第15話 お誘い
「和哉くんって休みの日や暇な時って何してるの?」
あれから俺は家でみゆの作ってくれたお昼ご飯を食べてから床に寝転びながらダラダラとスマホを触っていると洗い物をしてくれているみゆから声を掛けられた。ちなみに、今日のお昼ご飯はうどんであった。麺とか材料は全て市販のものなのに、俺が作るより遥かに美味しかった。.......なんでだ?
「何って、見ての通りだが?」
「.......まさかだとは思うけど、ずっとそうやってスマホを触ってるだけなの?」
「そんなわけないだろ? ちゃんと昼寝もするから」
「それは、ちゃんとって言わないから.......」
みゆからすごく呆れた目で見られるんだが.......。学生の休みといったらみんなこんな感じなんじゃ無いのか?
「そういうみゆは、休みの時とか何してんだ?」
「私は本を読んだり、勉強したり、散歩をしてみたり?」
「花の女子高生の休日とは思えねぇ.......」
なんかもう、下手するとおばあちゃんみたいな過ごし方じゃないかそれ?
「私からしたら周りがおかしいのだけどね。学生の本分は勉強なのに遊んでばっかり。あとで、しんどい目に合うのが自分だってなんでわかないのかな?」
「いや.......高校1年生にしてそこまで理解しているみゆみたいなやつの方が稀だと思うぞ.......。それに、気づいていたとしても今は遊びたいのが学生というものなんじゃないか?」
今どきの学生は、スタバだのタピオカだの映えだのが大好きなんじゃないのか? 知らんけど。
「和哉くんも遊びたいとか思うの?」
「思わなくも無いが、一緒に遊ぶような友達なんていないしな」
「.......和哉くんってぼっちなの?」
「いや、学校で一緒に過ごすやつはいるよ。ただ、プライベートで遊ぶことは無いな」
というより、基本的に遊ぶとなるとお金がかかるのだ。だから俺は、遊びたいとは思うがお金は使いたいとは思わないので結果、家にいることが多くなるのだ。多くなるというか、家から出ないんだが.......。
「そう。なら、私と遊ぶ?」
「へ?」
「別に嫌ならいいけど.......」
「い、いや、別に嫌って訳ではないんだが.......みゆの方こそいいのか?」
「私から提案しているんだから、当たり前でしょ?」
それもそうか.......。まじで展開が急すぎる.......。
「遊びに行くとして、どこに行くんだ?」
「.........................」
まぁ、そうだよな。みゆも俺と同じでどこかに遊びに行くなんてことはあまりしないだようし、かく言う俺も、女の子と2人で遊びに行くようなところなんて思いつくわけも無かった.......。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます