第3話 石田才蔵


「ソラ、ごめんね。。

 あれは私の兄。

 兄が何かをしたのね、、

 私を軽蔑しても構わないわ。」


彩奈の目には薄らと涙が浮かぶ。


「いや、俺はこうして生きているし。

 何か別の理由があったのかもしれない。

 それに彩奈の兄貴を見つければ俺の記憶が戻るかも知れねーしな。

 一緒に探そうぜ!」


ソラは手を差し出す。

彩奈はそれに応じるのであった。



とりあえず都へと向かうか。

2人は手掛かりを求めて、

都を目指すことを決めたのであった。




「ねぇ疲れたわ。

せめて馬でも借りれば良かったのに。。」


「今更そんな事言ったって遅いだろ。

 とっとと行くぞ。

 村までたどり着かなかったら今日も野宿だからな。」


「えぇーーっ!?

 それは無理ーーーっ!!」



その時、ソラは刀に手を掛けた。


「どうしたの?」

彩奈がそっとソラの後ろに隠れる。



「少し先で争ってる音がする。」


「さすがね、その勾玉のおかげ?」


ソラの腰には緑色の勾玉がある。

これは魔道具の一つであり、風の力を得る。

ソラの流派は風を使う。

そのために必須な魔道具であった。


「あぁ。微かだが風の音がそう教えてくれた。」


まあ、距離もあるし大丈夫だろう。

少し気をつけながら進む2人であった。



「もう疲れたー!!

休憩ーっ!」


彩奈は見つけた岩に座り込む。


まあ人の気配もないし、大丈夫だろう。

ソラも腰掛けようとした。



「お2人で新婚旅行でっかー?」


ソラは驚き、彩奈の前に立つ。


「いやいや、お兄さん。

 そんな血の気が多いと早死にしまっせー。」


頭に手拭いを巻いた180cm程の

細めの男がいつの間にかいた。



「誰だ!?」


「わいでっか?

 先ずそちらから名乗るのが筋ってもんでっせ。

まあいいですわ。

石田 才蔵。

極真道の近藤派でやっとりました。

腕には自信ありまっせ。」


「俺の名は真田 空。」


相手は丸腰である。

しかし雰囲気からわかる。

奴は手馴れている。


その時彩奈が何かを思い出した様に



「近藤派ってことは都から来たってこと?」


「よう知ってますなお姉さん。」


「知ってるも何も近藤派は超有名どころじゃない!

 極真道は素手だったけれども

近藤派は魔道具、そして西洋から伝わったガントレットも使い近接戦では最強とも言われている噂も聞くわ。」


才蔵は指を鳴らしながら


「ようご存知で。

 ワイは探している人が居ってな。

 目に十字を刻むやつなんや。

 そいつのせいで、、

まあ、初対面の人に言ってもあれやな。

 気つけぇや。」


「十字の目?

 あなたもなの?」


彩奈が言った途端、才蔵の目の色が変わった。


「何か知っとるんやな。

 吐いてもらおうか。」


彼は彩奈に進んでくる。

俺は彩奈と奴の間に入る。


「俺らも探している。

 だが何も知らない。

 都に手掛かりを求めて目指しているところだ。」


「ほんまかいな?

 まあいいわ。

 お前らも尋問するだけや」


そう言って才蔵はソラに殴り掛かるのであった。


 


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