第3話 キザとやんす
「イディナ様!あの男、顎宝竜の首を持って
身体につけようとしています•••。」
「何してるのでしょうか•••私が話してきます
貴方達はここにいて下さい。」
かわいこちゃんが近づいてくる。
「自己紹介がまだでしたね、私はローゼオ•
イディナと申します、この先にあるパーリ王国で
騎士団で騎士団長をつとめています。」
ヘェ〜こんなかわいこちゃんが騎士団長てか。
「先程は疑ってしまい申し訳ありませんでした••
あの、今何をしていらっしゃるのですか•••?」
「いやね、人のペット殺っちゃったじゃん。
だからさー、首くっつけて、そしたらなんか
アンデットドラゴンとかそんなのにならないかねって。そしたらセーフじゃん?動きはするし。」
「嫌ならないですし。
なってもらっても困りますし。
やっぱ魔族ですか?敵ですか?」
「ひどいやっぱ疑ってるじゃん•••シクシク。」
「冗談はさておき。」
意外とノリはいいな!
「まさか顎宝竜を一撃とは•••。」
「エッ⁉︎ポチってそんな有名だったの?」
「そうですよ。ダイヤ、オリハルコン等、あらゆる宝石や鉱物を噛み砕くと言われている、魔物の中でも高位の存在であるドラゴンの中でもさらに上にいる存在です。」
ポチそんなに強かったのか。
そんな感じはなかったが。
「遅くなりましたが助けて頂き
ありがとうございました。
こちらも少し戸惑ってしまって•••。」
丁寧に頭下げてちゃって、別にいいのに。
「まぁ〜いいってことよ。かわいこちゃんを助けるのが俺のし•ご•と!残りのおっさん方はまぁおまけで。」
「ですが助けて頂いたのは事実ですので。
どうでしょう、お礼としては何ですが
王宮に来て頂けないでしょうか?
王様にはこちらから伝令を送っておきますので。
色々とおもてなし致します。」
かわいこちゃんもといイディナちゃんが言うなら
行きたいんだけど•••。
「ごめんね!行きたいのは山々なんだけど
そんな堅苦しそうなの苦手でさ、悪りぃけど
やめとくわ!」
「そうですか•••。貴方程の方なら王様も
大歓迎だと思いますが•••。」
なんか貴族のなんちゃらとか長ったらしい
挨拶とかありそうだし•••。
めんどくさ!
「ごめんね、俺様は自由に生きたいのよ!
昔は色々縛られていてね•••、話すことすら許されなかったからね•••。」
嘘は言ってないよね!
「そうなんですね。なにか壮絶な過去を
お持ちのようで••。
わかりました。何かありましたらいつでも
王宮にいらっしゃって下さい。歓迎致します。」
「あんがとね!またいつでもピンチの時は
呼んでくれ!イディナちゃんの為なら
喜んで飛んでくよ!」
「こちらこそ本当にありがとうございました。
ですが、この顎宝竜の死骸はどう致しましょう?
売ったり素材にしたりすることもできますが?
倒した、貴方様に権利はありますが•••?」
お金に出来るのか•••。でもな〜•••。
「あぁ〜。イディナちゃんの好きにしちゃってくださいな!持ち運ぶことは、できそうだけど
デカくて邪魔だし。」
「持ち運ぶことは出来るのですね•••。
わかりました。では私が買取という形で
いかがでしょうか?今手持ちは少ないですが
•••。」
「いいのかい?なら、遠慮なしにいいだいちゃおっかな。こっちの世界に来てから手持ちも何もないからね。」
「こっちの世界?別の国からいらっしゃったってことですかね•••。まぁ助けて頂いたのにはかわりませんか•••。」
あら?なんかイディナちゃんの歯切れが悪くなったな。
「そしたら、今手持ちにあります、
銀貨50枚•金貨10枚•白金貨2枚、をお渡し
致しましょう。」
これ一枚でいくらくらいなんかな?
わからんけどいいや。食って、寝れればいいし!
「後、魔石と牙の欠片も持って行かれてはいかがでしょうか?皆さん、すみませんが探して持って来て
頂けませんか?」
イディナちゃんが兵士達に何か探させ始めたな?
「顎宝竜からとれた牙の欠片と魔石です
こちらも売ったり、何かを作ったりと何かと
使えますので。」
魔石とかあんのか覚えとこ。
売れるのなら、そりゃいいな!
「うんじゃ、これもありがたくもらっとくよ!」
さて•••そろそろ、時間もないし。
「んじゃイディナちゃんまたね!」
「あの!最後にもう一度お名前を⁉︎」
「とりあえず頑張る、ヒーロー•イダー様だ!」
「さらばじゃ!」
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side イディナ
イダー様は空高く飛んでいかれた
浮遊魔法でも使えるのですかね?
