第11話 鑑定の儀1
3歳になった。今日は鑑定の儀である。3歳になった全ての子供は各町にある教会にて鑑定の儀を受ける。1ヶ月に1回だけあり、その月に3歳となる人が同じ場所で受けるのである。
「シード、行くぞ。」
グランの声だ。
「はい。」
「同じくらいの子供が集まるから身分差とか気にせずに友達作ってこいよ。」
「グラン、一応ヘレンを連れていきなさいよ。」
「わぁかってるよ。」
そういって、グラン、シード、ヘレンの3人は教会へ向かう。外面を気にして馬車で向かう。ヘレンは御者席に座る。俺とグランは馬車の中に入る。
教会に着いた。
「教会長、今日はお願いする。」
「初めまして、シードです。」
「こちらこそ初めまして。ここの教会長をしておりますアークと申します。こちらこそよろしくお願いします。」
「ではこちらにどうぞ。」
その声を聞き、シードとヘレンはついて行く。
「お父さんは一人で大丈夫なの?」
「正直なところ、自分より強いので、自分はいてもいなくても変わらないんですよ。」
と悔しそうな顔をしてヘレンが答える。
「おう。俺は大丈夫だから、気にせず行ってこい。」
とグランが言うので再び進んでいく。教会の礼拝堂に入ると沢山の子供がいる。今日のヘレンの格好は鎧を着てはいないが剣を持っているだけで目立つようだ。冒険者の子供だと思われる親は持っている人はいるがそこまでは多くない。
俺は用意された椅子に座る。
「おい、どけ。」
と同じくらいの年齢と思われる男の子が言い寄ってくる。
「何故でしょうか。」
「俺は男爵の子供だぞ。偉いんだぞ。」
こちらに目線が集まる。
「お前みたいなバカには俺の凄さが分からないと思うがな。」
ヘレンが剣を抜く
「抑えて!」
ヘレンは俺の勢いに驚き、その男爵の子供と名乗る子供はヘレンの殺気を浴びたのか腰を抜かし、ズボンを濡らしていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます