第22話復讐の話

「殺してくれなかった」

 俺は、ぼそりと呟く。

 セシルは、俺の復讐をやり遂げてくれなかった。

 無残に、俺を連れて逃げている。

 こんなことは望んでいなかった。

 セシルが死んでも、エシャを殺した人間たちを殺してほしかった。

「セシル……本気でやって」

 私は、セシルの胸倉をつかむ。

 そして、彼を地面にたたきつけた。

「お前は、自分が強いから私が強がる必要はないっていったな。なら、強がるのは止めてやる」

 セシルは、豹変した私に驚く。

「命令だ、殺せ。失敗したら、次はお前を殺してやる」

「ど……どうやって」

 セシルは、私に向かって言う。

 異世界人の自分ほうが、私よりも強いのにと。

「そんなの知るか!どんなことをしても殺してやる」

 私は、セシルに向かって叫んだ。

 そこまでしなければ、やり遂げられないと思ったのだ。

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