第14話 オロ叔父ちゃんも乱入①

 私は工房の扉を開けて、シフィ姉ちゃんが待っているであろう階段付近に、目線を合わした。


 すると、そのすぐ先の階段中程の場所で、シフィ姉ちゃんを羽交い締めにした、黒い忍者衣装に身を包んだオロ叔父ちゃんが、私に視線を合わせるようにして、その場にたたずんていた。


 その、オロ叔父ちゃんの鋭い眼光が、私に向かい、私をじっくり観察している。


 いやん!もう!そんなに見つめちゃイヤン!!駄目よ!!


 だって、怖いよ!オロ叔父ちゃん!!いつもと全然違うもん!


 いつもは、にっこり微笑んでいるんだよ。


 目しか判別できないけど、その目が全然笑っていないよ。


 黒い衣装を着たオロ叔父ちゃんは、青い瞳だけが唯一わかるけど、他は顔の輪郭りんかくもわからないように、全て黒1色で覆い尽くされてるんだよ。


 私がその姿を、オロ叔父ちゃんだと判別できたのは、サラ情報があったからだからね。


 その、サラ情報によれば、オロ叔父ちゃんは、サラの忍術の師匠で、平錬協会の闇の部隊を取り仕切る立場の責任者だという事実を、サラの自白から知ることができたよ。


 他にも、今日は、私の周囲一帯の何処かに隠れ忍んでサラと私を監視してると、サラが自白して、教えてくれたんだ。


 だけど、それが一体全体何の為に行われているのかを、サラに質問したけど、本人には、へんに関しては、知らされていなかったようなんだ。


 相変わらず、卑怯ひきょうなオロ叔父ちゃん!!プン!プン!プ─ン!!


 だから私は、サラの情報を得ても、この光景が何を意味するのか、どういう意図を持っているのか全然知らないから、何が起きているのか、本当にさっぱり意味不明でチンプンカンプン!!


 だから、今は、現実逃避げんじつとうひして頭の中でお星様がクルクルキラキラ回ってるよ。


 ☆*:.。.:.。ミ☆.。.:*☆.。.:.。.:*ミ☆

 ホント、お星様、綺麗だな─、ずっとながめていたいな─。

 ☆*:.。.:.。ミ☆.。.:*☆.。.:.。.:*ミ☆


 ☆*:.。.:.。ミ☆.。.:*☆.。.:.。.:*ミ☆

 ふ─、いやされるな─。あ─、流れ星だ─綺麗だな──。

 ☆*:.。.:.。ミ☆.。.:*☆.。.:.。.:*ミ☆


 ☆*:.。.:.。ミ☆.。.:*☆.。.:.。.:*ミ☆

 そうだ!!お星様にお願いしよう!そうしよう!!

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 神様。お願いします。私の祈りを叶えてください!!

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 ☆*:.。.:.。ミ☆.。.:*☆.。.:.。.:*ミ☆

 女神様メグフェリ─ゼ様が私の願いを叶えますように!

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 ☆*:.。.:.。ミ☆.。.:*☆.。.:.。.:*ミ☆

 私の錬金術が皆のお役に立てますように!

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 女神様メグフェリ─ゼ様のように素敵な女性になれますように!

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 ☆*:.。.:.。ミ☆.。.:*☆.。.:.。.:*ミ☆

 エロエロ女神にギャフンって言わせれますように!

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 エロエロ女神にゴメンコしてもらえますように!

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 エロエロ女神より、もっとエロエロになれますように!

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 エロエロでエロエロな人生が送れますように!

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 大勢の人から沢山貢いで貰えますように!

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 シフィ姉ちゃんが王子様と幸せに結婚できますように!

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 王子様と早く違うクラスになりますように!!

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 王子様が私に無理難題をこれ以上持ちかけませんように!!

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 ☆*:.。.:.。ミ☆.。.:*☆.。.:.。.:*ミ☆

 これ以上王族と関わり合いになりませんように!!

 ☆*:.。.:.。ミ☆.。.:*☆.。.:.。.:*ミ☆


 私が現実逃避して、空想星世界1週旅行を満喫している最中さなかでも、時間は刻刻こくこくと経過していた。


「大人しく、何も言わずに、この場から立ち去れ」

「そうするなら、お前を許し、離してやる」

「さあ、死ぬか、引くか、どちらか直ぐ選べ!!」


 このオロ叔父ちゃんの呟く声は、私には小さすぎて、声が全く届かない。


 こちらの現実世界では、オロ叔父ちゃんとシフィ姉ちゃんの争いが、お姉ちゃんが羽交はがい締めにされていても、なお、未だ続いている。


「オロジンク様、一生のお願いだ!ううっいたたぁ!」

「うぅっ見逃してくれ─この通りだ!!いた─っ!」


 シフィ姉ちゃんの必死の説得にも関わらず、無常にもオロ叔父ちゃんがシフィ姉ちゃんの腕を締め上げ、シフィ姉ちゃんの悲鳴が漏れ伝わる。


 その悲鳴と同時にシフィ姉ちゃんの手に持っていた、最後の魔導銃が床に転げ落ちるように、手からがれ落ちてしまった。


 ガチャン..ガラン..ガラン..ガラン..ガチャン


 その魔導銃は、階段から滑り落ちるように、衝撃音を上げながら、下の階に落ちていく。


 ..ガラン..ガラン..ガラン..ガチャン..カラ.カラ..カラン


 シフィ姉ちゃんが、抗あらがい必死に抵抗する際に、魔導銃を落とした衝撃音が、階段廊下に響き渡る


 私はその衝撃音で、いまそこで、何がおこっているかを、ようやく気づくことができ、慌てて現実世界便に飛び乗り、現実世界に無事に発着し帰還を果たした。


 アヴィちゃん、無事、空想星世界1週旅行を満喫して帰還しました。サ─


 通常任務に戻ります。サ─イエッサ─!!


 私が遊んでいるような思考状態で、場をなんとかなごんで見ようとしたけど、どうも無理っぽい。


 そんなに真剣にしなくてもいいじゃんと思いつつ、私は、彼等の発言を聞き逃さないように耳を澄ます。


「頼む、..オロ..ジン..クさ..ま..あっいったぁ」

「アヴィは、身命を..として..守る..うぅうっく」


 シフィ姉ちゃんのあらがい願う声が階段廊下に響き渡っていた。


 オロ叔父ちゃん、将来の王族候補に何してんのよ。私をこれ以上巻き込まないで!!


 私、後であのエロチビデブ王族に叱られるじゃないの─


 オロ叔父ちゃんは、将来の王族候補に実力行使を実行してでも、私を何かから、守ろうとしているんなら、その前に、私をエロチビデブ王族からもしっかり守ってよ─。


 後で絶対に、オロ叔父ちゃんの仕出かしたこの件を、エロチビデブ王族にちくってやるんだから!!


 オロ叔父ちゃん、やったことの責任は自分で負いなさい。


 エロチビデブ様は、かなり陰湿なんだよ。私絶対に構ってあげないからね。


 も─、これ以上将来の王族候補のシフィ姉ちゃんが、オロ叔父ちゃんに羽交い締めされ続けているのは、みすみす黙って放っておける訳がないじゃない。


 シフィ姉ちゃん緊急救助作戦開始─。いくぞ─えいえいお─!!

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