第4話【転移か転生か】

 さて、大幅に脱線してしまったが本命の『異世界』に戻ろう。『転生』か『転移』か。これはおそらく『転生』が異世界でその現地住民の子供として生まれてくるパターン。『転移』が主に現在の姿で異世界に紛れ込むパターンだろう。

『転生』のメリットとしてパッと考えられるのは幼少期から知識を持って鍛えられること。現地の知識を徐々に学べることだろう。小さい頃から知識を持って身体やスキル、魔法なんかを鍛えられればかなりのアドバンテージになるはず。知識を学ぶ事が出来ればいきなり見知らぬ世界に放り込まれて常識を知らずに苦労したり目立つのは避けられるはず。

 デメリットは幼少期から再スタートする幼少期がとっても大変なことだろう。自分の年齢が思い出せないが20代30代あたりの記憶をもってオシメされたり授乳受けたりはかなり厳しい。幼稚園児や小学生に交じって生活もおそらく大変なはず。

 いきなり周りの人間に転生したことを正直に話してしまうパターンを選ばない限り偽装する必要があるが絶対に親をだませる気がしない。子供からではなくある程度育ってからその体を乗っ取る形で転生するパターンもあるからこのデメリットは何とかなるかもしれない。


『転移』のメリットデメリットはさっきの『転生』の逆だと思っていいはずだ。

 知識は神様から教えてもらったりインストールしてもらったり、能力もおまけしてもらえればデメリットは消せるかもしれない。

 他に考えられるのは外見的特徴がデメリットになりそうな部分か。現代日本にどぎついピンクの髪の毛の2mのムキムキマッチョマンが現れたら注目されてしまうように現在の自分の姿が異世界で目立ってしまう可能性がある。最近では外見や年齢なんかを違和感なく仕上げてくれてから転生させてくれる親切な神様もいるみたいなのでこれも神様次第だろう。


 結局色々考えるとどっち選んでも神様の裁量次第でデメリット消せるからこの後の選択肢次第でまた戻ればいいだろう。最後に「本当にこれでよろしいですか」的な確認がなく飛ばされること考えてなるべくベストは尽くすつもりだが。

 名前も思い出せずこの体が自分のものである感覚が薄い現状では『転生』を選ぶほうがよさそうに感じる。顔も名前も思い出せない両親には申し訳ないが新しい体で頑張ろう。

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