第3話 夢の間に間に。

 そこには私では無い私そっくりな少女がいた。


 ああ、これは夢。


 私は夢を見ていた。


 夢だとわかる。


 これは明晰夢?


 でも、動けない。


 まるで映画を見ているかのように。


 様々な戦いの日々。


 吹き荒れる大地。


 突如として訪れる終焉。


 涙は流れていないのに、何故だろう。


 彼女が泣いている様に見えた。


〈私は自由。私は自由。自由って何?〉



 暗黒の中、彼女は永遠にも思える間、彷徨い続ける。


〈私は戦う物。でも戦わない者。私は何?〉



 突如、今まで見なかった見覚えのある星の光。


 星の中に大陸中に光が溢れている。


〈文明がある。彼処に私の存在意義はあるのか?〉



 何年も何年もその星の衛星軌道上で観測する。


 ふと気付く。


〈私じゃない私がいる。こんなことってあるんだね〉


 そう、私がいる。


「アリシアお嬢様。余り外におりますと体が冷えてしまいますよ」


「うん。でも、もう少しだけ星を見ていたいの。我儘言ってごめんなさいね。キャシー」


「仕方ありませんね。何か暖かい飲み物でもご用意いたします」


「ありがとうキャシー。大好きよ」


「……行って参ります」


「ふふ、我が儘言い過ぎて怒っちゃったかしら」


〈何だか楽しそう。もう一人のアリシア。私と同じアリシア。もっと近くで見たいな〉




 気がつくと、そこは見慣れた天井だった。


 ただ、一つ大穴が開いている事意外は。

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