第12話 鑑定の儀2

奥の方から見た目から兵士と見られる男の人が走ってきた。

「クリフ様どうされましたか。」

「この者たちを殺せ!この俺を斬ろうとしたんだぞ!」

 ヘレンが前に出ようとするので俺は手で抑える。

 その様子を見てその護衛が話しかけてくる。

「私はクロード領、都市ターロを治めていらっしゃいますアボ様から第2騎士爵を叙爵しておりますマクス=バーナと申します。どのような状況なのかお教え願います。」

 と言いつつ、殺気を向ける。

「私は、ヘレン申します。ここは教会内であり、基本的に権力の届かない場であります。また、クリフ様が、俺は男爵の子供だと横暴な態度を取りましたのでこちらは適する行動をとったつもりです。」

「俺は将来男爵となる男だ。お前達みたいな平民が…」

 ヘレンが何か言おうとするが俺は口を挟む。

「アボ様の子供だろうが今はあなたも平民なのは変わりないのでは?」

「一緒のわけないだろう!貴族の方が偉いに決まってるんだろ!」

「そうですか。では、私はグラン=クロードが息子シード=クロードです。」

「なっ。」 

「い、命だけはお助け下さい。」

 と護衛の人が命乞いをする。

「僕自身からは今のところ何もする気はないよ。けど、お父様には報告するから。」

「はい!クリフ様行きましょう。」

 と腕を持って半分引きずりながら連れていく。教会内は権力が届かないとはいえ、あの状況ではどうすることも出来ず名乗った。名乗り方は、書斎にあった物語を参考にした。得意げな顔をヘレンがしていたので俺は

「ヘレンさん、僕は報告するの面倒だからよろしくね。」

「えっ、分かりました。」

 押し付けられたのがわかったんだろう。少し気落ちしている。

 

「では、鑑定の儀をはじめます。この鑑定の儀では、何人かの神官が、皆様をこの魔道具を使って回ります。その魔道具からは紙が出てきますのでそれを渡します。そこに情報が書いてありますので、ご確認ください。では、はじめます。」

 それから数十分後、俺のもとには、1枚の紙が、あった。

 

 その紙には、このように書かれていた。【剣の才能】【召喚使役】と。

 

 ヘレンは帰宅後、まずミラに起きたことを報告していた。ミラからは私がグランに伝えるから大丈夫といい、お疲れ様と声をかけられた。少し怖かった。

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