第3話 義務教育期間1

日本で生まれたからには当然通る道の義務教育は思い返すだけで顔がトマトになる事が多い。だがそこでのことも書き連ねる。

小学生になっても人見知りは変わらず、同じマンションのA以外は話し相手がいなかった。そもそも多くの児童が遊ぶお昼休みの時間は給食を食べていたというか泣きながら食べていた。感動の涙ではなく、辛い時の涙である。一部スパルタとはいえ親も好き嫌いが激しい家のため基本的に家族が嫌いな料理はまず出ない。つまり好きなものだけを食べてきてたわけで給食という地獄巡りをしていたのである。なんというか給食のあの言葉にできないまずさが一口食べるたびに食欲を減退させていた。しかしそこは平成初期の日本の教育現場、食べ終わるまで席を立てないのであった。何が辛いかっていえば食べることを強制されていることであり、好き嫌いという個性を矯正させられていたことが辛かった。お昼休みまで残っていたのはもちろん私一人ではないがそこに残る者は同士ではなく同じ牢に入れられた囚人といった方が正しい感じであった。

幼い頃から読書をしていたため思考力だけは並以上にあったが故にこういうことを感じていたのだろう(つい最近発見した小学生の頃の自由帳に給食の辛さについて書いてあった)。

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