第2話

僕の名前は本田、どこにでもいる高校生

普段はこんなことは絶対にしない性格だけど

どうか僕の話を聞いて欲しい

何の変哲もない日々を穏やかに生きていた

普通というのが唯一の個性だった僕はある日

学校の帰りにテンションが上がって昇った山の中で

偶然見つけた館に忍び込んだ

外見は酷くボロく人が住んでるなんて

思わなかったんだ。

他の人が見たら絶対に寄り付かないだろう

気味の悪い館、でもその時の僕はイキって

意気揚々と扉を開き探検を始めた

中はすごく綺麗だった、

塵一つない床蜘蛛の巣の欠片もない天井

隅々まで行き届いている掃除の完璧さたるや

あれは…プロの域だった

そんなこんなで色々な部屋を探検して

最後に行き着いたのはリビングだった

これでおしまいかなという寂しさと

どれだけ綺麗で豪華で広い部屋なのだろうか

という期待を胸いっぱい膨らませて

扉を開けたんだ。そこで目にしたリビングは……

…………………………………………………………………………………………………………………………

はっ……いけない、また意識が飛んでしまった。


毎度思い出すとここで意識が飛ぶんですよ

って言うくらいの衝撃を受けましてね……

許してちょ下さい。


だって…そのリビングが…恐ろしいくらい…

汚かったんだよぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁあ!




今まで見てきたあの綺麗な部屋の数々は

一体なんだったんだって!

塵と物しかない床!蜘蛛の巣で本来の姿が

1ミリたりとも見えない天井!

曇りすぎて外すら見えない窓!

呼吸すら許さないと

言わんばかりに宙を舞うホコリ!

そんな中寝袋で丸っこくなっている人影!

……酷い…酷すぎるこの部屋!

僕の期待を返せ!返せ…返せェよォォ…


ん?人影?


これがロズメール様に初めて会った時のことだった


そこから先はもう意識がほぼなかった

というか意識どころか魂がさよならしかけていた


最後に聞いたのは

「うええええええええええ?!嘘じゃろ

なんでここに人なんか?!というかそもそも

なんでこいつ死にかけて…………」

という寝袋の声だった。


まったく、いい人生だったよ

親に捨てられ誰にも相手にされないやつの死に際が

こんな汚い場所なんて


っていうかホコリが喉に詰まって呼吸困難って

そんな死に方初めて知っ…。





















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