第4話 疾風
間一髪ソラは避ける。
彼は風の軌道が読めるので、避けるのは得意である。
それでもギリギリであった。
「彩奈!下がってろ!!」
彩奈は後ろの森へと走り出す。
「こいつ倒したら次はお前や。」
そう言って才蔵はポケットに手を入れ、何やら手に装着する。
メリケンサックのようなものであった。
「それも魔道具か。
お前、気配消しも使ってるだろ。」
「ようわかったな、自分。
だが、それを知っても死ぬんや。
残念やったな。」
才蔵が迫ってくる。
〜神山流 風の書 第一之技〜
『 鎌鼬 』(かまいたち)
才蔵はそれを身体を捻りギリギリ避ける。
彼は接近戦専門なので身体能力が飛び抜けていた。
さらにそれを魔道具により、補強していたのである。
抜刀の技なので連打は出来ない。
そのままソラは構える。
「なかなか器用な技やな。
でも、もう終わりや。」
そう言って才蔵は自分の間合いへと持ち込む。
殴ろうとした瞬間、彼の視界からソラは消えていた。
〜神山流 風の書 第二之技〜
『 疾風 』(はやて)
ドンッ
「峰打ちにして置いたぞ。
お前の情報を教えろ。」
ソラは才蔵の首元へと刀を突き付けるのでした。
才蔵が間合いへと持ち込み勝利を確信した瞬間にソラは膝の力を抜いていた。
そしてそのまま落下する力を利用して、
前に重心を持っていき、相手の視界から消える。
そこで落下の加速した体重の移動を使い加速、同時に脚に力を入れ蹴りだし相手とすれ違いに超高速の一太刀を相手に入れる技である。
こちらから仕掛ける技としても有効だが
才蔵の様な超近距離を生業としている相手にもカウンターとして有効である。
ソラがよく使う技であった。
「せやから、ワイは破門されたんやって!」
「え!?あんたあんなに自信満々に言ってたくせに?」
才蔵は彩奈に先程から問い詰められている。
何でも話によれば、彼は破門された。
と言うよりかは彼の流派は乗っ取られたらしい。十字目のやつにより。
だがその特徴は俺が水晶で見たやつとは違うようであった。
そして、思ってたより才蔵は悪い奴ではなかった。
「で、190cm程の大柄の筋肉質の男?
そんな人知らないわ。
てことは、あの目の模様は集団なのかしら?」
ますます謎は深まるばかりだ。
だが、唯一才蔵と出会って良かったこともある。
それは道案内ができたと言うことだ。
「せやから、ワイもついていきやす!
都まではワイがよう知ってますし。
何よりワイより強いアンさんならなんとか出来るかもしれへんし。」
他力本願な奴である。
だが、才蔵も底を見せてないだろう。
俺が技を2つ使ったのに、才蔵は1つも使っていない。
やろうとすれば、もっと出来たはずだ。
慢心もあったかもしれないが。
まあとにかく1人仲間が増えたと思えば、この先の道のりは頼もしい。
こうして3人に増え、都へと向かうのであった。
新戦国御伽草子 〜魔道具使いの侍達〜 児鳥だよ @kakuyomina
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