第2話 占い
〜翌日〜
朝から2人は隣村へと向かう。
ソラは乗り気でないが、彼女のボディガード兼荷物持ちとして同行した。
そしてここ界隈では有名な鑑定士のいる魔道具屋を訪れた。
魔道具屋には鑑定士がいる所も多い。
譲って貰う場合、稀に先祖のモノや天然のモノが見つかることもある。
その場合鑑定して貰う必要があるからだ。
場合によってはもう魔力がないモノ、呪いがかかっている場合もある。
そして鑑定士の店主は怪しげな眼鏡を使い彩奈が渡した石を見ている。
そして数分後、鑑定結果が出た。
しかし、
「これは私も初めて見ます。
申し訳ないですが力になりかねます、、
京の都の有名な鑑定士に見て貰った方が良いですね。」
彼には分からないということであった。
何か特殊な力が宿っている気はする。
ということであった。
彩奈は少し不機嫌な顔で扉を開けて外へ出て行く。
俺は礼を行って追いかけて外へ向かう。
その時一瞬だが、どこからか視線を感じた。
殺気にも似たような気を感じ、振り返ったが店主しかいない。
気のせいだったか。と思い、ソラは忘れて追いかけて行くのであった。
日が陰っていく。
少し辺りは暗くなっていた。
その後一緒にお昼を食べたが、彩奈の頼んだ親子丼が良くなかった。
なぜ親子丼の玉ねぎを長ネギに変えたのか。
彼女は無類の玉ねぎ好きである。
そのせいで彼女の機嫌はまだ治っていないように感じていて、俺は少し距離を取りながら歩いていた。
「ねぇねぇ。ソラは占いを信じるの?」
「いや、俺は目に見えるものしか信じない。」
「でも魔道具の力を使ってるのに?」
彼女は戯けたようにソラに言う。
少しは機嫌が治ったようだ。
「じゃあ占って貰うか。
どうすれば俺の記憶が戻るか分かるかもだしな!」
そうして怪しげな祠に着いた。
この中に居るらしい。
確かに進むとTHE占い師の格好をした老婆が水晶に手を当てて座っている。
「汝らが此処に来るのは予期されていた。」
あぁそうか。
俺は話半分で聞き流そうとした。
彩奈も同じ気分だろう。
まあいい。試しに占って貰うだけさ。
そう思い前に進んだ。
その瞬間目の前に光が放たれる。
「くっ、、なんだ!?」
「なんなのよーもぉー!!」
俺は腕で目を隠しながら刀に手をかける。
その光はすぐに収まった。
なんだったんだ?そう思いながら見ると
水晶が曇っている。
占い師はその場に倒れていた。
「大丈夫か?」
俺は占い師の元へと向かう。
「きゃーーーっ!!」
彩奈の悲鳴が上がる。
俺は振り返ると彩奈は口を押さえながら水晶を覗いているのであった。
そして水晶を指差している。
俺もその水晶を覗き込むのであった。
その水晶の中では俺が襲われていた。
彩奈は光が収まった後に、占い師へと向かうソラとは異なり、水晶へと足を伸ばした。
何故か水晶から呼ばれた気がしたのだ。
水晶を覗き込んだ彼女は驚いた。
ソラが襲われている映像である。
この水晶は魔道具であろう。
彼女も知っている。
これは何かその人の深い意識の部分であったりを映し出すモノだ。
そして襲っている人物を見て
彼女は声を上げた。
「え、、私の兄だわ、、、」
彼女の探していた兄が写っていた。
ソラも私の隣に来て、その映像を覗き込む。
兄の存在はソラにも黙っていた。
彼女は両親を早くに亡くしており、兄と共におばさんの家で育てられた。
だが彼女が16になった時に兄は何処かへと出かけて帰って来なくなった。
私は色々と探したり、話を聞いたが、全くの手掛かりは掴めなかった。
その翌年、おばさんは癌で亡くなった。
それで私は町を出て、新たな仕事を始め
ソラに出会ったのでした。
その兄がソラに斬りかかろうとしたシーン。
水晶の映像はそこで切れていた。
この後どうなったかはわからない。
だがソラは生きている。
そしてこの映像の中にもヒントはある。
兄の目に十字架の様な模様が浮かんでいた。
多分何かの魔道具の効果か何かであろう。
''兄を見つけだす。"
そう心に誓うのであった。
俺は複雑な心境でいた。
まさか俺の記憶を失くすキッカケは
彩奈の兄であったとは、、、
だがいくら血縁関係があっても彩奈ではない。
そして俺は無事だった。
何か理由があったに違いない。
ソラもまた記憶のために彼を探そうと思うのであった。
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