第13話 剣の才能

剣の才能。それは、そのスキルを持つことで剣が上手くなる訳では無い。剣の才能、剣鬼の才能、さらには剣聖の才能は努力することでその成長速度が上がる才能でしかないのである。最低位の剣の才能でさえも珍しい才能系スキルを授かったのは幸運としか言えなかった。


「ほう、剣の才能と、使役召喚か。良かったじゃないか。」

「さすがシードだわ。」

 前がグランで、後がミラだ。

「お父様、お願いがあります。剣を教えてくれませんか。」

「ほう。明日の朝少し素振りをしてみようか。」

「はい。」

 シードの声色が、少し明るくなる。誰が見ても分かるくらいには。

 

 翌朝、グランに、日本でいう小太刀位の長さの木刀を渡された。

「剣としては短いが、お前にとっては少し長いか?まぁ、言い、少しやって見るから真似してみろ。」

 グランは中段に構える。気配が変わり、剣を上げながら静かに息を吸い、振り下げる。剣から1m程離れているが、風圧を感じた。

「これがとりあえず目指すべき素振りだ。剣の修行は危険だ。木刀でも当たりが悪ければ死ぬ。これができるか、少なくとも5歳になるまで俺は教えるつもりはないから頑張れよ。」

 と笑ってどっかに行ってしまった。俺は思った。こいつ教えるつもりないだろと。

 俺は1回やってみようと、中段で構えようとするがふらついてしまう。俺の体格的に明らかに合ってないのだ。少なくとも3歳が持つものでは無いことは間違いない。俺は仕方ないと思い、庭を走る。何事も初めは走り込みだ!って安直な考えである。

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