第27話 シフィ姉ちゃんの深層思考の考察⑪

 ラスレちゃんの真横に騎士の警備時の佇まいでいるセルディさんは、言葉を発せずに、ほとんどコスタおじちゃんと同じ構えなんだけど、刃の部分を天に向けて、姿勢を正して頭を下げている。


 さっきまでは、全くしてなかったけど、その行為をしなきゃいけないほど、険悪だったってことだろうね。


 きっと、多分、間違いなくそうでしょう。


 普通は、自分より格上の貴族の令嬢を力でおどすなんて、そんな馬鹿なことしないでしょう。


 やっぱり正真正銘の超純粋な脳筋馬鹿だと判明しちゃった。


 周りは、本当にいい迷惑だよ。


 は~~、ひ~~、ふう~~ってため息ついちゃうよ。


 その、いつもいい迷惑をこうむるお仕事で、大変苦慮くりょしてそうなグランさんは、自身の背後に佇むラスレちゃんを振り返り見るような仕草を見せる。


 ゜*。。゜゜*。。゜。゜


 そして、ラスレちゃんには、白い歯をこぼしてカッコイイ笑顔を見せてやり、自分も彼女の幸福絶頂の天使の眼差しと天使の微笑を見届け満足し、再び巨悪の権化ごんげのコスタおじちゃんに視線を移しにらみつけた。


 ゜*。。゜゜*。。゜。゜

「済まない、ラスレシア様、必ず貴女を守るから、安心してくれ」

 ゜*。。゜゜*。。゜。゜


 グランさんは、剣の柄を強く握り締めていて、その剣の刃は床面に向けているけど、視線はコスタおじちゃんをにらめつけるように固定したまま、聖女様役のラスレちゃんが好きそうなきらめく言葉を投げ掛けた。


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 その悠然ゆうぜんとした姿は、ラスレちゃんを悪の権化から守りぬく歴戦の勇者のように見えた。


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 確かに、こんな場面なら、胸キュンしちゃうのも、わからないではないよ。


 あーあ、私にも早く勇者ゼルラージュ様が現れないかな?


 メグフェリーゼ様にこの前尋ねても、上手くはぐらかされて、教えてくれなかったもん。


「もう少ししたら、会えるから、それまでしっかり女を磨きなさい」


 そんな、お言葉をちょうだいしたけど......


 女を磨くってお風呂でゴシゴシ磨くことなのかな?


 何処を磨けばいいのかな?やっぱあそこかな?


 私のあそこは、毎朝、洪水注意報発令中だから、まずは、そこをなんとかしなきゃね。


 でも本当にあそこでいいのか、良くわかんないよ。そうだ!!


 今度、学校に通う女子のお仲間達にどうすればいいのか、聞いてみよう。そうしよう。


 勇者グランさんに、見蕩みとれてるラスレちゃんは、お顔を桃色に染めてモジモジしてる。


 ゜*。。゜゜*。。゜。゜

「はい、宜しくお願いします。グラン様」

 ゜*。。゜゜*。。゜。゜


 なんだか、その様子を見つめてると、グランさんのカッコイイ笑顔に見初め、両目の瞳がキラキラしてるし、心と身体を桃色に染め上げてて、大満足な様子だね。


 そうした自分の思いを届けようと、ラスレちゃんはちょっと変わった仕草をしてる。


 自分の瞳から純粋な乙女しか見えない赤い恋愛光線を放ち、グレンさんの背中に運命の赤い糸を付けようとしてるけど.....その行為が成功したのかな??


 交渉の場なのに、そんなの関係ないもんと、両手でガードの姿勢を作り、両手を上下に軽く動かして、よし!の仕草に差し替えちゃった。


 ゜*。。゜゜*。。゜。゜


 ゜*。。゜゜*。。゜。゜


 ゜*。。゜゜*。。゜。゜


 ゜*。。゜゜*。。゜。゜


 無事、成功したみたい。良かったね、ラスレちゃん。


 これで、2人は、結ばれる運命に突入よと、恋愛美少女戦士ラスレちゃんは、ふんすふんすを鼻息を放ち、更に気合を入れて、交渉の戦いに身を投じていくであった。

 つづく


 ゜*。。゜゜*。。゜。゜


 そんな、ラスレちゃんの身体からは、恋の模様恋のハートマークが次々に飛び出してきては、空中に軽やかに舞う風景が私の視界に映りこむ。


 ゜*。。゜゜*。。゜。゜


 その恋の模様恋のハートマークは、星の数ほど空中にただよい、軽やかな恋の流星ダンスを踊るように空中を飛び跳ねていて、ラスレちゃんの幸福絶頂のオーラに触発されて、全ての恋の模様恋のハートマークがキラキラ輝いて映り、周りの夕日のような風景に赤色と桃色の輝きが大広間の空間全てを覆い尽くして、満点の夜空よりも美しい光景が辺りを包んでいるように、純粋な乙女の私には、そう輝き煌めいて、そしてときめいて見えちゃうんだよね。


