第5話【魔法の有無】

 何時間いるかわからないが白い空間で立ちながらスマホ弄っているが疲労感は特に感じない。流石に謎空間は格が違うぜ。一時間以上たちっぱなしが嫌で接客のバイトを断念した根性なしでもこの空間なら働けそうだ。

 さて、『異世界』に『転生』することを選ぶと次の選択肢は『スタート年齢』『知識』『外見』でそれぞれいろいろ選べるようだ。

 これは先ほど『転生』『転移』で色々悩んでいた際に気になった項目だ。さっそく選ばせてくれるとは神様は優しいなぁ。

 でも大前提としてどんな世界で生きていくのかってのが決まらないと選ぶのは難しい。攻めて先に魔法とスキルの有無を決めてから選びたかった。

 そんなこと考えているとスマホの画面が固まってしまった。しまった調子に乗りすぎて神様が怒ってしまったか?不安になっていると画面は『魔法の有無』『スキルの有無』『ステータスの有無』を選べるようになっている。ここの神様優しすぎるでしょ。むかついたから問答無用でデバフかけて異世界に送り込む神様だっているのに。

『魔法の有無』は問答無用で有りに。スタンダードではあるが剣と魔法の世界へのあこがれは強い。せっかく異世界行くのに魔物とか魔族とか化け物みたいな奴と肉体だけで戦う自信はない。

『魔法の有無』で有りを選ぶと更にオプションが表示された。先ずは『詠唱の有無』だ。これはもちろん有りだ。最初に読んだライトノベルの詠唱がカッコよくて隠れてこっそり練習もしていた。詠唱にあこがれて黒歴史ノート量産していた俺ならみんなが恥ずかしがる詠唱有の世界でもやっていける。お約束ではあるが工夫して詠唱短縮や無詠唱なんかを開発すればそれだけ優位がとれるだろう。

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