「よかったのですかイディナ様?彼の様な
圧倒的な強さを持った方を逃がし、
手持ちのお金も全て渡してしまいましたが?」
兵士の一人が話しかけてくる。
「いいのです。あの方の格好や強さを皆が知れば
自然と居場所もわかります。それにここで無理に
誘って嫌われでもしたらそれこそ問題です。」
イダー様に敵対でもされたら問題ですまされない。
「ですが顎宝竜の魔石や、牙の破片まで渡してしまいましたが?」
「その所は大丈夫です。顔は吹き飛びましたが牙は欠けた部分以外は丸々残っています。それに、
身体の素材だけでも充分なくらいです。これで我が国の力も大幅にアップすることでしょう。」
これで、魔族討伐が楽になり
他国に差をつけれればいいのですが•••。
「問題は顎宝竜の牙です。加工はまず無理でしょう。たぶん世界最高峰の固さ。まぁそれを破壊する、イダー様はどれだけ固いのか•••。使い道は後から考えてましょう。」
彼を引き込めればよいが他国から来たみたいですし
素性もよくわからない、行動からして中立の立場
みたいですが。
「ですがあの強さは凄まじかったですね。あの方なら、本当に魔王を倒し、最高のヒーローになって
くれるかもしれませんね。」
そしたらこの世界も少しはましになるかも
しれませんね•••。
「イディナ様、ボーっとしていますが
まさかあの方に惚れてしまったのですか?」
「いや、あの格好と動きは生理的に無理!!」
「ですよね。」
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「ちょいとこのあたりをひとっ走りしとくか
もうすぐやばそうだからな!」
何かっていうと、勝利ちゃんの意識が
戻ってきそうな感覚なんだよね
その前に•••色々やっちゃえ!!!
何かあそこの平原あたりが騒がしいな?
「行ってみよ!」
ひとっ飛びしてみたが、なんかキザったらしく
貴族みたいな格好した、顔が不細工な奴と、
フードをかぶり、可愛らしい顔だが
ちょいと見窄らしく、喋り方が変な男二人組
がいる。
なんか、さっきのトカゲちゃんまでとは、いかないがちょいとでかい牛に襲われてるし。
「ガースの兄貴!!ヤバイっすよ!!
めっちゃ追ってくるでやんす!!」
「ふむ、このあたりの主である
エレファントバッファローがこんな
所にいるとは驚きだな。普段はもう少し
先の方にいるのだがね。ケーツよ、煙幕魔法を。」
「さっきゴブリンの大群から逃げる時に
魔力使い果たしたでやんすよ!ガースの兄貴は⁉︎」
「ふむ•••私もだ。」
「格好つけてる場合でやんすか⁉︎
誰か助けて〜〜〜〜!!死ぬでやんす〜〜!!」
二人で何コントしてんのかね。
仕方ない•••あいつうまそうだし
助けてやりましょか。
「イダ〜〜〜〜〜ヒップドロップ!!!」
さっきのトカゲちゃんをふまえ
超手加減バージョン!
「ギュモモ!!!!••••モ」
ヤバ!!超手加減したのに牛のやつ
変な声だしながら本のように折れ曲がりやがった。
サーロインとバラ大丈夫かな•••⁉︎
「助かったでやんすか⁉︎よかったでやんす〜!
ガースの兄貴大丈夫でやんすか?」
「僕は助かるのはわかっていたよ。神に愛されてるからね。」
「まぁ、いつも運だけはいいやんすからね。
でも本当よかったでやんす!ガースの兄貴!
あの人が助けてくれたでやんすよ!
格好は悪いでやんすけど。」
なんかいったかな、このやんす野郎は
俺様の魅力に気付かないとは、
目が悪いのかもね。
「助けていただきありがとうございやした、
あっしの名前はケーツでやんす。こっちは
俺の兄貴分、ガースの兄貴でやんす。」
「おいら達二人は
なんだなんだその長ったらしい説明は
結局ヒーローなのかヒーローじゃないのか
わからんね!
しまった、俺様としたことがつっこんでしまった。
「まぁ、無事でなりよりだ。その牛が旨そう
だったので倒しただけさ。」
「まぁ、エレファントバッファローは高級食材で
やんすからね!でもすごいでやんすね!!
このあたりの主であるエレファントバッファローを
一撃で倒すなんて!普通は数人で倒すでやんすよ
あんさんも輝星のヒーローに憧れてヒーローを始めた人でやんすか?」
「違う、とりあえず頑張るヒーローイダー様だ!
てか輝星のヒーローて誰?」
「知らないんすか!!!ヤバイヤバイ!」
やんすが抜けてるよ!!
ダメだ俺様こいつらなんか苦手•••。
「輝星のヒーローは世界に数人しかいない
女神様から選ばれたといわれている
ヒーローでやんす。色々に輝く星が落ちて
来た時に女神から魔族討伐をお願いされたと
言われているでやんす。」
なんか聞いた話しだな?
大切なことを忘れてるような•••。
ま、いっか!
時間もないし、こいつらにかまってる暇も
ねーな!!
「ありがとうな、ヤンス君!
なんかいいこと聞いた気がするぜ!
そろそろ俺様、行く!帰りは気をつけろよ!
あ、この牛は貰っていくな!」
「ケーツでやんすよ!!!
どーぞ、エレファントバッファローはイダー様が
倒したものなので、好きにして下さいでやんす
ありがとうございやんした!おたっしゃでやんす!!」
「さらばだ!!」
かっこいいポーズ決まった!!!
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side ケーツ
すごいでやんす!!イダー様は
エレファントバッファローを抱えたまま
あんな高く飛ぶことができるでやんすね!
最後のポーズはクソださかったでやんすけど!
それにしても•••。
「ガースの兄貴!イダー様に一言も
お礼言ってないでやんすし、話してもいないで
やんすか!」
イダー様を見て固まってやんして。
「ケーツよ、さっきのは誰だ⁉︎」
「だからイダー様って言ってた
じゃないでやんすか。」
何を言ってるでやんすか、ガースの兄貴は。
「か、か•••。」
「か、か?なんでやんすか?」
「かっこよすぎるぞ!!!!ケーツよ!!
私はあの方について行く!!探しに行こう!!」
「ヤバイヤバイ。」
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