 ゜*。。゜゜*。。゜。゜


 私には、ラスレちゃんの心の風景が、そのままこの空間に現れているみたいに感じとれて、そのうっとりするような光の幻想光飾イルミネーションに、心酔したように心を奪われて、何時までも、見続けて見守りたいと感じられたよ。


 私もそんな、幻想的な空間が作れるだけの恋がしたいよ。


 う――ん。恋よ、恋!!恋!!WELCOME!!


 ゜*。。゜゜*。。゜。゜


 ラスレちゃんの思いの幻想で彩られた空間は、本当に素敵な空間!!


 ゜*。。゜゜*。。゜。゜


 空間が桃色のピカピカ煌く光と赤色のピカピカ煌く光が相成あいなって恋の光があふれてる。


 ゜*。ちゃ。゜゜*。。゜。゜


 こんなに想ってたんだね。グランさんのこと。


 ゜*。。゜゜*。。゜。゜


 ゜*。。゜゜*。。゜。゜


 あの鬼畜なラスレちゃんと同じ人物が放つ光とは、到底思えないほどの純粋な光の幻想光飾イルミネーションだから、ちょっとビックリしちゃった。


 ゜*。。゜゜*。。゜。゜


 学校に通う女子のお仲間達からは、「恋は爆発よ」と教えてもらっていたけど、その意味が今までよくわからなかったんだ。


 でも、今のラスレちゃんを見ると、まさに爆発してるから、やっぱり、恋は爆発で正しかったよ。


 ゜*。。゜゜*。。゜。゜


 ゜*。。゜゜*。。゜。゜


 て言うか、もう大爆発しちゃってるしね。この状況は.....


 これは、私が思考の海の中で考え事してた間に、この恋愛犯行現場では、恋が燃焼して大爆発を引き起こす引き金になった、恋愛盗難事件が発生してたんじゃないかな?


 そして、私はまた大事な恋愛犯行現場を見逃してたようね。


 多分、きっと、間違いなくね。


 ゜*。。゜゜*。。゜。゜


 こんなに素敵な幻想風景なのに、無垢な心を無くしたコスタおじちゃんには、勿論全く見えないようで、鞘のついた剣を左手に持ち替え、その剣をラスレちゃんに見せつけるようにフラフラと揺らしてる。


 その態度は、直立不動の姿勢を保ちつつ、先程の謝罪の件もあり、少し薄笑いをしようと口の両端を持ち上げようとしているが、全然上手くいっていない。


 渋面じゅうめんの日焼けた面構えには、気持ち悪い引きつった笑みを浮かべていて、私には、ラスレちゃんに何か良からぬことをしようと企む、がらの悪いお貴族様の役柄で演技してるように、映り込んで見えてしまう。


 ゜*。。゜゜*。。゜。゜

「ラスレシア嬢、君は私の謝罪を受け入れた。その次は、どうする?私は謝罪した立場だから、強くは言えない。このまま、君の提案とやらをそのまま続けるかね?それとも、おびえて引き下がってくれるかな?私としては、後者をお薦めし、私の要望に素直に従ってもらいたいのだか、どうするかね?ラスレシア嬢、君が選んでくれたまえ」

 ゜*。。゜゜*。。゜。゜


 そんな言葉を掛けて、どうするかラスレちゃんに判断を促したコスタおじちゃんだけど、やはり思うところがあるようで、眼光だけは全く衰えず、ラスレちゃんをその視線で凝視するように、見返していた。


 ゜*。。゜゜*。。゜。゜


 ゜*。。゜゜*。。゜。゜

「はい、コスタドル様、ご配慮頂きありがとうございます。私は前者でお願いして、最後まで提案をお話ししまして、その後の最終判断をコスタドル様に全てゆだねたいと思案しています」

