!良かった!!


 もし学校に行ってたら、ここに私が居たかもしんない。


 サラには、感謝感激雨あられで本当に感謝だよ。


 そうだ、今度サラちゃん感謝祭を開いてあげよう。そうしよう。


 私がそんな計画を立てている中でも、コスタおじちゃんの言い訳解説説明会が今も進行していく。


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「そこへ、更に幼い君からも私の要望を無視する提案をされて、つい気持ちが高ぶったという訳だ」

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 自分の偽りない姿を、晒したコスタおじちゃんは、少しおちゃらけたような動作をして、場の緊張を和らげようとしてくれた。


 でも、今更そんな態度をしても、もう遅い。


 私のコスタおじちゃんの分析は完了したよ。


 やっぱり、私の睨んだ通り、脳筋筋肉んのコスタおじちゃんは、シフィ姉ちゃんの同類で同じ種族だよ。


 同じ種族同士だから、間違いなく気が合うと今確信できた。


 こうなったら、2人の幸せの為に、私がちゃんとしっかりエロチビデブ王族に謝るから、コスタおじちゃんはシフィ姉ちゃんと結婚して、純粋な脳筋種の子孫を残してちょうだい。


 コスタおじちゃんとシフィ姉ちゃんとで、毎日脳筋筋肉言語で会話してたら、幸せな家庭になるよ。


 きっと!!多分!!もしかして??


 そして、そんな脳筋筋肉んのコスタおじちゃんと私は、相性最悪だから、もう絶対会わないから。


 あったら多分、あった瞬間にコスタおじちゃんを消滅させちゃうかもしんない。


 私の仲よし子よしのラスレちゃんに剣を向けようとしたから、もうその時点でアウトだもんね。


 だから、覚悟しなさいよ。コスタおじちゃん!!


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「今し方の私の発言は、流石に言い過ぎだった」

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 反省しているように装いつつ、自分の非を認めて、なんとか火消しを図りたい様子のコスタおじちゃんだけど、今更、謝っても、もう無理でした。


 終わり!!終了!!さようなら!!


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「次からは、何とか抑えるように努力しよう」

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 勝手に努力してください。


 そんなの、私は........


 見ない!!知らない!!関係ないもん!!


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「そして、先程の発言を全て撤回して、君に謝ろう」

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 ん――ん、お貴族様が素直に謝る発言をするなんて、ちょっと変!!


 お貴族様は、プライドの塊ってオロおじちゃんから、教わったのに??


 あれれのれー!えへへのへー!


 やっぱり、かなり変テコ貴族のコスタおじちゃん。


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「済まなかった。許して欲しい」

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 謝罪の意を示す為にコスタおじちゃんがとった行動は、魔導騎士剣を鞘にいれた状態で、刃の部分を地面に着けて、正面中心に来るように両手で支えて、姿勢を正して頭を下げる、騎士達がたまにする格式張った姿勢で謝罪をしてる。


 ありゃりゃりゃりゃ~~本当に正式な様式で謝るんだ?!


 貴族は、滅多に自分の非は認めないし謝らないってオロおじちゃんから教えてもらったけど、コスタおじちゃんは、普通に謝るんだ。ふ――ん。


 でもさーお貴族様って謝罪1つ取っても、格式張った方法で超面倒臭そう。


 やっぱりえエロチビデブ王族から、貴族になる提案を、お断りしておいて良かった。私グッジョブ!!


 その謝罪をしっかり見届けたラスレちゃんは、幸福絶頂の天使の微笑を浮かべ、コスタおじちゃんに声を掛けようとしている。


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「謝罪を受け入れます。コスタドル様」

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 緑色のスケスケ魔術師衣装を重ね着したラスレちゃんは、軽く魔道士衣装のスカートを持ち上げて片足を斜め後ろの内側に引いて、もう片方の足の膝を軽く曲げて、背筋は伸ばしたまま軽く頭を下げる、格式ばった貴族令嬢が挨拶などでよく見せる仕草で謝罪を受け入れてた。

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