 ゜*。。゜゜*。。゜。゜


 そのラスレちゃんは、コスタおじちゃんに視線を見据え、軽く魔道士衣装のスカートを持ち上げ、優雅で気品のある貴族作法で感謝の動作を軽く示して、つつしみのある言葉を返した。


 ゜*。。゜゜*。。゜。゜


 ゜*。。゜゜*。。゜。゜

「そうか、わかった。では、話を続けてくれたまえ」

 ゜*。。゜゜*。。゜。゜


 その言葉を受け取ったコスタおじちゃんは、同じ過ちを犯さないよう感情を抑えて、更に簡潔な言葉を返した。


 ゜*。。゜゜*。。゜。゜


 ゜*。。゜きゅ゜*。。゜。゜

「はい、ありがとうございます。その前に私の思いをお互いに共有させてから、話を進めた方がわだかまりも解消でき、スムーズに聞いてもらえるのではと思いまして、少し私の思いをお話しさせてください。私はコスタドル様の提案をことごとく退けたのは、つい少し前の出来事ですから、勿論覚えています。コスタドル様の怒りをかうような発言を何度もしたのも、覚えています。その上で、更にご不快にさせるこの提案をするのは、正直に言いますと大変心苦しい思いではあるのです」

 ゜*。。゜゜*。。゜。゜


 コスタおじちゃんの鋭い眼光にも負けずに見つめ返し、ラスレちゃんは、力ではなく言葉でおじちゃんと対峙しようとしていた。


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 ゜*。。゜゜*。。゜。゜

「ですが、3つの提案を最後までお聞きになれば、必ずコスタドルの要望と同等以上の価値があると、私はそう信じています」

 ゜*。。゜゜*。。゜。゜


 両者の視線の中間地点で火花が散るのも気にせずに、コスタおじちゃんの視線を真正面から受け止め、自分の提案を最後まで聞くように強く訴えかけてた。


 ゜*。。゜゜*。。゜。゜


 そんなラスレちゃんの発する言葉に執念を感じてしまうのは、私だけだろうか?


 ゜*。。゜゜*。。゜。゜


 かなり、恋の執念にのめり込んでいるように、映っちゃう。


 ゜*。。゜゜*。。゜。゜


 まあ、ラスレちゃんが、ここまで頑張っているんだし、私は最後まで見届けてあげるよ。


 ゜*。。゜゜*。。゜。゜


 頑張れ、ラスレちゃん。エロエロ蛸足たこあし触手しょくしゅだこ魔王に負けないで!!


 エロエロ触手なんか、全部引きちぎっちゃおう。


 ついでに、カツラみたいなその短い髪も全部抜いちゃえば、本当のタコに進化できて本人も喜ぶだろう。


 多分!?きっと!?もしかして...!?


 間違ってても、別にいいでしょ。


 きっと前世は真紅の蛸だから、蛸の姿がお似合いよ。


 ゜*。。゜゜*。。゜。゜

「ほー本当かね??」

 ゜*。。゜゜*。。゜。゜


 その本物の蛸に進化したそうなコスタおじちゃんは、ラスレちゃんの真意を見定めようと、渋面の面構えを更に険しくして、その蛸目で見つめ、誰にも聞こえない小さな声で呟いた。


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「そして、全ての提案をお聞きになれば必ずコスタドル様が、この提案の隠されたに気づくことになるでしょう」

 ゜*。。゜゜*。。゜。゜


 相手を屈服させようとする鋭い威圧の視線も、なんのその、グランさんの背後で固く守られている幸せを噛み締めている幸福絶頂のラスレちゃんには、コスタおじちゃんの鋭い視線も全く気にならないみたい。


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「若輩物の戯言ざれごとと、お思いになられたままでも構いません」

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 ラスレちゃんは、幸せの天使の微笑と天使の眼差しを披露して、落ち着いた振る舞いをするのとあわせて 、真剣に自分の思いのたけを伝えようと、強く念じ言葉に思いを乗せて話しかけていた。


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「最後まで私の提案に、耳をませてお聞きになるようお願い致します」

 ゜*。。゜゜*。。゜。゜


 そう、決意の言葉を言い終わると、再び、コスタおじちゃんに天使の眼差しで見据え、スケスケ魔道士衣装のスカート部の裾を軽く両手でつまみ上げ、優雅で気品のある貴族作法で感謝の動作を軽く示して、一応の言葉の区切りを伝え、コスタおじちゃんの反応を伺う様に天使の微笑を浮かべた。

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